雨の夜と下弦の月

毎日を静かに、穏やかに生きていきたいと思う日々。
そのわりにはジタバタと暮らすワタクシの毎日を綴っております。

歌姫。

2009-06-06 15:48:13 | music
いい意味でかなり厭世的な「わかれうた」をリピートにしてずっと流しまくり、飽きたら他の曲に戻る感じで、相変わらずKen's BarⅡを聴いております。最近のアルバムは時間数がかなり長いものが多いですが、これは1枚聴いても45分ぐらいでしょうか。洋楽のスタンダードとかはあまり長い曲がないので、総体としてコンパクトにまとまっているような気はします。厭世的というと、昔聴いた中森明菜の「歌姫」というカバーアルバムがあまりにも暗すぎて、途中でマジに死にたくなりかけたことがあります。アイドル時代の中森明菜もあまり明るいイメージはなかったとは思いますが、「歌姫」は本当に聴いているほうがつらくなりました。選曲自体もそんなにキャピキャピしていたものではなかったのですが、とにかく中森明菜の声が厭世的過ぎでした。

中島みゆきもかなり厭世的で「うらみ・ます」なんて聴いたら本当にぞっとするけれど、中森明菜は本質的に暗すぎる気がします。中島みゆきという人はオールナイト・ニッポンを聴いていた世代の方ならご存じだと思いますが、とても「うらみ・ます」を歌っている人と同一人物だとは思えないぐらい天然っぽいキャラクターの人です。今、松田聖子と共演しているTV-CMでもその片鱗がうかがえます。でも、中森明菜に関しては、この人は本当に苦労が身に染みている人なんだろうなぁと同情したくなる。それが歌としていいほうに転べばいいのだろうけど、今の中森明菜をたまに聴くと、彼女の身に起こったであろう不幸な出来事が、あまりいい影響を与えているとは思えない。ワタクシが「歌姫」を聴いたのはずいぶん前のことで、その頃はワタクシ自身もかなり厭世的になっていたことは事実ですが、まさか歌を聴いていて死にたくなるとは思わなかった。

良くも悪くも、松田聖子ほど神経が図太くなかったということなのかもしれません。スキャンダルも芸のうちと割り切れる松田聖子は、個人的には好きではないにせよ、ある意味ワタクシたちの世代の代表選手ではあるわけです。雇用機会均等法とともに仕事をしてきたワタクシたちの世代のある一面が、松田聖子には表れていると思う。中森明菜のように繊細すぎては、ずっと仕事を続けていくのがとてもしんどいわけです。ワタクシ自身はアイドル時代から両者ともあまり好きではないというか、ほとんど興味がないまま今日に至るわけですが。中森明菜は声も昔ほど出なくなっているから、いっそう厭世的な印象になってしまう。余計なお世話かもしれないけれど、ボイストレーニングでもしてもう一度昔の歌声を取り戻して復活していただきたいものです。