貢蕉の瞑想

青梅庵に住む貢蕉の日々のつぶやきです。

13句続けて月の句

2021-05-05 15:45:41 | 日記

13句続けて月の句

令和3年5月5日(水)

 今にも雨が降り出しそうな天気だが、

何とか降らずに持ちこたえているよう。

 こどもの日だが、すっかり鯉の

泳ぐ姿は、近辺では見られなくなった。

 息子のつくばみらいでは、家庭で

飾る鯉が気持ちよさそうに泳いでいた。

 孫が喜んで眺めていたのも印象的。

 あちらの保育園では、あげると

近所からすぐ苦情の連絡が入るとのこと。

 でっかい鯉が一日園庭で泳いでいるのは、

五月ならではの風物誌なのに・・・。

 人の感性はどんどん枯れていくよう。

 さて、月の句最後に!

 敦賀の古い名前は「角鹿(つのが)」

であったという。

 韓人が鹿の角など運んできて、

盛んに交易していたことから、

名前がそうつけられたという。そ

 こで、芭蕉はもう一句作る。

 ふるき名の 

  角鹿や恋し 

     秋の月

  秋の月が照らす港を見ていると、

韓人らの往来した昔が偲ばれ、

角鹿という古名が恋しく思われる。

 元禄二年作。
 
◎ 十五夜は過ぎてしまった。

 実に13句続けて月の俳句を作る。

 芭蕉は、やっと月尽くしの俳句を

やめることに。

    先ずは、月への強い感性。

そして、月を巡って、豊富な古典の

知識が披露される。

 漢籍、特に荘子への偏愛、

王朝の古典は、古事記、万葉集から

枕草子、そして新古今和歌集の

西行が出没するのだ。

 旅をしているうちに、その土地の

歴史や名所を教えてもらい、

絶えず知識を豊かにしている。

 土地の名や生活から古代を透視するのも、

芭蕉の旅の大きな特色。