☆・・・やべぇ、また安請け合いしちまった^^;
◇
とある娘っ子から話し掛けられ、陽気に話していたら、彼女は早稲田大学文学部に在籍しているが、今は休学していて、何よりもレポートの書き方が分からなくて困っているという。
ちなみに、私がニュージーランドにワーキングホリデーに行くに際し休学したときは、30万ほどの金がかかった記憶があるのだが、現在の早稲田は、休学の在籍の費用に5万ほどしか掛からないようだ。
もちろん、早稲田に合格しているのだから、彼女は、ある一定の優れた知能を持っているのだろうが、話しているうちに、「もしかして、根本的に、この子は、偶然にも、あまり文章を書く経験を経ていないで成長してきたのかもしれない」と思えた。
それと言うのも、私は、六大学でも下層の法政だが、歴史・伝統ある大学というのは、わりと(特に文学系)、レポート提出に厳正な規定はなく、読む教授の心に、一箇所でも「おっ!」と思わせたら、「可」の成績を頂けると思うからだ。
これが、三流大学ならば、却って厳正な採点がされるのだろうが、ある一定のレベルの難しい入試を経る大学の学生ならば、教授から学生への客観的な信頼もあり、自主性が重んじられ、余程に酷いレポート様式でなければ、採点も、教授の満足度で決まる。
だから、その子が、そこまでレポート執筆を苦手とするのならば、初歩的なトコで躓いているのではないか、と思った。
・・・正直、私だって、理路整然とした文章は書けない。
しかし、これは何度も言っているが(^^;)、私は大学で、「君には文章表現の天与の才がある!」と言われた男である。
読む者が、「何を書いているのかサッパリ分からん」と思うような文章は書いていないつもりだ。
その、早稲田休学の娘とは、映画の話もしたのだが、なんと! おそらく知り合いでは誰も見ていないと思われていた『マジック・ツリーハウス』を、彼女も見ていたのだ!
故に、こんな安請け合いをしてしまったのだ・・・。
「次はいつ会える? ん? 明後日か。よし、じゃあ、明後日までにレポートをどういう風に記せばいいか、書いてきてあげるよ。うん、そうだな、じゃあ、お題は『マジック・ツリーハウス』にしよう^^v」
言ってすぐに、私は、後悔した。
[また、ええかっこしいしてしまった…}orz
・・・でも、書かねばならぬ。
◇
ここでは、文学系の提出レポートについて書きます。
文学系のレポートの課題・・・、仮に、「映画『マジック・ツリーハウス』の、独創的な特徴を報告せよ」とします。
以下は、高尚に言えば「映画評論」ですが、基本的には「映画感想文」です。
でも、文学系のレポートに限っては、「感想文にちょいと手を加えた雰囲気」で、レポートとして成り立ちます。
本来のレポート・論文は、個人的な体験などはご法度なのですが、文学系では許されます^^
ただ、けして忘れてはならないのが、課題の「独創的な特徴」の提示です。
それを具体例の羅列でもって証明しなくてはならない。
だが、文学は科学ではないので、物理的な証明は必要なく、自分の文章で、理屈で、相手を納得させればいいだけです。
では、私の書いた<「映画感想文」プラス>を読んでみましょう^^
なお、以下の文中のナンバリングは、後からの解説の為のものです。
◇ ◇
[映画『マジック・ツリーハウス』を観た]
<☆甥っ子と姪っ子を連れて行った。
レイトショーでなく、午後七時からの回だったのだが、お客さんが、私たち3人だけだった^^;(1)
原作は、小学生低学年向きの世界的な人気ベストセラーで、シリーズは50作にも及ぶと言う。(2)
主人公は、小学5年くらいの「本の虫」のジャックと、小1ぐらいの、好奇心旺盛でアクティブな妹アニーだ。
その二人が、時空を飛ぶツリーハウスで、古今東西を巡り、魔法のメダルを探し集める物語。(3)
今回は、二人と、ナビゲイターと言うかマスコットのネズミ・ピーナッツが、
恐竜時代・中世・ポンペイ最後の日・海賊の島を冒険する。(4)
