「第22回 シニアコーラスTOKYO フェスティバル」が、2018年2月10日、東京オペラシティコンサートホール タケミツメモリアルにおいて開催されました。ここに参加された方から明治乳業争議団へ情報が提供されてきましたので、紹介する事にしました。
主催:(公財)日本チャリティ協会 (公社)東京都老人クラブ連合会/後援:厚生労働省 文部科学省 東京都 (公財)全国老人クラブ連合会 協賛:東京都民共済生活協同組合(都民共済)/協力:東京都合唱連名(公財)東京オペラシティ文化財団/企画・制作:(株)公共事業PRセンター
なりふり構わない明治の儲け本位のインプット宣伝・経営姿勢
コーラス合唱団など500円の入場料に、1000名規模のフェスティバルだったといいます。会場の受付を通ると、「チョコレート効果」が描かれた手提げ袋が配られていました。「お土産」というようなことで頂いてきましたということです。それなりの価格の商品と思いますが、案内のチラシを見ると主催団体でもないし後援団体、協賛団体、協力団体にも「株式会社明治」の社名はありません。名を連ねているなら理解もしますが、テレビなどでの宣伝が頭をよぎりました。主催者が明治から購入し無償で参加者に提供したものか疑問を感じ争議団に情報を提供してきたものです。
争議団から主催団体事務局に電話をして経緯を聞いてみました。事務局の方は、明治さんとは昔からのおつきあいが有り協力しあっている間柄です。この度のチョコレートを参加者にお配りしたことは、双方どちらからともなく「お土産」にということになったようなものです。と話されていましたので、高カカオチョコレートを食べると「脳が若返る」と大宣伝を行い利益を上げている明治です。このチョコを共同研究に加わってきた内閣府が、「その様な効果があると中間報告をしたことは間違っていた」という代物です。主催者はその様な宣伝の一翼に手を貸したことになりませんかと問いましたが、別に他意はありませんでしたと答えていました。
ところで、このチョコレートの商品箱にも新聞広告にも摂取に関する「注意書き」が一文字も書かれていません。「国民生活センター」が高カカオチョコの成分分析結果を2008年に公表し、各方面に注意を促すことをしています。紹介しておきます。
【主なテスト結果】
①脂質量 =高カカオチョコレートは、脂質の割合が40.7~53.5%であり普通のチョコレートと比べて1.2~1.5倍含まれていた。100gを食べたとするとそれだけで30~49歳助成の生活習慣病予防のために目標とすべき脂質の1日の摂取量に相当する。また、エネルギーは592~655kcal/100gで、普通のチョコレートと比べるとやや多かった。主に間食として食べられることを考えると、日常の食事にそのままプラスされてしまうため、食べる量に注意する必要がある。
②テオプロミン及びカフェインの量 =気管支拡張、利尿、興奮等の生理作用がある。健康な人が嗜好品として楽しむ分には問題ないが、これらに敏感な人(幼児やお年寄り)や気管支拡張薬として使用されているテオフィリン等の医薬品を使用している人は摂取量に注意が必要である。
③カドミウムの量 =チョコレート中のカドミウムは含量が低いことが望ましく、引き続き品質管理等が適切に行われることが必要であると思われる。
④ニッケルの量 =普通のチョコレートの1.9~3.8倍含まれていた。ニッケルは、接触性の金属アレルギー物質として非常に多くの症例報告があり、経口摂取によっても発症する可能性が報告されているため、ニッケルアレルギーを有する人は注意したほうがよい。
⑤カビ毒の一種であるアフラトキシン =熱に強いものが多く、加工時に分会されることなく商品に残留する可能性がある。カカオ豆は、発酵させる過程があり、そのときにカビに汚染されアフラトキシンを産生する場合がある。調べた結果、極微量検出されたが汚染として問題となる量ではないと思われた。原材料の品質管理等の適切な実施が必要である。
以上の分析のような注意すべきことがらを業界にも提起しています。しかし、明治の商品パッケージにも新聞広告にも注意書きが書かれていないことは大きな問題ではないでしょうか。
分析結果を、消費者へのアドバイス、業界への要望、行政への要望を行っています。
要請先は、厚生労働省 医薬食品局 食品安全部、日本チョコレート・ココア協会
情報提供先、内閣府、農林水産省、公正取引委員会など各関係課、全日本菓子協会、全国菓子工業組合連合会