ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

宝池ダム(宝池)

2019-10-28 16:06:23 | 北海道
2019年10月19日 宝池ダム(宝池)
 
宝池ダムは北海道岩見沢市宝水町の石狩川水系志文三の沢川右支流野々沢川にある灌漑目的のアースフィルダムです。
石狩平野東端にあたる岩見沢市の夕張山地西麓では古くから農地開発が進められ、大正後半から昭和初期にかけて沢ごとに多数の灌漑用溜池が作られました。宝池もそんな溜池の一つでダム便覧には北海道の事業で1925年(大正14年)に竣工と記されています。
現在は北海土地改良区が管理を行い、受益農地147.44ヘクタールに灌漑用水を供給しています。
 
岩見沢市街東部を南北に走る道道30号を南下し宝水町に入ると道道東側の山沿いの林道に入ります。水路に沿って進むと正面に宝池ダムが見えてきます。
手前の樹林が邪魔になり堤体は隠れますが洪水吐が見えます。
 
ダム手前に立ち入り禁止・魚釣り禁止の標識がありますが事前に許可を得てあります。
右岸から下流面。
 
水利使用標識。
 
右岸上流面に斜樋がありその先に土砂吐が見えます。
 
天端には轍が残っています。
対岸(左岸)に洪水吐があります。
 
総貯水容量101万4000立米と岩見沢にある溜池の中では大規模な貯水池。
来春の融雪期に備えてすでに水が抜かれています。
 
土砂吐をズームアップダム。
 
上流面はコンクリートで護岸されています。
 
左岸の横越流式洪水吐。
 
洪水吐導流部。
 
ダム下には下りなかったので底樋は確認しませんでした。
 
(追記)
宝池ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
 
0018 宝池ダム(1523) 
ため池コード
北海道岩見沢市宝水町
石狩川水系野々沢川
17.8メートル
158.8メートル
1014千㎥/1000千㎥
北海土地改良区
1925年
◎治水協定が締結されたダム

三の沢上志文第二ダム

2019-10-28 13:20:31 | 北海道
2019年10月19日 三の沢上志文第二ダム
 
三の沢上志文第二ダムは北海道岩見沢市上志文町の石狩川水系幾春別川左支流志文三の沢川にある灌漑目的のアースフィルダムです。
石狩平野東端にあたる岩見沢市の夕張山地西麓では古くから農地開発が進められ、大正後半から昭和初期にかけて沢ごとに多くの灌漑用溜池が作られました。
志文三の沢川では1924年(大正13年)に三の沢上志文第一ダムが完成しますが、戦後の食糧難に対応した農地開発に伴い第一ダムの下流1キロ地点に新たに建設されたのが三の沢上志文第二ダムです。
ダム便覧では1954年(昭和29年)に北海道の事業として竣工と記されています。
現在は第一ダムともども北海土地改良区が管理を行い、受益農地43.05ヘクタールに灌漑用水を供給しています。 
 
道道30号から岩見沢雉ヶ森カントリー倶楽部入口手前に第一、第二ダムからの灌漑用水路分水工があります。
 
分水工からゴルフ場へ向かうとすぐ右手にダム下への入口があります。
下流面は犬走りを挟んだ二段構成。
 
ダム下に第二貯水池竣工記念碑が建ちます。
 
ダムの下流で分岐する林道を進むと天端への入口があります。
入口にある水利使用標識。
 
水利使用標識から先は立ち入り禁止ですが事前に許可を得てあります。
天端
対岸(右岸)に洪水吐があります。
 
灌漑期が終わり水が抜かれた貯水池
水利使用標識では総貯水容量32万4000立米、一方ダム便覧では70万立米となっています。
 
左岸の多孔式斜樋と土砂吐。
 
天端からの眺め
右岸からの洪水吐導流部と左岸にある底樋がダム下で合流し志文三の沢川として流下します。
 
上流面はコンクリートで護岸。
 
右岸の横越流式洪水吐。
 
(追記)
三の沢上志文第二ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
 
3357 三の沢上志文第二ダム(1522) 
ため池コード
北海道岩見沢市上志文沢町
石狩川水系志文三の沢川
16メートル
132.5メートル
324千㎥/264千㎥
北海土地改良区
1954年
◎治水協定が締結されたダム

