「愛ちゃん今日来る？ ひろと二ヶ月やね～」 「はい、二ヶ月です。 いいんですか～」
「ご飯食べにおいで～」 「今帰ったから尋ねてみますね」 息子は引越しの手伝いだったのだ。
次女に電話を代わってもらった。 私は料理開始、来るつもりで買い物していたから。
「うちらがそっちへ行こうか？」息子は来てくれたほうが助かると返事したらしい。
もちろん疲れているから、母はもうとっくにその気である。
おにぎり作って、料理作ってみんなして行く。 長女も呼んで。 毎週全員集合だ。
日曜会えばこっちも嬉しいし、愛ちゃんも一回でも料理しなくていい訳で、助かるでしょう
ひろとは朝から、少々ぐずっていたようだ。 ドームにも行ったようで人ごみに興奮したのかも知れない。
ボビーのマスクにはみんなが沸いた。 卓球の試合でちょっとお疲れの夫も笑いころげて。
眠たいひろとは中々眠れない。 しかし愛ちゃんが抱くと、すっと泣き止む。
おむつでもなく、おっぱいでもなく、体調が悪い訳でもないけれど、泣く。
人ごみに興奮することもあったなぁと、帰ってから我が子のことを思い出した。
泣き止むと「やっぱりお母さんが一番やな」当然である。 みんなが負ける。
二十四時間お世話する母親の特権。
どうやっても泣き止まない時、泣き止まない夜もあろうけれど、本当にお母さんは大変だ。
愛ちゃんがひろとを抱いて一生懸命あやす姿、胸がいっぱいになる、がんばって・・。
みんなでにぎやかな夕食のあとは、愛ちゃん特製のチェリーのタルト、冷えていて、
すっごく美味しかった。 息子はいいな、こんな美味しいもの食べられるんだから。
夢を見た。
ひろとの姿がみえなくなって「ひろとー、ひろとー」と呼んで探していた自分の声に目が覚めると同時に、
夫の手が私の口をふさいだ。 再び眠ったら続きを見た。
買っていて渡した紺のセーラーのショートオール、ひろとは着ていた。
そしてその時カステラを入れて持って行っ手下げの紙袋、その中にちょこんと座っていて
目をまんまるにして、「僕、二ヶ月なのにしゃべれるよ！僕しゃべれる・・」 えー！！
＊ 紫陽花今日の一枚 ＊
