ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

安岐ダム

2017-06-28 14:48:45 | 大分県
2017年6月17日 安岐ダム
 
安岐ダムは大分県国東市安岐町の安岐川にある大分県営の防災及び不特定利水目的の重力式コンクリートダムです。
国東半島南東部を横断し旧安岐町中心部で伊予灘に注ぐ安岐川はたびたび洪水被害を繰り返し、とりわけ1961年(昭和36年)10月の豪雨では流域に甚大な被害をもたらしました。
これを受け大分県は下流部4キロにわたり河川改修を行うとともに、上流部への防災ダムの建設を決めました。
そして1971年(昭和46年)に竣工したのが安岐ダムです。
安岐ダムは安岐川の洪水調節と既得取水権への補給・安定した河川流量の保持を目的としています。
 
安岐ダムはダム左岸を県道34号線が通っておりアプローチは簡単です。
左岸親柱にあるダムの概要プレート。
 
下流面
堤高35メートルとさほど高くはありません。
 
左岸フーチングの階段が開放され堤体直下に降りることができます。
 
ゲート
見えそうで見えません。
 
総貯水容量258万立米のダム湖。
 
導流面と減勢工。
 
天端は車両通行可能
左岸に管理事務所があります。
 
上流からゲートの見える場所を探しますが・・・・
木が邪魔!
 
管理事務所とインクライン。
 
下流から何とかゲートを見ることができました
薄くですがクレストから放流しています。
 
2774 安岐ダム(1042)
大分県国東市安岐町矢川
安岐川水系安岐川
FN
 
35メートル
172.5メートル
大分県
1971年

行入ダム

2017-06-28 11:48:16 | 大分県
2017年6月17日 行入ダム
 
行入で『ぎょうにゅう』と読みます。
行入ダムは大分県国東市国東町の田深川水系横手川にある大分県営の防災目的の重力式コンクリートダムです。
国東半島東部を横断し国東市中心部から伊予灘に注ぐ田深川は古くから流域に洪水被害をもたらし、終戦直後から河川改修が行われてきました。しかし1961年(昭和36年)10月の豪雨で流域に甚大な被害を引き起こしたのちもたびたび氾濫を繰り返し、抜本的な治水事業を求める声が高まりました。
これを受けて大分県は多目的ダムの建設を決定、1997年(平成9年)に田深川支流の横手川に竣工したのが行入ダムです。
当初は河川名を採り横手川ダムという名称で事業がすすめられましたが、地元の要望によりダム建設地の小字である行入へと名称が変更されました。
行入ダムは田深川および横手川の洪水調節、既得取水権への補給と安定した河川流量の保持を目的としています。
 
ダム建設地は国東半島特有の凝灰岩からなる地質で深い谷と奇峰、尖峰が立ち並ぶ景勝地となっており、行入ダム建設に当たってはシビックデザインを採用し周辺の景観や環境に調和するよう配慮が施されました。
また過疎化が進む周辺地域の振興策としてダム湖上流にパークゴルフ場や管理釣り場などが設けられているほか、ダムサイトがポケットパークになっており観光客やドライバーのレストポイントとしても重宝されています。
 
行入ダムは県道29号線沿いにありアプローチは簡単です。
まずはダム下から
クレストは自由越流式の非常用洪水吐が6門、一番左岸側(向かって右手)にオリフィスゲートがあります。
堤体や扶壁、導流壁などは四角く切り出された凝灰岩が使用されい石積みダムを彷彿とさせます。
また円形のバルコニーやゲート上部のアーチがダムを柔和なイメージに包み込んでいます。
 
高欄端の装飾。
 
下流面
古い石積み堰堤をモチーフにしたデザインで背後の岩峰と違和感なく調和しています。
 
上流面も石積み風。
 
天端もきれいに石が敷き詰められています。
照明もガス灯風。
 
三か所あるバルコニーには地域の行事や特産物などが彫り込まれています。
 
ダム下も公園になっています
減勢工は導流部左側に寄っており、左手に利水放流設備があります。
 
ダム湖は総貯水容量268万立米
上流にパークゴルフ場や管理釣り場があります。
 
管理事務所も寺院風のデザイン
事務所脇からインクラインが伸びています。
 
下流面
 
右岸上流から。
 
デザイン、周辺環境、そして管理人さん、いずれも素晴らしくまたホスピタリティに溢れたダムとなっています。
これまで1000余りのダムを回りましたがその中では十指に入る好印象のダムでした。
 
