井上尚登の小説。料理学校の話なのだが、推理小説的な部分もあり、冒頭はややかったるいが、後半に行くにしたがって楽しく読める。
主人公の理恵ちゃんは、元警察官で極度のあがり症。緊張すると、頭が真っ白になってしまうというだけでなく、そばに来た人をついつい投げてしまうという、困った癖がある。
料理学校はSWATと呼ばれる有名校で、ここを卒業すると給料がいいということで、プロの料理人も入ってくるのだ。そんなプロの料理人だった正木君と理恵ちゃんは何かというと、いがみ合っている。
理恵ちゃんは28歳まで、どんな生活を送っていたのやら、全く男の影が見えません。続編があるのかな?
近藤史恵の料理にかかわる人たちや客を描いた小説も面白かったが、これもなかなかだった。この作者のほかの小説も読んでみよう。