貢蕉の瞑想

青梅庵に住む貢蕉の日々のつぶやきです。

卯月の夏らしさ

2021-05-22 15:52:46 | 日記

卯月の夏らしさ

令和3年5月22日(土)

田や麦や 

  中にも夏の 

    ほとゝぎす 

    青々とした早苗と金色の麦、

全てが夏らしい風景の中でも

時鳥は、特に素晴らしい、の意。

 元禄二年。

 4月7日、黒羽の秋鴉󠄃(あ)  邸での吟で、

曽良書留には、前書きが付される。

 『もゝよ草』等の上・中

「麦や田や 中にも夏は」は真

蹟によるとする。」

 ◎ 青々とした卯月の早夏、

麦秋の麦の黄金色、その対比が

素晴らしい季節だ。

  その景色を楽の音で引き立てている

のが時鳥である。

 卯の花月の薄紅の見事さを引き立てて

いる。

 芭蕉は、この句について、

「春秋のあハれ、月雪のながめより、

この時はやゝ卯月のはじめになん侍れば、

百景一ツをだに見たことあたハず、

たゞ声をのミて、黙して筆を捨る

のミなりけらし」

と言っている。

 この一句に対する芭蕉の熱意は、

並々ならぬもので、初句、字句と

推敲を重ねている。

 初句は、

  麦や田や 

   中にも夏は 

       ほとゝぎす

つづく。