2800 行入ダム(1041)
大分県国東市国東町横手
田深川水系横手川
FN
 
43.5メートル
180メートル
大分県
1997年

大熊毛池

2017-06-28 10:00:24 | 大分県
2017年6月17日 大熊毛池
 
大熊毛池は大分県国東市国見町大熊毛にある灌漑用アースダムで、1969年(昭和44年)に大分県の事業で整備され、現在は地元の大熊毛地区が管理を行っています。
 
国道213号線の大熊毛バス停を南に折れ、大熊毛川沿いに南下すると大熊毛池左岸に到着します。
池の下流側の道路わきに複数の記念碑が並びますが、どれも摩耗が激しくよく判読できません。
 
下流面
この時期草が伸びるのはやむをえません。
 
左岸にある斜樋。
 
上流面
きれいに谷積みされた石で護岸されています。
 
天端は舗装されていますが、入口にロープが掛けられ車両の進入はできません。
 
総貯水容量15万3000立米の小さなため池。
 
天端からは正面に姫島が見えます。
 
右岸の洪水吐。
 
 
洪水吐導流部。
 
池の下流側へ回り込む道もありましたが厳しいダートのため今回は遠慮しました。
 
2767 大熊毛池(1040)
大分県国東市国見町大熊毛
大熊毛川水系大熊毛川
18メートル
155.1メートル
大熊毛地区 
1969年
◎海が見えるダム

亀の甲池

2017-06-27 15:59:19 | 大分県
2017年6月17日 亀の甲池
 
亀の甲池は大分県国東市国見町岐部にある灌漑用アースダムで、ダム便覧によれば1914年(大正3年)に地元の岐部地区によって建設されました。現在も岐部地区が管理を行っています。
 
大規模農道『オレンジロード』を東進して岐部トンネルを抜け岐部川手前の十字路を右折、そのまま岐部川に沿って南下すると亀の甲池にが見えてきます。
堤体下部がまるで城壁のようなきれいな石垣になっています。
 
右岸の洪水吐導流部
といっても岩盤を流下するだけです。
 
堤体中央に取水設備からの樋管があります。
 
天端左岸に記念碑と石造が並びます
右が大正時代の竣工記念碑、左が改修記念碑。
 
天端
轍があります。
 
堤体中央の斜樋
ここで取水された水が上の写真の樋管へと送られます。
 
総貯水容量9万3000立米の小さな溜池です。
 
天端から
直下の水田は水が張られ田植え直前。
 
上流面は布製の防水素材で遮水されています。
 
右岸の洪水吐はラビリンス。
 
 
小さな溜池ですが、洪水吐はラビリンス、洪水吐導流部は地山の岩盤、堤体下部は石垣と見どころの多い溜池でした。
 
2736 亀の甲池(1039)
大分県国東市国見町岐部
岐部川水系岐部川
17.7メートル
118メートル
岐部地区 
1914年

下後野池

2017-06-27 13:49:46 | 大分県
2017年6月17日 下後野池
 
下後野池は国東半島の北端、国東市国見町にある灌漑用アースダムで、ダム便覧によれば1893年(明治26年)に地元の中地区によって建設されました。
現在は伊美郷土地改良区が管理を行っています。
 
国道213号沿いの『道の駅 くにみ』の向かいにある『B&G国見海洋センター』の右手の道を南に進むと下後野池の左岸に到着します。
左岸には2基の記念碑が建っています。右手は竣工記念碑、左手は改修記念碑。
 
下流面。
 
上流面。
 
天端。
 
総貯水容量11万1000立米の小さな溜池です。
 
天端からは姫島が正面に見えますが、海洋センターの照明施設が邪魔!
 