冒険といっても、幼い二人なので、ほとんど、その世界を「眺める」レベルに毛が生えた程度なのだが、それぞれのパートのクライマックスでは活劇もある。(5)
子供向けだと思うと、なかなかにせっぱ詰まった状況になり、見ている大人の私でも、「この危機、どうやってくぐり抜けるんだろう」と、俄然 興味を引くのだった。(6)
ティラノサウルスは、思った以上に執拗に二人をつけ回すし、
スパイと誤解されて中世の城の中を逃げる二人の背景は、なかなかリアルで興味深い、
ベスビオ火山の噴火は、かなりの大スペクタクルだし、
海賊船での活劇は、二人が「等身大の子供」であるが故に、ヒヤヒヤさせられた。(7)
先ほど、二人の旅は「眺める」レベルと書いたが、子供が見たら「おおっ!^^」と思うような歴史や文化・科学や自然の断片が垣間見られる。(8)
プテラノドンに触った二人が、「体毛がビロードのようだ」とか、
中世の騎士の宴では、孔雀が食されていたとか、
ローマ帝国での、石窯で焼いているパン屋の描写などには「へーッ!^^」の思いがつのる^^(9)
どうしても最近のアニメの絵柄の大半は、総じてジブリ風なのだが、この作品は、かなり独特の描線で、
ジャックの眼鏡の上側を略していたり、人物たちの閉じた口の中程も線が消えていたりしている。(10)
アニーの幼い体型なども、小さくデフォルメされていて、わりと可愛くて独創的だ。
そして、その声をあてた芦田愛菜、小学一年生だそうだが、非常にうまい。
可愛い声質でありつつ、巧みな言い回しで、本職に負けていないのが衝撃的だった。
対して、ジャックは北川景子があてたそうで、かなり上手いのだが、「ああ、北川景子だ^^」と言う個性が感じられず、誰でも良かったような気がした。(11)
子供向けだったので、私には、もうちょい刺激が欲しかったが、甥っ子と姪っ子はかなり楽しんでいた^^(12)
物語の途中、ポンペイの町を襲った悲劇に、ジャックがナーバスになったり、海賊に捕まったアニーがグーで殴られたり、処刑されそうになるのは、作品バランス的に、なかなかシビアな展開ではあった。(13)
(2012/01/11)>
◇ ◇
短い文章であるが、この中には、私の求める、「読む者への報告と論理」、つまり「レポート」が組み込まれています。
てゆーか、私はいつも、どんな文章でも「小説」として書いているんですけどね・・・。
では、細かく分割して考えていきますが、ひとこと言っておくのが、「各項目を100行位づつ書いていけば、ちょっとした論文として完成します^^」ってこと。
論文としての要素は全て入っておりますが、論文としての文章構築はされておりません。
私の文章作法は、それを崩すところにあります^^
何故って? それは、私が物語指向であるからです。
レポートであろうとも、物語でなくちゃネ^^v
◇
(1)・・・特別な体験。
(2)・・・作品背景。
(3)・・・作品の大枠。
(4)・・・作品の大筋。
(5)・・・作品傾向(批判)。
(6)・・・作品傾向(感心)。
(7)・・・課題への答案の序章。
(8)・・・結論。
(9)・・・結論を補強する具体例の数々。
(10)・・・作品の演出テクニック(これも副次的な独創)。
(11)・・・演じ手の印象。
(12)・・・他者の感じ方。
(13)・・・私の素朴な感想。
こうして、解析すると、我ながら、なかなか良く書けていますね^^;
究極的には、論文も小説も、上記の項目の「順番の違い」でしかありません。
・・・本当は、(8)の結論を、最初と最後にも、表現を変えて置いたほうがいいのかも知れませんが、私の流儀ではない。
それから、いちお、言っておきますと、この文章は、(8)と(9)がなかったら、感想文でしかありません。
(8)と(9)があるから、その文章上の「起伏」が、「映画評論もどき」足り得るのです^^v
◇
これだけじゃ済まないが、今夜は眠いので、おやすみなさい・・・zzz
