貢蕉の瞑想

青梅庵に住む貢蕉の日々のつぶやきです。

あはれさひとつ

2021-07-01 11:42:56 | 日記

あはれさひとつ

令和3年7月1日(木)

 いよいよ7月に突入!

 気分一新!!!!

 今日は、あわれさひとつ。

東にし 

  あはれさひとつ 

      秋の風

 東と西に離れていても、秋の風に

あわれを感じる心は同じものだ、

の意。

 貞享三年(1688)の作。

 「ひとつ」・・・同一

 去来『伊勢紀行』に与えた跋文の句で、

その真蹟が残る。

 去来が伊勢に赴く際、京の白川口で

詠んだ。

 

「白川や 屋根に石おく 秋の風」

から能因歌

「都をば 霞とともに 立ちしかど 

 秋風ぞ吹く 白河の関」

を想起し、古今東西風雅を求める心に

違いはないことをいう。

◎ 西の京都白川の口と東の白河の関の

どちらにも秋のさびしい風は吹いている

と詠んだ。

 能因の白河の関の和歌を

下敷きにしている。

「都をば 霞とともに 立ちしかど 

 秋風ぞ吹く  白河の関」

が、京都の白川の口と東国の白河の関とを

同時に思い出させのを、

俳句では処名前を言わず、

名歌の教養をちらつかせるだけで、

名句に仕立て上げる。

 古典が古典を詠む妙は、

さすが芭蕉の学殖と才能かな。