ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

幌向ダム

2019-10-27 21:54:11 | 北海道
2019年10月19日 幌向ダム
 
幌向(ほろむい)ダムは北海道岩見沢市毛陽町の石狩川水系幌向川右支流マップ川源流部にある灌漑目的のロックフィルダムです。
北海道開発局農水部による国営幌向川地区土地改良事業の中核施設として1990年(平成2年)に竣工し、運用開始後は受益団体である北海土地改良区が受託管理を行っています。
穂別ダムの総貯水容量は834万立米と農業用ダムとしては屈指の規模を誇り、幌向川流域の受益農地2427.4ヘクタールに灌漑用水を供給しています。
 
栗沢町美流渡で道道38号線を北に折れマップ川沿いを進むと幌向ダムに到着します。
ダム下は幌向ダム多目的広場となっており芝生の広場が広がっています。
堤頂長が440メートルもあり一見高さは感じられませんが、実は堤高が44.4メートルもあります。
またリップラップ上に芝が張られておりぱっと見はアースフィルダムのようです。
多目的広場は夏場にはキャンパーなどでにぎわうようですが、シーズンオフの土曜早朝ということで人気は全くありません。
 
右岸から見た下流面
下流面は芝に覆われ見た目はアースなロックフィルダムです。
 
右岸ダムサイトに管理事務所、駐車場、モニュメンがあります。
このモニュメントは竣工記念碑を兼ねており、裏面にはダム建設までの経緯や諸元などが記されています。
 
管理事務所に掲載された水利使用標識。
 
上流面
こちらは石が積まれロックフィルダムだとわかります。
リップラップは上部に赤色チャートの赤石が積まれたツートンカラー。
 
総貯水容量834万立米の貯水池は灌漑期が終わり空っぽ。
 
天端は立ち入り禁止ですが、事前に見学の許可は得ました。
天端から見たダム下の多目的広場。
最近はクマの出没情報もあるそうです。
 
空っぽのダム湖に聳える取水塔
北海道のダムの秋の風物詩ともいえ、これはこれで絵になります。
取水塔右手足元には土砂吐が見えます。
 
左岸の洪水吐導流部。
 
横越流式洪水吐。
 
ダム湖右岸には幌向ダム親水公園があり、こちらにはテントが数張り張られていましたが、最近もクマの出没情報があったようでくれぐれも注意したいところです。
 
(追記)
幌向ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。  
 
0114 幌向ダム(1509) 
北海道岩見沢市毛陽町
石狩川水系マップ川
44.4メートル
430メートル
8340千㎥/8060千㎥
北海土地改良区
1990年
◎治水協定が締結されたダム

千代谷ダム

2019-10-27 17:27:22 | 北海道
2019年10月19日 千代谷ダム
 
千代谷ダムは北海道岩見沢市栗沢町上幌の石狩川水系茂世丑川右支流千代谷川源流部にある灌漑目的のアースフィルダムです。
石狩平野東端にあたる岩見沢市の夕張山地西麓では古くから農地開発が進められ、沢ごとに多くの灌漑用溜池が作られました。
千代谷ダムもそんな溜池の一つで、ダム便覧では北海道の事業で1923年(大正12年)に竣工と記されています。
現在は北海土地改良区が管理を行い、受益農地43.44ヘクタールに灌漑用水を供給しています。
岩見沢市の幌向川流域では1990年(平成2年)に北海道開発局農水部の事業で幌向ダムが竣工し大規模な灌漑用水路が整備されましたが、既存の溜池群も依然として貴重な灌漑用水源として重用されています。
 
千代谷ダム天端は関係者以外立ち入り禁止となっていますが、今回は土地改良区の許可を得て見学しました。
道道30号のレストラン『大地のテラス』脇を左折し東に向かい、千代谷川沿いの枝道に入りさらに2キロ進むと千代谷ダムに到着します。
ダム下
下流面は草が伸びています。
 
堤体直下の底樋ゲート。
 
右岸の洪水吐導流部。
 
水利使用標識。
 
洪水吐に架かる管理橋
車は通れるか?という幅ですが轍があるので軽トラが入ってるんでしょう。
 
右岸の越流式洪水吐。
 
天端
轍があるのであの狭い管理橋を車で入ってるようです。
 
総貯水容量は62万立米。
水位は低くなっていますが、まだ水が残っています。
 
上流面はコンクリートで護岸
 
左岸に取水設備が見えます。
たぶん多孔式斜樋でしょう。
 
追記(追記)
千代谷ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。  
 
0013 千代谷ダム(1518) 
ため池コード
北海道岩見沢市栗沢町上幌
石狩川水系千代谷川
19.9メートル
165メートル
620千㎥/550千㎥
北海土地改良区
1923年
◎治水協定が締結されたダム

