ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

大河内川ダム

2020-12-08 02:43:32 | 山口県
2020年11月22日 大河内川ダム
 
大河内川ダムは山口県長門市深川湯本の深川川水系大河内川に山口県建築土木部の事業で建設予定の多目的重力式コンクリートダムです。
山口県は1975年(昭和50年)より深川川右支流大河内川への多目的ダム建設事業の調査を実施、1990年(平成2年)に深川川総合開発事業が着手され2011年(平成23年)竣工を目途にダム建設事業がスタートしました。
しかしバブル崩壊以降の経済状況の変化による水需要の下方修正や公共工事見直し機運が強まる中、大河内川ダム建設事業は国交省による検討対象ダムとなります。
2015年(平成27年)に改めて事業継続が決定し、現在は本体工事に先んじて県道付け替え工事が進められています。
 
大河内川ダム完成予想図(山口県土木建築部HPより)
 
長門市板持から県道280号に入り大河内集落を過ぎると県道付け替え工事の案内標識が現れます。
県道付け替え工事現場への立ち入りはできません。
 
県道をそのまま進むとダム建設地点に『ダム軸』の標識が現れます。
 
 
ダムへ建設予定地手前の大河内集落
雲州瓦の赤い屋根とブランド牛である長門牛の放牧という牧歌的な風景に遭遇しました。
この集落はダムに沈むことはありません。
 
ダム建設は今始まったばかり。竣工までは10年単位の年月がかかりそう。
 

2102 大河内川ダム
山口県長門市深川湯本
深川川水系大河内川
FNW
62メートル
155メートル
4190千㎥/3990千㎥
山口県土木建築部
1975年深川川総合開発事業着手

湯免ダム

2020-12-08 02:15:51 | 山口県
2020年11月22日 湯免ダム
 
湯免ダムは山口県長門市三隅中の三隅川水系川水系辻並川源流部にある山口県土木建築部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。 
建設省(現国交省)の小規模ダム事業である生活貯水池事業の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、辻並川および三隅川の洪水調節、両河川での安定した流量の維持と既得取水権への用水補給、長門市旧三隅町地域への上水道用水の供給を目的として2006年(平成18年)に竣工しました。
 
湯免ダムは右岸が県道36号線が走りアプローチは簡単です。
ダム下は公園として整備されているもののやや荒れ気味。
下から見上げると左岸が屈曲しています。
クレスト2門、オリフィス1門のゲートレスダムで、クレストとオリフィスの位置がずれた面白い配置となっています。
さらに導流壁がないのも湯免ダムの特徴です。
 
減勢工と右岸の利水放流設備。
 
天端から。
クレストゲートがオリフィスの左岸側に偏っているため減勢工は左右非対称。
 
みすみ湖と命名されたダム湖は総貯水容量74万立米
県道36号がダム湖上流を跨ぎます。
 
左岸から
堤体は左右両岸が湾曲しています。
堤高46メートル、堤頂長200メートルと生活貯水池事業で建設されたダムとしてはかなり大規模。
 
左岸下流側から
対岸に管理事務所がありますが、職員の常駐はありません。
 
天端は歩行者のみ通行可。
ロングで撮ると堤体が屈曲しているのがよくわかります。
 
県道36号から遠望
クレストゲート2門、その右手にオリフィスと取水設備が並びます。
 
インクライン・艇庫はなく右岸に浮き桟橋があり巡視船が係留されています。
 
さらに上流から遠望
ダム湖左岸湖畔には散策路が設けられ写真手前の半島部高台には展望台もあります。
 
生活貯水池事業で建設されたダムとしては大きなダムです。
比較的新しいダムということで周辺整備も素晴らしく、これが都市近郊なら間違いなく市民の憩いの場になるのですが・・・・。
3連休の中日にもかかわらずわが家が見学している間、他の来訪者はありませんでした。
 
(追記)
湯免ダムには洪水調節容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。
 
3214 湯免ダム(1588)
山口県長門市三隅中
三隅川水系辻並川
FNW
46メートル
200メートル
740千㎥/690千㎥
山口県土木建築部
2006年
◎治水協定が締結されたダム