時鳥の本意は?
令和3年5月20日(木)
今日から鳥の句に!
先ず、ほととぎす。
時鳥、郭公、不如帰、子規、杜鵑など
漢字は多い。
またぬのに
菜売に来たか
時鳥
・時鳥はいっこうに鳴かず、
聞こえたと思ったら、
待ってもいない菜を売り歩く
商人の声であったか、の意。
・延宝五年以前の作。
・平 親宗
「有明の
月は待たぬに
出ぬれど
なほ山ふかき
郭公かな」
(新古今集)を踏まえる。
・菜売・・・「菜買う」の声を
上げて売り歩いたという。
「菜買う・・・鳴こう」の言葉遊びを
使いながら、菜売りとの対比により、
時鳥の本意である待ち続ける心を
詠んだと見られる。
が、一気に読み下せば、
まるで時鳥が菜売りに来たようでもあり、
そうとると、敢えて本意に逆らった作
ということになる。
◎ ほととぎすの一声を待ちわび
ていると、どこか遠くでそれらしい
声がする。
ところが、近づいてみると、
それが待ってもいなかった菜売り
の声だった。
四季折々、季節の菜を売り歩く
のんびりした景色がほととぎす
という鋭い鳴き声と混じり合い、
江戸時代の街の音を気持ちよく
表現しているかな。
それも、ほととぎすと菜売りでは、
格が違いすぎると批判する人も
いたらしい。