2020年11月21日 大井上ダム?(平原ため池)
ダム便覧では大井上ダムは山口県下関市豊田町西市にある灌漑用目的のアースフィルダムとなっていますが、具体的な経緯度は示されず、事実上の位置未確認ダムとなっています。
しかしダム便覧の拾泉舎さまの『大井上ダム(山口県下関市)の位置未確認について』から山口県下関市豊田町矢田の木屋川水系山田川にある『平原ため池』が大井上ダムである公算大として、今回は平原ため池を訪問しました。
ただしダム便覧に掲載された河川やダムの諸元については矛盾があるため、ここではため池データベースの平原溜池の諸元を採用します。
下関市豊田町中心部にある市立豊田中央病院から市道を西に進み、ヘアピンの急坂を登りきると右手(北側)に未舗装の車道が分岐します。
これが池への入口で約1キロ先に平原ため池があります。
平原ため池は2009年(平成21年)~2010年(平成22年)にかけて大規模な改修工事が行われました。
上流面はコンクリートブロックで護岸されています。
奥(左岸に)横越流式洪水吐があります。
改修から10年が経過しますが、いまだコンクリートは白さを保っています。
右岸の斜樋のハンドル。
貯水池
ダム便覧大井上ダムの貯水容量は8万8000立米となっていますが、平原ため池の貯水容量は6万立米となります。
天端から見た斜樋
シャフトは一本。
左岸の横越流式余水吐。
余水吐導流部と減勢工
バッフルピアが4基並びます。
ダム下に下りてみます。
基部はコンクリートブロックの擁壁でその下に底樋があります。
さらに下から
堤体と余水吐をともに写し込みました。
ため池データベースでは堤高は13.4メートルとなっておりダムの要件を満たしていません。
ダム便覧では平原溜池を大井上ダムと特定してはおらず、住所や諸元は従来のまま記載されています。
仮に大井上ダムが平原溜池であったとしてもダムの要件を満たしておらずダム便覧からの削除が妥当かと思います。
2044 大井上ダム?(平原ため池)(1587)
ため池コード 354420098
山口県下関市豊田町矢田
木屋川水系山田川
A
E
13.3メートル(ダム基準未達)
46.3メートル
60千㎥/60千㎥
矢田地区
1934年竣工
2010年改修工事竣工