堤体直下は海洋センターのゴルフ練習場。
 
左岸の斜樋。
 
右岸から上流面。
 
右岸に洪水吐がありますが、木が茂って上手く撮影できません。
 
海が見える溜池ですが、照明施設が邪魔をしています。
 
2730 下後野池(1038)
ため池コード
大分県国東市国見町中
北緯度分秒,東経度分秒
DamMaps
伊美川水系伊美川
15メートル
138メートル
千㎥/千㎥
伊美郷土地改良区
1893年

石河内池

2017-06-27 13:08:45 | 大分県
2017年6月17日 石河内池
 
石河内で『いしごうち』と読みます。ダム便覧では『いしごち』になっていますが間違いです。
石河内池は大分県豊後高田市夷にある灌漑用アースダムで、ダム便覧によれば1965年(昭和40年)に土地改良区の事業で建設されました。現在は石河内溜池土地改良区が管理を行っています。
 
県道653号を南東に向かい夷地区へと向かいます。実相院手前の分岐を左手にとり坂を登ると道路右手に石河内池の竣工記念碑が立っています。
 
洪水吐導流部。
 
道路はそのまま石河内池の堤体を斜行します。
 
逆方向から。
 
 
天端
残念ながら立ち入り禁止です。
 
上流面
石組で護岸されています。
 
右岸洪水吐
遠望するだけですが、左右の違いはありますが十玉池の洪水吐とそっくりです。
 
左岸の斜樋。
 
総貯水容量24万8000立米の貯水池
凝灰岩でできた湖畔の山々は急峻で左手には断崖も見えます。
 
2743 石河内池(1037)
ため池コード
大分県豊後高田市夷
北緯度分秒,東経度分秒
DamMaps
竹田川水系竹田川
23.8メートル
93メートル
千㎥/千㎥
石河内溜池土地改良区
1965年



十王池

2017-06-27 12:29:24 | 大分県
2017年6月17日 十王池
 
十王池は大分県豊後高田市臼野にある灌漑用アースダムで、ダム便覧によれば1970年(昭和45年)に大分県の事業で建設されました。現在は真玉町土地改良区が管理を行っています。
ダム便覧では『十玉池』となってりますが、現地記念碑や地元の方の言質より十王池が正しいと思われるため、ここでは十王池と記載することにします。
 
大規模農道『グリーンロード』を北上し臼野地区に入ると道路は右手に大きくヘアピンを描きます。その後横内集落で臼野川に沿った市道を交差し、そのまま直進すると右下に十玉池が見えてきます。
下流面 犬走りを挟んで2段構成です。
 
右岸に竣工記念碑がありますが、彫られているのは『十王池』
 
上流面はコンクリートで補強されています。
 
天端
轍があります。
 
総貯水容量17万立米の小さな溜池。
 
天端から
直下の水田は田植えが終わったばかり。
 
左岸の洪水吐と斜樋。
 
 
下流面。

2770 十王池(1036)
ため池コード
大分県豊後高田市臼野
北緯度分秒,東経度分秒
DamMaps
臼野川水系臼野川
16メートル
138メートル
千㎥/千㎥
真玉町土地改良区
1970年


大平池

2017-06-27 11:34:35 | 大分県
2017年6月17日 大平池
 
大平池は大分県豊後高田市大平にある灌漑用アースダムで、ダム便覧によれば1969年(昭和44年)に大分県の事業で建設されました。現在は受益者で組織される大平水利組合が管理を行っています。
 
県道29号払田交差点から大規模農道『グリーンロード』を北上し、清掃工場への分岐を分け赤坂川を渡るとすぐに右折、川沿いに東進すると大平池右岸に到着します。
池の右岸には太陽光パネルが並びます。
 
天端
轍がありますが対岸の洪水吐で行きどまりです。
 
竣工記念碑。
 
上流面はコンクリートブロックで護岸されています。
 
左岸の斜樋。
 
天端と左岸洪水吐。
 
総貯水容量10万立米の小さな貯水池。
 
天端から下流の眺め
溜池の水を供給する水田はずっと下流になります。
 
左岸の洪水吐。
 
下流面。
 
2766 大平池(1035)
ため池コード
大分県豊後高田市大平
北緯度分秒,東経度分秒
DamMaps
赤坂川水系赤坂川
15.7メートル
119.5メートル
千㎥/千㎥
大平水利組合 
1969年

