演劇書き込み寺

「貧乏な地方劇団のための演劇講座」とか「高橋くんの照明覚書」など、過去に書いたものと雑記を載せてます。

ミスト

2010年07月13日 23時14分24秒 | DVD

「ショーシャンクの空に」「グリーンマイル」のフランク・ダラボン監督とスティーヴン・キング原作のコンビのDVD。
2007年の作品。
観終わって昔読んだ原作と違う、と思ったが、それについては原作者が承知の上だったらしい。

とにかく、怖い。

映像も怖いが心理的に怖いのだ。

大昔に「マタンゴ」を観たとき以来の衝撃かもしれない。

必見といいたいが、心の弱い人が観るとトラウマが残りそうなので
心理的に残酷なのが大好きという人向きかもしれない。

私は同じ状況に置かれたら、この映画の中の、二人の兵隊と同じ行動を取ると思う。

前に電車の中で知り合った中国人の東大の大学院生が核融合は原子力と違って、
原料の水素が気体だから
異常が生じたら原料をカットしてやれば、すぐ停止するから原子力よりも安全なのだ
と説明してくれて、妙に納得していたのだが
別の友人にこの話をしたら
核融合して物質がヘリユウムからどんどん重い物質に融合し続けたら
やっぱり危ないのでは、という指摘を受けた。
なるほどそうかもしれない、とこれも妙に納得してしまった。

つまり、そういう作品なのだ。
ネタばれになるので、こんな書き方しかできない。


つかこうへい逝く

2010年07月13日 22時16分19秒 | 演劇
つかの舞台は今から37年ほど前に「松ヶ浦ゴドー戒」を青山のVAN99ホールで観ています。その前には、文学座で上演されたばかりの「熱海殺人事件」を地方劇団で上演する際の照明プランもやっていました。
80年代の演劇界では「つか以前とつか以後」という感じが確かにありました。一時期は井上ひさしまで影響を受けた作品を書いていました。
それくらい面白かったのは事実です。

在日表明は有名になって何年目かですが、別に本人は隠している意識はなかったのかもしれません。ただ、在日だと知ったときに、劇構造の基盤が一気に分かってしまった感じがあって「知らないほうが面白かったのに」と仲間はみんなで言ってました。

つかで一番印象に残っているのは
まだ、つかこうへい事務所を立ち上げる前の
NHKのラジオインタビュー。
24歳で「熱海殺人事件」が岸田戯曲賞を取る前だったような記憶が
「まだ、仕送りしてもらっているんですよね」
といっていたのを、よく覚えています。
裕福なんだな、とちょっとうらやましかったです。

なんだかんだいっても、どこかで妙にかかわりがあって(間接的ですが)
こんなところでも、かかわってしまうのだ(こっちが感じているだけですけど)
と感じさせる人でもありました。
そういえば、大学時代に初期作品の「出発」を上演したこともあった。
すっかり忘れていた。

ご冥福をお祈りいたします。