お尻が痛いので皮膚科へ行ったら、待合室がすいている。「ラッキー」と喜んだのだが、実は前に30人いてコロナ対策のため、待合室の人数を制限しているという。
スマホのアプリでqrコードを読むと、あと何人なのかが分かるので、5人になったら戻ってきてほしいとのことだった。
比較的近くに図書館があるので、本を探して待つことにした。
そこでたまたま手に取った本が「よっつ屋根の下に」だった。
物語は銚子に父親と引っ越してきた少年の話から始まる。その父親がなぜ調子に引っ越すことになったのか、母親と妹はなぜ来ていないのか、が分かるのが最初の「海に吠える」だ。
次の「青い花」は父親と母親がどのようにして出会い、結婚したのか。
「川と小石」は母親がなぜ父と結婚する気になったのか、なぜ夫の赴任先へついていかなかったのか。彼女の父親の秘密とともに明らかになっていく。
「寄り道タペストリー」は妹が高校生になって、友人のちょっとした不良行為から、父親のしたことについて考える、という話になっている。
最後の「ひとつ空の下」では、家族がお互いを理解したうえで、それぞれの屋根を持つことが描かれている。
なかなか描かれている心理が面白く文芸作品かなと思って、奥付を見たら掲載誌は「小説宝石」だった。
また、ネットで検索したら、推理小説家だということだ。あさのあつこに似ている感じがあるのかもしれない。お勧めです。
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