並石ダム

2017-06-27 10:31:25 | 大分県
2017年6月17日 並石ダム
 
並石で『なめし』と読みます。
並石ダムは大分県豊後高田市の桂川水系都甲川源流部にある灌漑用ロックフィルダムで、大分県の事業で1985年(昭和60年)に建設され現在は並石土地改良区が管理を行っています。
ダム周辺は『アートと水の森 並石ダムグリーンランド』として公園化され、農産物販売所と食堂を兼ねる『里の駅』や水車、さまざまなアート作品の展示などが行われています。
 
豊後高田中心部から県道29号をひたすら東進、加礼川地区に入ると正面に並石ダムの堤体が見えてきます。
ちょっと逆光気味ですが、堤頂長200メートルを超える灌漑用としてはなかなか立派なロックフィルダムです。
 
左岸の洪水吐導流部を見上げます。
 
左岸ダムサイトに駐車場がありここに車を止めて見学します。
『里の駅』は農産物販売所兼食堂。
 
水車小屋。
 
凝灰岩を積み上げたアート調の竣工記念碑。
 
左岸の洪水吐。
 
上流面はロック材で護岸。
 
総貯水容量157万8000立米と灌漑用としては大規模な貯水池
背後には国東半島特有の凝灰岩の奇峰、尖峰が並びます。
 
下流面
草が伸び、見た目ではロックフィルとはわかりません。
 
天端
 
ダム湖を周回する遊歩道が整備され各所にアート作品が展示されているようですが、今回は天端を往復するにとどめました。
 
2778 並石ダム(1034)
大分県豊後高田市加礼川
桂川水系都甲川
38.5メートル
214.5メートル
並石土地改良区
1985年

高田池

2017-06-26 22:02:43 | 大分県
2017年6月17日 高田池
 
高田池はダム便覧によれば大分県豊後高田市高田にある灌漑用アースダムで、1907年(明治40年)に浦田土地改良区によって建設となっています。
ただし該当する住所に相当の溜池は存在せず実態は不明となっています。
今回は2016年8月に拾泉舎様がダム便覧に投稿された『工業団地になったダム~高田池(大分県)』の内容に従い、豊後高田市かなえ台の大分北部中核工業団地西側に位置する『高田池』を該当の高田池として訪問しました。
『工業団地になったダム~高田池(大分県)』によれば、高田池は工業団地造成の際に貯水池の大半が埋め立てられ通常は水はなく、現在は工業団地の防災調整池として機能しているということです。
 
まずは大分北部中核工業団地を目指します。地図の赤マルが高田池で荒れているものの車道から池へと続く舗装路があります。
今回は工業団地西側の路肩に車を置き、池への道路を歩いて到達しました。
 
高田池へと向かうと堤体が見えてきます。
水がないので一見下流面のようですがこれは上流面です。
 
右岸に常用洪水吐となる取水設備と横越流式洪水吐があります。
 
取水塔をズームアップ
多段式のゲートを装備しており、常用洪水吐となります。
 
横越流式洪水吐。
 
天端。
 
天端から
すぐ背後には工業団地の法面が控えます。
 
下流は鬱蒼とした竹藪。
 
横越流式洪水吐。
 
 
導流部。
 
現地の状況から灌漑用の貯水池としての役目は終えており明らかに防災調整池です。
ということで、ここではダムの目的も『F』と記載することにします。
 
2732 高田池(1033)
大分県豊後高田市かなえ台
桂川水系右支流
19メートル
145メートル
㎥/㎥ 
1907年

丸山ダム

2017-06-26 19:10:28 | 大分県
2017年6月17日 丸山ダム
 
丸山ダムは大分県豊後高田市佐野の桂川水系佐野川にある灌漑目的のアースフィルダムです。
ダム便覧には水利組合の事業により1972年(昭和47年)竣工と記されており、管理は丸山水利組合が行っています。
 
豊後高田市中心部から県道34号を東進、河内小学校の手前の佐野バス停を右折して丸山川沿いに南下、新粥集落を抜けると丸山ダムに到着します。
左岸に竣工記念碑がありますが、由来文などはありません。
 