(2012/02/13)
◇
とある娘っ子から話し掛けられ、陽気に話していたら、彼女は早稲田大学文学部に在籍しているが、今は休学していて、何よりもレポートの書き方が分からなくて困っているという。
ちなみに、私がニュージーランドにワーキングホリデーに行くに際し休学したときは、30万ほどの金がかかった記憶があるのだが、現在の早稲田は、休学の在籍の費用に5万ほどしか掛からないようだ。
もちろん、早稲田に合格しているのだから、彼女は、ある一定の優れた知能を持っているのだろうが、話しているうちに、「もしかして、根本的に、この子は、偶然にも、あまり文章を書く経験を経ていないで成長してきたのかもしれない」と思えた。
それと言うのも、私は、六大学でも下層の法政だが、歴史・伝統ある大学というのは、わりと(特に文学系)、レポート提出に厳正な規定はなく、読む教授の心に、一箇所でも「おっ!」と思わせたら、「可」の成績を頂けると思うからだ。
これが、三流大学ならば、却って厳正な採点がされるのだろうが、ある一定のレベルの難しい入試を経る大学の学生ならば、教授から学生への客観的な信頼もあり、自主性が重んじられ、余程に酷いレポート様式でなければ、採点も、教授の満足度で決まる。
だから、その子が、そこまでレポート執筆を苦手とするのならば、初歩的なトコで躓いているのではないか、と思った。
・・・正直、私だって、理路整然とした文章は書けない。
しかし、これは何度も言っているが(^^;)、私は大学で、「君には文章表現の天与の才がある!」と言われた男である。
読む者が、「何を書いているのかサッパリ分からん」と思うような文章は書いていないつもりだ。
その、早稲田休学の娘とは、映画の話もしたのだが、なんと! おそらく知り合いでは誰も見ていないと思われていた『マジック・ツリーハウス』を、彼女も見ていたのだ!
故に、こんな安請け合いをしてしまったのだ・・・。
「次はいつ会える? ん? 明後日か。よし、じゃあ、明後日までにレポートをどういう風に記せばいいか、書いてきてあげるよ。うん、そうだな、じゃあ、お題は『マジック・ツリーハウス』にしよう^^v」
言ってすぐに、私は、後悔した。
[また、ええかっこしいしてしまった…}orz
・・・でも、書かねばならぬ。
◇
ここでは、文学系の提出レポートについて書きます。
文学系のレポートの課題・・・、仮に、「映画『マジック・ツリーハウス』の、独創的な特徴を報告せよ」とします。
以下は、高尚に言えば「映画評論」ですが、基本的には「映画感想文」です。
でも、文学系のレポートに限っては、「感想文にちょいと手を加えた雰囲気」で、レポートとして成り立ちます。
本来のレポート・論文は、個人的な体験などはご法度なのですが、文学系では許されます^^
ただ、けして忘れてはならないのが、課題の「独創的な特徴」の提示です。
それを具体例の羅列でもって証明しなくてはならない。
だが、文学は科学ではないので、物理的な証明は必要なく、自分の文章で、理屈で、相手を納得させればいいだけです。
では、私の書いた<「映画感想文」プラス>を読んでみましょう^^
なお、以下の文中のナンバリングは、後からの解説の為のものです。
◇ ◇
[映画『マジック・ツリーハウス』を観た]
<☆甥っ子と姪っ子を連れて行った。
レイトショーでなく、午後七時からの回だったのだが、お客さんが、私たち3人だけだった^^;(1)
原作は、小学生低学年向きの世界的な人気ベストセラーで、シリーズは50作にも及ぶと言う。(2)
主人公は、小学5年くらいの「本の虫」のジャックと、小1ぐらいの、好奇心旺盛でアクティブな妹アニーだ。
その二人が、時空を飛ぶツリーハウスで、古今東西を巡り、魔法のメダルを探し集める物語。(3)
今回は、二人と、ナビゲイターと言うかマスコットのネズミ・ピーナッツが、
恐竜時代・中世・ポンペイ最後の日・海賊の島を冒険する。(4)
