あはれさひとつ
令和3年7月1日(木)
いよいよ7月に突入!
気分一新!!!!
今日は、あわれさひとつ。
東にし
あはれさひとつ
秋の風
東と西に離れていても、秋の風に
あわれを感じる心は同じものだ、
の意。
貞享三年(1688)の作。
「ひとつ」・・・同一
去来『伊勢紀行』に与えた跋文の句で、
その真蹟が残る。
去来が伊勢に赴く際、京の白川口で
詠んだ。
「白川や 屋根に石おく 秋の風」
から能因歌
「都をば 霞とともに 立ちしかど
秋風ぞ吹く 白河の関」
を想起し、古今東西風雅を求める心に
違いはないことをいう。
◎ 西の京都白川の口と東の白河の関の
どちらにも秋のさびしい風は吹いている
と詠んだ。
能因の白河の関の和歌を
下敷きにしている。
「都をば 霞とともに 立ちしかど
秋風ぞ吹く 白河の関」
が、京都の白川の口と東国の白河の関とを
同時に思い出させのを、
俳句では処名前を言わず、
名歌の教養をちらつかせるだけで、
名句に仕立て上げる。
古典が古典を詠む妙は、
さすが芭蕉の学殖と才能かな。