金子夏樹著『リベラルを潰せ』を読みました。最近保守主義の力が強くなっています。そしてその保守勢力の力を利用して、反リベラル的な出来事が次々に起こっています。ロシアのウクライナ侵攻、アメリカの最高裁の妊娠中絶を認めないとの判断、日本における統一教会と政治家の癒着などです。この本では今、世界で起きている様々な問題に同じ背景があるということが分かります。
世界中が保守化しているという感覚は多くの人にあると思います。ロシアや中国は独裁化しており、民主的だと思われてきたアメリカでさえトランプが大統領になり、保守的な政策を進めていました。日本においても安倍晋三政権は保守色の強い政権でした。東南アジアやアフリカの国々も民主化の方向へは進まず、逆にロシアや中国の支援を受け、保守的な独裁的になってきているように見えます。ヨーロッパの国々でさえ、保守的な勢力が強くなってきています。これらの背景には、世界的な保守ネットワークが形成されているということがあるというのです。
保守勢力の台頭にはキリスト教系の古い伝統を守る勢力が関わっています。日本においてはキリスト教よりも、神道が強い影響力を持っているようです。つまり「日本会議」です。
リベラルな方向に世界が向かうと思っていたら、反動的な保守勢力が力を持ち始めた。その理由は考えなければいけないことです。ただしその保守勢力の力を味方につけることによって権力を強固にしようという政治家が目立ってきているのは確かだと思われます。
保守とリベラル。この対立についてしっかりと考えていくことも必要なことだと思いました。