夫を玄関先で見送るなり、お隣の奥様が手招きをされる。 何かしら・・。
先手バサミでお宅の玄関の金木犀を切って下さった。
この頃になれば、仕事から帰るとポストに必ず差してあった金木犀。
毎年忘れずにして下さる心が嬉しい。 思わず疲れもふっとんだこの匂い。
今年は家にいるので私の手に届けて下さった。
「今年はちょっと遅かったのね、咲くのが・・」なんて言いながら。
母が(この匂いがすると私の結婚式を思い出す・・)分かるような気がする。
たった二枝なのに、部屋中が甘い匂いでいっぱいになる花だから。
それは思いの詰まった金木犀だから・・。 さりげないやさしさをしみじみと感じた、素敵な今日の朝。
花言葉は・・謙遜・真実 ◆今年は、あちこちで花のつき方が遅いのでしょうか・・。
刈り込みすぎたような垣根で見かける金木犀の歌、 謎野さんが歌っていらっしゃいます。 どうぞ・・。
◇ 刈り込まれわづかに花も咲きしかど誰ぞ気づかむ金木犀と
◇ 花咲けど薫るも難きわづかなり金木犀の手足もがれて
◇ 目を凝らし立ち止まらねば君咲くを知らずに過ぎむ金木犀よ
◇ 生垣の貧しき花よ道の端でせめて匂へよ金木犀の