小萩 小盃 ますほの小貝
令和3年5月7日(金)
小萩ちれ
ますほの小貝
小盃
浜辺の小萩よ。
ますほの小貝の上にも、
小盃の上にも散りかかれ。
元禄二年作。
ますほの小貝=この浜の名物である
赤色の小さな二枚貝。
これも秀句。
色の浜にかわいらしい小萩が
咲き乱れている。
何という美しさだ。
しかも、地味で寂しい姿だ。
浜に散って、ますほの小貝にも、
自分の盃にもその小さな花を
つけてくれよ。
浜は美しく、盃は秋を讃えて
可憐である。
景色はよし。
盃の酒はうまい。
これこそ旅の歓びである。
小萩、小貝、小盃と「小」を重ねて、
ますほの小貝を際立たせているところは
流石である。
小さな秋を表現している可憐な句。
西行の
「汐そむる
ますほの小貝
ひろふとて
色の浜とは
いふにやあるらむ」
(山家集)
常宮神社で、
初めて「ますほの小貝」を
満喫す。