冒険といっても、幼い二人なので、ほとんど、その世界を「眺める」レベルに毛が生えた程度なのだが、それぞれのパートのクライマックスでは活劇もある。(5)
子供向けだと思うと、なかなかにせっぱ詰まった状況になり、見ている大人の私でも、「この危機、どうやってくぐり抜けるんだろう」と、俄然 興味を引くのだった。(6)
ティラノサウルスは、思った以上に執拗に二人をつけ回すし、
スパイと誤解されて中世の城の中を逃げる二人の背景は、なかなかリアルで興味深い、
ベスビオ火山の噴火は、かなりの大スペクタクルだし、
海賊船での活劇は、二人が「等身大の子供」であるが故に、ヒヤヒヤさせられた。(7)
先ほど、二人の旅は「眺める」レベルと書いたが、子供が見たら「おおっ!^^」と思うような歴史や文化・科学や自然の断片が垣間見られる。(8)
プテラノドンに触った二人が、「体毛がビロードのようだ」とか、
中世の騎士の宴では、孔雀が食されていたとか、
ローマ帝国での、石窯で焼いているパン屋の描写などには「へーッ!^^」の思いがつのる^^(9)
どうしても最近のアニメの絵柄の大半は、総じてジブリ風なのだが、この作品は、かなり独特の描線で、
ジャックの眼鏡の上側を略していたり、人物たちの閉じた口の中程も線が消えていたりしている。(10)
アニーの幼い体型なども、小さくデフォルメされていて、わりと可愛くて独創的だ。
そして、その声をあてた芦田愛菜、小学一年生だそうだが、非常にうまい。
可愛い声質でありつつ、巧みな言い回しで、本職に負けていないのが衝撃的だった。
対して、ジャックは北川景子があてたそうで、かなり上手いのだが、「ああ、北川景子だ^^」と言う個性が感じられず、誰でも良かったような気がした。(11)
子供向けだったので、私には、もうちょい刺激が欲しかったが、甥っ子と姪っ子はかなり楽しんでいた^^(12)
物語の途中、ポンペイの町を襲った悲劇に、ジャックがナーバスになったり、海賊に捕まったアニーがグーで殴られたり、処刑されそうになるのは、作品バランス的に、なかなかシビアな展開ではあった。(13)
(2012/01/11)>
◇ ◇
短い文章であるが、この中には、私の求める、「読む者への報告と論理」、つまり「レポート」が組み込まれています。
てゆーか、私はいつも、どんな文章でも「小説」として書いているんですけどね・・・。
では、細かく分割して考えていきますが、ひとこと言っておくのが、「各項目を100行位づつ書いていけば、ちょっとした論文として完成します^^」ってこと。
論文としての要素は全て入っておりますが、論文としての文章構築はされておりません。
私の文章作法は、それを崩すところにあります^^
何故って? それは、私が物語指向であるからです。
レポートであろうとも、物語でなくちゃネ^^v
◇
(1)・・・特別な体験。
(2)・・・作品背景。
(3)・・・作品の大枠。
(4)・・・作品の大筋。
(5)・・・作品傾向(批判)。
(6)・・・作品傾向(感心)。
(7)・・・課題への答案の序章。
(8)・・・結論。
(9)・・・結論を補強する具体例の数々。
(10)・・・作品の演出テクニック(これも副次的な独創)。
(11)・・・演じ手の印象。
(12)・・・他者の感じ方。
(13)・・・私の素朴な感想。
こうして、解析すると、我ながら、なかなか良く書けていますね^^;
究極的には、論文も小説も、上記の項目の「順番の違い」でしかありません。
・・・本当は、(8)の結論を、最初と最後にも、表現を変えて置いたほうがいいのかも知れませんが、私の流儀ではない。
それから、いちお、言っておきますと、この文章は、(8)と(9)がなかったら、感想文でしかありません。
(8)と(9)があるから、その文章上の「起伏」が、「映画評論もどき」足り得るのです^^v
◇
これだけじゃ済まないが、今夜は眠いので、おやすみなさい・・・zzz
(2012/02/13)