天端。
 
天端から見た左岸の斜樋。
 
総貯水容量17万2000立米の小さな貯水池。
 
貯水池のインレットに砂防ダムらしきものが見えます。
 
天端からの眺め。
 
右岸の洪水吐。
 
上流面は石積で護岸されています。
 
洪水吐。
 
 
3383 丸山ダム(1032)
大分県豊後高田市佐野
桂川水系丸山川
24メートル
112メートル
172㎥/150㎥ 
丸山水利組合
1972年

魚ヶ鼻池

2017-06-26 18:14:06 | 大分県
2017年6月17日 魚ヶ鼻池 

魚ヶ鼻池は大分県宇佐市両戒の向野川水系田笛川にある灌漑目的のアースフィルダムです。
ダム便覧には1962年(昭和37年)に魚ヶ鼻土地改良区の事業で竣工と記されており、現在は土地改良区の統合により宇佐土地改良区が管理しています。
 
溜池へ通じる林道の入り口が見つからず少しうろうろしましたが何とか無事池に到着。
右岸側の斜面には改築や増築記念碑が墓石のように立ち並んでいます。
 
池の堤体を見てすぐに違和感に襲われます。なんかおかしい!!
堤体は緩やかに湾曲していますが、これが通常のアーチとは真逆、中央部が前面に張り出す逆アーチなんです。
これだと水の圧力が堤体の中央部に集まるんじゃないでしょうか?
同様のダムとしては佐賀県の北浦溜池や長崎県の犬木溜池があります。
 
上流面は谷積みの石で護岸されています。
 
天端
轍がありますが対岸で行きどまり
やはり逆アーチに湾曲してるのが分かります。
 
右岸の斜樋。
 
天端からは立石地区の水田が一望できます。
 
総貯水容量16万立米と小さな溜池です。
 
右岸から上流面
逆アーチがよくわかります。
 
独特の形状の洪水吐
こちらは普通のアーチです。
 
洪水吐導流部は木の茂みに隠れています。
 
2756 魚ヶ鼻池(1031)
大分県宇佐市立石
向野川水系田笛川
17メートル(ため池データベース 19メートル)
88.5メートル(ため池データベース 89メートル)
160㎥(ため池データベース 176千㎥)/128㎥
宇佐土地改良区
1962年

香下ダム

2017-06-26 12:07:52 | 大分県
2017年6月16日 香下ダム
 
香下ダムは大分県宇佐市院内町香下の駅舘川水系妙見川にある灌漑目的の重力式コンクリートダムです。
農林省の駅館川総合開発事業により1969年(昭和44年)に日出生ダムが、1979年(昭和54年)に日指ダムが竣工しました。このうち日出生ダム集水域の73%が自衛隊の演習場となっており、演習による裸地化の影響で保水力が低下し日出生ダムの用水不足が顕在化してきました。
そこで日出生ダムの用水不足を補うために防衛施設庁の障害防止対策事業の補助を受けた大分県の事業で1995年(平成7年)に竣工したのが香下ダムで、日出生ダム、日指ダム同様駅館川土地改良区連合が管理を行っています。
 
東九州自動車道院内インター手前からも香下ダムを遠望できますが、さすがに運転中の撮影はできません。
院内インターを降りて国道387線を南下、溝下集落で右折すると香下ダムに到着します。
まずは下流面から
ゲートはクレストの自由越流式洪水吐が3門だけ
灌漑用コンクリートダムでよくみられる形状です。
 
左岸から。
 
左岸ダムサイトの記念碑や案内板などが並びます。
 
左岸から上流面
対岸は管理事務所とインクライン。
 
ゲートの右側に取水設備があります。
 
天端は車両通行可能。
 
越流面と減勢工
右手は利水放流設備。
 
総貯水容量220万立米。
 
右岸から上流面。
 
 
自衛隊演習による保水力低下を補うために建設された珍しいダムで、同じ大分県杵築市の久木野尾ダムや宮城県色麻町の保野川ダムなどが防衛施設庁の補助事業である障害対策事業で建設されたダムとなっています。 
 
2785 香下ダム(1030)
大分県宇佐市院内町香下
駅館川水系妙見川
40.6メートル
195メートル
2200㎥/2020㎥
駅館川土地改良区連合 
1995年

