貢蕉の瞑想

青梅庵に住む貢蕉の日々のつぶやきです。

菊とぬかご(零余子)

2021-05-10 16:03:42 | 日記

菊とぬかご

令和3年5月10日(月)

 今朝は三回目のコロナワクチン

予約。9時スタート!

 またもアウト。ゲームオーバーと

なる。

 長寿を願っているのか、この私も。

きくの露 

  落て拾へば 

    ぬかごかな

    菊の露が落ちたと見えて拾うと、

零(ぬ)余(か)子(ご)  なのであった。

 菊の花の露は、香りが高く清らか

である。

 それが花からポトリと落ちた。

 急いでしゃがみ、露を探してみたが、

既に地に吸い込まれて見当たらない。

 その代わりに、零余子つまり

山芋の茎の瘤を拾いあげる。

   菊も零余子もどちらもありがたい。

特に、零余子に塩を掛けると、

味が素晴らしい!

 しかも長寿になるといわれている。

 きくとぬかごを平仮名にして、

平衡を保たせた表現も流石である。

   小さな自然が俳人の一生を予言

するようでめでたい。

 花の香りと時間の長さが一瞬にして

変わる。

  瞬時と儚い命が長寿にと。

 これは、謡曲「菊慈竜」から引用。

 菊の露を乃音で700歳の長寿を

得たという謡曲を、瞬時に思い出して、

慌ててしゃがみ込む芭蕉の素養も

素晴らしい。

 元禄二年(1689)の作。