三の沢上志文第一ダム

2019-10-28 10:51:31 | 北海道
2019年10月19日 三の沢上志文第一ダム
 
三の沢上志文第一ダムは北海道岩見沢市上志文町の石狩川水系幾春別川左支流志文三の沢川にある灌漑目的のアースフィルダムです。
石狩平野東端にあたる岩見沢市の夕張山地西麓では古くから農地開発が進められ、大正後半から昭和初期にかけて沢ごとに多くの灌漑用溜池が作られました。三の沢第一ダムもそんな溜池の一つで、ダム便覧では北海道の事業で1924年(大正13年)に竣工と記されています。
戦後の食糧難に対応した農地の拡大に伴い1954年(昭和29年)には下流1キロ地点に新たに三の沢上志文第二ダムが建設されました。
現在は第一ダム、第二ダムともども北海土地改良区が管理を行い、受益農地43.05ヘクタールに灌漑用水を供給しています。
 
岩見沢雉ヶ森カントリー倶楽部手前の林道を進むとまず三の沢上志文第二ダムが現れ、さらに上流に向かうと第一ダムに到着します。
ダム下には道営災害復旧事業の説明板と水利使用標識が立っています。
 
下流面。
 
右岸の洪水吐導流部。
 
天端へ通じる道は関係者以外立ち入り禁止ですが事前に許可を得てあります。
天端には轍がついています。
 
総貯水容量71万立米の貯水池。
灌漑期が終わり水が抜かれています。
 
下流面
ダム下で洪水吐導流部と底樋からの水路が合流します。
 
左岸ダム下の底樋樋門と底樋枡。
 
上流面はコンクリートで護岸。
 
左岸の多孔式斜樋と土砂吐。
 
右岸の越流式洪水吐。
 
(追記)
三の沢上志文第一ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
 
0015 三の沢上志文第一ダム(1521) 
ため池コード
北海道岩見沢市上志文沢町
石狩川水系志文三の沢川
20メートル
168メートル
710千㎥/475千㎥
北海土地改良区
1924年
◎治水協定が締結されたダム

大正池

2019-10-28 01:13:00 | 北海道
2019年10月19日 大正池
 
大正池は北海道岩見沢市緑が丘の石狩川水系南利別川にかつて存在した灌漑目的のアースフィルダムです。
ダム便覧には北海道の事業で1914年(大正3年)に竣工と記されておりり、完成当時の元号から大正池と名付けられたものと思われます。
長く下流の農地の灌漑用水源となって来ましたが、市街化が進み2009年(平成21年)に水利権が返上されました。
翌2010年(平成22年)には堤体の一部が陥没して貯水が流出、その後堤体は除去され貯水池としての体を成していませんでした。
大正池周辺は1960年代以降、利根別自然公園やいわみざわ公園として整備されてきましたが、大正池の放置は洪水被害の原因につながる恐れがあり、また自然公園としての景観上もそぐわないとの意見から2018年(平成30年)より岩見沢市の事業により大正池復旧事業が着手されています。
竣工の暁には堤高13.5メートル、貯水容量14万立米の修景池として復元される予定です。
ダム番号『0001』番のダムですが、堤高13.5メートルでは河川法上のダムには当たらないため残念ながらダム便覧からは早晩削除されることになりそうです。
 
道道789号線玉泉館跡地公園を南に折れ高速を跨ぐと利根別自然公園に到着します。
すぐそばで復旧工事が行われておりダンプが止まっている場所に堤体が盛り立てられるようです。
 
こちらはかつて堤体が撤去された際にその土捨て場となったところ。
粘土質の土とかき混ぜて遮水ゾーン用の土を生成中です。
 
利根別原生林ウォーキングセンターにはかつて大正池で使用された木樋が展示されています。
 
樽状の木樋の回りをコンクリートで巻き付けた非常に珍しい樋管だそうです。
これが100年間も樋管として機能してきたとは驚きの一言。
 
 
 
 
ウォーキングセンターの男性ガイドさんがから大正池廃止の経緯や、新たな池復旧について詳しく説明していただけました。
利根別自然公園は市街地至近でありながら原生林が残っており、大正池復元の際には再訪してみたいところです。
 
0001 大正池(1520) 
北海道岩見沢市緑ヶ丘
石狩川水系南利別川
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13.5メートル予定
---メートル
‐‐‐‐千㎥/‐‐‐‐千㎥
岩見沢市
1914年 大正池竣工
2009年 水利権返上
2010年 堤体陥没
2023年 修景池として竣工。