『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭

ジュリアナから墓場まで・・・。森羅万象を語るブログです。
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[映画『アンストッパブル』を観た]

2011-01-12 23:39:17 | 物語の感想
☆トニー・スコット監督は、先にもトレイン・パニック物『サブウェイ123/激突』を撮っているが、それは残念ながら、駄作だった。

 しかし、今回の作品は、私、公開前から設定に胸を踊らせていた。

 やっぱり、機関車にしても特急にしても、暴走したものを停める、また、それを成し遂げるのはすねに傷を持つ男たち、と言う設定は、見る者の血をたぎらせてくれるのである。

 どっちが上かはどうでもいいが、兄弟のリドリー・スコット監督は、近作の『ロビンフッド』など、最近では男映画の大家となっているが、トニーも負けずに、ヒロイックなものとは異なる、市井の中でヒーローとなる男たちの瞬間を、この作品できっちりと描いてくれた。

 早期強制退職を言い渡された勤続28年のベテラン機関士を演じるデンゼル・ワシントンも、

 夫婦の不仲が裁判沙汰にまで発展している、親のコネで今の職についた新米車掌を演じるクリス・パインも、

 暴走機関車を追っていく過程で、徐々に活きの良い掛け合い演技を見せてくれる。

 だが、何よりも、この作品では、トニー・スコット監督のスタイリッシュなカットバック映像が、暴走する電車のスピード感表現に見事にはまっていた。

 「鉄道は凶器」と言うことが、2時間弱の上映時間ずっと思い知らされた。

 序盤からノンストップで緊張が途切れることなかった。

 暴走する機関車、追走する機関車、それぞれの面構えも、機能的でありつつも、『恐怖の報酬』や『激突』のトラックみたいに味わいがある。

 それぞれが、前者は赤、後者は青と、色のイメージ通りの動きを見せてくれていた。

 また、やや薄味ながらも、事件を取り巻く各所に、個性的な人物を配しているのも良かった。

 作品全体の切れ味も素晴らしく、そのサッパリした鑑賞後感に、私は非常に満足しつつ、映画館を去るのだった。

  PS.タイトル写真は、作品内にはなかった構図だが、主役二人が機関車の前部に立っていると言うナイスショットで、作品の雰囲気が出ているので使わせて頂きました^^

                                                    (2011/01/12)