貢蕉の瞑想

青梅庵に住む貢蕉の日々のつぶやきです。

小萩 小盃 ますほの小貝

2021-05-07 17:20:20 | 日記

小萩 小盃 ますほの小貝

令和3年5月7日(金)

小萩ちれ 

  ますほの小貝 

      小盃

   浜辺の小萩よ。

  ますほの小貝の上にも、

   小盃の上にも散りかかれ。

  元禄二年作。

 ますほの小貝=この浜の名物である

赤色の小さな二枚貝。

 
   これも秀句。

 色の浜にかわいらしい小萩が

咲き乱れている。

 何という美しさだ。

しかも、地味で寂しい姿だ。

 浜に散って、ますほの小貝にも、

自分の盃にもその小さな花を

つけてくれよ。

 浜は美しく、盃は秋を讃えて

可憐である。

 景色はよし。

 盃の酒はうまい。

 これこそ旅の歓びである。

 小萩、小貝、小盃と「小」を重ねて、

ますほの小貝を際立たせているところは

流石である。

 小さな秋を表現している可憐な句。

西行の

「汐そむる 

  ますほの小貝 

    ひろふとて 

 色の浜とは 

  いふにやあるらむ」 

          (山家集)

 常宮神社で、

初めて「ますほの小貝」を

満喫す。