日指ダム

2017-06-23 15:02:59 | 大分県
2017年6月16日 日指ダム
 
日指ダムは左岸が大分県宇佐市安心院町古川、右岸が大分県杵築市山香町日指にある灌漑目的のアースフィルダムです。農林省(現農水省)の駅館川総合開発事業により1971年(昭和46年)に竣工し、1969年(昭和44年)に竣工していた日出生ダムともども駅館川土地改良連合が管理を行っています。
ダム周辺は『大分農業文化公園』として整備され物産館や直販所、キャンプ場やコテージ、遊具場などのアウトドア施設などが整備され農業をテーマにした総合公園となっています。
公園西を走る東九州自動車道に『大分農業文化公園IC』が設置されておりアプローチは簡単です。
 
まずは下流面を見えるところを探しますが、これが精いっぱい。
 
今回は東ゲート(杵築市側)から公園に入場します。
入場料は無料です。
公園の案内板。かなり大規模な公園で観光シーズンには多数の来園者があるようです。
 
遊具が並びます。
 
右岸の斜樋。
 
上流面
釣りをしている人がいますが、管理所の許可を得れば問題ないそうです。
 
右岸の洪水吐。
 
下流面
秋に刈り払われるようですが、季節柄草が伸びつつあります。
 
天端は車道ですが関係者以外公園への車両での進入はできません。
この日は平日ということで走っていませんでしたが土日は公園を周回するトラムカーが運行されるようです。
 
総貯水容量800万立米と灌漑用ダムとしてはかなり大規模な貯水池です
貯水池の先に由布岳と鶴見岳が見えます。
 
左岸には物産館や交流館などがあります。
 
2764 日指ダム(1029)
左岸 大分県宇佐市安心院町古川
右岸 大分県杵築市山香町日指
駅館川水系山蔵川
40メートル
263メートル
4800㎥/4510㎥
駅館川土地改良区連合 
1971年

平成大堰

2017-06-23 13:05:45 | 福岡県
2017年6月16日 平成大堰
 
平成大堰は山国川河口から上流へ4キロ地点にある多目的可動堰です。
1984年(昭和59年)に山国川中流域の主要支流山移川に耶馬渓ダムが完成し山国川の治水・利水能力は大幅に上昇しましたが、北九州から周防灘沿岸部への工場進出や人口増による水需要は上昇を続け新たな水源確保が課題となっていました。
一方今の平成大堰の建設箇所には従来『市場堰』と呼ばれる固定堰がありましたが、通水能力が低く新たな堰の設置を求める声が高まっていました。
そこで当時の建設省九州地方建設局により1990年(平成2年)に建設されたのが平成大堰です。
もともとは中津大堰と命名される予定でしたが、平成に入り最初に完成した堰ということで平成大堰と名付けられました。
現在は国交省九州地方整備局山国川河川事務所により耶馬渓ダムと連携して管理が行われています。
平成大堰は山国川下流域の洪水調節のほか、既得取水権として吉富地区への農業用水及び工業用水の供給、北九州市・京築地区・中津市への上水道用水供給を目的としています。
また平成大堰の堤高は3.2メートルで河川法上のダムの要件である15メートルに及びませんが、特定多目的ダム法に基づく特定多目的ダムとして建設されたため、法律上もダムとして分類されダム便覧にも正式に掲載されています。 
 
平成大堰の利水機能(山国川河川事務所HPより)。
 
左岸(福岡県側)にある竣工記念碑。
 
案内パネル。
 
左岸上流から
左右両岸に調節門が2門 中央に制水門が2門。
 
調節門にはフラップが付いています。
 
下流から
対岸に山国川河川事務所があり、耶馬渓ダムと連携して管理運用を行っています。
 
左岸の魚道。
 
左岸の調節門 フラップが付いています。
 
天端は歩行者および自転車のみ通行可能。
 
逆方向から 
天端にひらがなで『へいせいおおぜき』と書かれています。
 
右岸(大分県側)の魚道。
 
全国的には国交省直轄の堰や水門についても堰カード、水門カードの配布が多くなっていますが、九州地整管内では堰についてのカードの配布は今のところ予定はしていないということでした。
 
2453 平成大堰(1028)
福岡県築上郡上毛町垂水
右岸 大分県中津市高瀬
山国川水系山国川
FNW
MB
3.2メートル
218メートル
国交省九州地方整備局
1990年