◉ 葛 (くず) ・ 真葛 (まくず) ・ 葛かづら ・ 葛の葉 ・ 真葛ヶ原 (まくずがはら) ・ 葛の雨
山路に石段ありて葛の花 ・・・・・ 高浜虚子
花葛の谿より走る筧かな ・・・・・ 杉田久女
あなたなる夜雨の葛のあなたかな ・・・・・ 芝不器男
秋の七草の一つに数えられています。
葉に隠れがちな花に、
控えめな美しさがあります。
一方、繁殖力が強くはびこるので、
厄介な雑草とも見なされています。
[ マメ科クズ属の蔓性多年草 ]
刈られたる蔓草の中葛の花 ・・・・・ みなみ
クズ (葛)
日本では、
北海道~九州にかけて
山野や道端などに自生します。
蔓の長さは、5~10m。
根は肥大し、
茎の基部は木質化します。
葉は大きく、裏面が白っぽい3出複葉で、
小葉は菱状卵形、長さ幅とも10~15cmです。
花期は、7~9月。
葉腋から花穂を出し、
香りのよい紅紫色の蝶形花を
総状に付けます。
果実は莢果(きょうか)です。
茎の皮から繊維をとって葛布(くずふ)を織り、
蔓で行李を作るなど、広く利用されています。
また根からデンプン(葛粉)をとり、
和菓子の材料として葛切・葛餅・葛湯などに利用します。
根を生薬の葛根(かっこん)として、
発汗・解熱薬などに用います。
名は、奈良県の国栖(くず)が葛粉の産地であったので
付いたそうです。
2010/10/29 撮影…莢果(きょうか)