一の沢ダム

2019-10-27 12:56:31 | 北海道
2019年10月18日 一の沢ダム
 
一の沢ダムは北海道岩見沢市栗沢町茂世丑の石狩川水系茂世丑川支流上幌一の沢川源流部にある灌漑目的のアースフィルダムです。
石狩平野東端にあたる岩見沢市の夕張山地西麓では古くから農地開発が進められ、沢ごとに多くの灌漑溜池が作られました。
一の沢ダムもそんな溜池の一つで、ダム便覧では北海道の事業で大正末期に着手され1927年(昭和2年)竣工と記されています。
現在は北海土地改良区が管理を行い、受益農地10.49ヘクタールに灌漑用水を供給しています。
岩見沢市の幌向川流域では1990年(平成2年)に北海道開発局農水部の事業で幌向ダムが竣工し大規模な灌漑用水路が整備されましたが、既存の溜池群も依然として貴重な灌漑用水源として重用されています。
 
一の沢ダム天端への道はは関係者以外立ち入り禁止となっていますが、今回は土地改良区の許可を得て見学しました。
道道30号の茂世丑郵便局の手前を東に折れ、一の沢川沿いのダートの隘路を辿ると一の沢ダムに到着します。 
下流面
草刈りが行われています。
 
水利使用標識。
 
上流面はコンクリートで護岸。
 
右岸の洪水吐導流部
堤体に沿ってカーブを描いています。このあたり近接する二の沢ダムとよく似た構造。
 
右岸の横越流式洪水吐。
 
アングルを変えて。
 
洪水吐の上流側にある多孔式斜樋。
 
天端は狭く車が通れる幅はありません。
 
天端からの眺め。
でもやっぱり草はところどころ伸びている。
 
総貯水容量16万8000立米の貯水池
満水、水は抜かれないのでしょうか?
 
底樋は確認しませんでした。
 
(追記)
一の沢ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。  
  
3356 一の沢ダム(1517) 
ため池コード
北海道岩見沢市栗沢町茂世丑
石狩川水系上幌一の沢川
17.4メートル
86メートル
168千㎥/140千㎥
北海土地改良区
1927年
◎治水協定が締結されたダム

二の沢ダム

2019-10-27 11:58:21 | 北海道
2019年10月18日 二の沢ダム
 
二の沢ダムは北海道岩見沢市栗沢町茂世丑の石狩川水系茂世丑川支流二の沢川源流部にある灌漑目的のアースフィルダムです。
石狩平野東端にあたる岩見沢市の夕張山地西麓では古くから農地開発が進められ、沢ごとに多くの灌漑用溜池が作られました。
二の沢ダムもそんな溜池の一つで、ダム便覧には北海道の事業で1923年(大正12年)着工、1925年(大正14年)竣工と記されています。
現在は北海土地改良区が管理を行い、受益農地32.73ヘクタールに灌漑用水を供給しています。
岩見沢市の幌向川流域では1990年(平成2年)に北海道開発局農水部の事業で幌向ダムが竣工し大規模な灌漑用水路が整備されましたが、既存の溜池群も依然として貴重な灌漑用水源として重用されています。
二の沢ダム天端への道は関係者以外立ち入り禁止となっていますが、今回は土地改良区の許可を得て見学しました。
 
道道30号の茂世丑郵便局手前を東に折れ二の沢川沿いのダートの隘路を辿ると二の沢ダムに到着します。
下流面
この時期の北海道の溜池は上下流面の草刈りが済んでいるところが多いのですが、ここはまだのようです。
 
堤体直下の底樋樋門。
 
右岸の洪水吐導流部
堤体に沿ってゆるやかにカーブを描いています。
 
右岸洪水吐
洪水吐のコンクリートはまだ白く、最近改修が行われたようです。
 
水利使用標識。
 
上流面
基部はコンクリートで護岸。
 
左岸にある多孔式斜樋。
 
総貯水容量は30万4000立米。
北海道では灌漑期が終わると水が抜かれる池が多いのですが、ここはまだ水が残っています。
 
天端から
右岸の洪水吐からの導流部と左岸の底樋からの水路がダム下で合流、そのまま二の沢川を流下します。
 
天端
轍が残っています。
 
北海道の他の溜池に比べると上下流面ともにちょっと荒れ気味で貯水池に水も残ったままです。
草刈りや水抜きはこれから行われるのでしょうか?
 
(追記)
二の沢ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。  

3355 二の沢ダム(1516) 
ため池コード
北海道岩見沢市栗沢町茂世丑
石狩川水系二の沢川
18.4メートル
125.1メートル
304千㎥/270千㎥
北海土地改良区
1925年
◎治水協定が締結されたダム