○ 米国や英国では、新しい形態の会社(社団)が生まれています。米国では、low-profit limited liability company (=L3C)」ですね、英国では、2004年会社法の下に2005年に、公共の福祉に財産・利益を使用するcommunity interest company (CIC)が生まれました。今回は、米国のL3Cの話です。会社の概念としては、1) 法人性、2)営利性、3)社団性の3つですが、L3Cでは、このうち2)の営利性について、これを主要目的とせず、社会貢献を目的とすることとし、営利性は二次的な目的とするものとされています。ここ十数年間に米国で発達したLLC(Limited Liability Company)の変形ですね。LLCの前に「low-profit」と付けています。変な名前の付け方ですね。勿論、両方ともlimited liabilityですから、有限責任会社ですね。
○ LLCの場合、別に営利性でも非営利性でもどちらでもよかったのではと思いますが、実態としては営利団体ばかりが生まれました。例えば「赤信号みんなで渡ろう」投資のファンド等は、かなりLLCでしたね。会社・組織の形態は税法が大きく影響しますが、LLCもL3Cとも、組合と同じように「パススルー課税」ですね。即ちLLC・L3Cそのものの所得には(連邦税法上は)課税されず、出資者に帰属する部分に課税される訳ですね。
○ LLCとL3Cとの違いは以下であると言われています。
1) L3Cは、一つ以上の社会貢献あるいは教育活動を推進・達成するために組織されること。
2) 主要目的として、利益を追求したりキャピタルゲインを目指さないこと。
3) L3Cは、政治あるいは法令制定目的を持って組織されないこと。
とされているようです。
米国では、会社等の社団の法令は州法ですので、現在ミシガン、バーモント、イリノイ、ワイオミング、ユタ州等で制定されているようです。
○ 私は、2010年1月3日付けで、「NPOを株式会社・合同会社で設立する」というブログを書いています。
http://blog.goo.ne.jp/masaru320/d/20100103
こういう組織・会社形態ができると、今後いろいろ活用できそうですね。ただ、日本の法務省や国税庁には期待できないので、こういった法令ができるか疑わしいですけどね。
即ち、企業や地方公共団体、財団法人などがバックアップして、地域の公共施設の整備・管理・運営・清掃、子供向けイベント開催、里山保全、有機農業振興、商店街から受注して商店街の清掃活動等を行えばいいわけですね。勿論自助努力も必要です。お金=給与をもらうわけですからね。従業員は60-75歳とか、給与は年俸200-400万円で年金の足しぐらい(今は報酬比例部分は60才から受給できますが、2013年4月以降は61才支給となりますから、60-61才の人は無収入になります)とすれば、社会もハッピー、本人も少しお金を稼げるということでハッピー、年金財政もハッピーということで、良いのではないでしょうか。
お金とユダヤ人 富を引き寄せる5000年の秘密
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発売日:2010-03-27