先生が、素敵で増えた女性って言っても、年齢はさまざま。
近いところに、診察を終えたご婦人が二人話しているのが自然に耳に入った。
Ａ「最近、わてどんくさなったわ」 Ｂ「そりゃぁ、しょうがない歳やもん」
話はその後料理のことになった。
二人暮らしではお揚げさん（大阪風な言い回し）が一枚買うと多いねん・・と。
Ｂ「うちは、刻んで冷凍してますねん」 Ａ「うちかてそうしてんにゃで、でもお父さん（旦那様）がな、
冷凍したお揚げさんは硬い言うねん」 Ｂ「そうか？ そんなことあらへんけどな」
Ａ「お父さんも仕事してるときやったら、なんでも美味しい言うて食べてくれたんやけどな、
今は家の中でじーっとしてるやろ、おなかもあんまりすかへん。 そやから食べることぶつぶつ言うねん。
まぁほんでも、うちかてこの頃どんくさなったしなぁ、お父さんこと言われへん、しょうがおへんわ」
二人の会話を聞きながら、遠巻きに姿を見ていた。 Ａさん、地味な７０代のおばあちゃん、
Ｂさんはきっと８０代。 えんじに白の水玉のブラウスがとってもお似合い。
私の顔が、思い切り笑顔になっているのが分かった。 参ったわ、おばあちゃん！
どんくさなった？ 私なんか５０代よ～、とっくにどんくさいのよ～。
先生に注射をしていただきながら「待合室は、いいことが小耳にはさめて勉強になりますね」と
さっきの情景を話した。 「もうあのおばあちゃん８０過ぎやで。 ああ言う人は自分って言う
人間が、よう分ってる悟ってるんやなぁ。 ええ勉強になるやろ」
診察室から出たら、患者さんがおられたので「暑いですね」と話しかけると「今、そこでこけてな、
医者へ行ったら、腰の骨折れてるって言われてん」
そりゃぁ大変です、お大事に・・。
待合室から、二階へ通じる階段に、看護師さんが生けたトルコキキョウがとても優しかった。
お昼過ぎ愛ちゃんから、初節句の兜、どのようにしまったらいいんでしょうと電話あり。
息子の初節句のときの兜、息子不在でも毎年欠かす事無く飾ってはしまっていた。
今年から愛ちゃんに交替、嬉しい交替。
尋ねる人は伸びる・・、どこかでそう聞いたことがある。
＊ 紫陽花今日の一枚 ＊
