しをり戸

ささやかな庭の山野草と
散歩・旅で出会った草木。 
季語・拙い俳句、
折々の写真などの記録です。

節分草 ( せつぶんそう ) <季> 初春

2015-04-01 |  春の草木 の 俳句

◉ いえにれ

咲くだけの光あつめて節分草 ・・・・・ 高橋悦男 [実朝の海]
ふたり棲む節分草をふやしつゝ ・・・・・ 黒田杏子 [藍生]
峡の陽はうつろひ易し節分草 ・・・・・ 小出民子 [かびれ]

早春にいち早く咲き出し、
初夏には地上部が枯れてしまう
スプリング・エフェメラルと呼ばれる植物です。
暖かい地方では節分の頃から咲き始めますが、
普通3~4月初旬に咲きます。
白い清らかな花の 顔を上げるような姿には、
可憐な風情があります。   
   
  [ キンポウゲ科セツブンソウ属の多年草 ]

開き初む節分草に雪少し ・・・・・ みなみ

セツブンソウ (節分草)
日本の特産種。
本州の関東地方以西~中国・四国地方の
石灰岩地の草地や落葉広葉樹林の臨床などに自生します。
草丈は、5~15cm。
地下に球形の塊茎があり、
塊茎から長い柄を持つ根出葉を出します。
根出葉は3つに深く裂け、さらに掌状に裂けます。
花期は、2~3月。
塊茎から伸びた茎の上部に、
柄がなく線形に分裂して輪状に並ぶ 苞葉(ほうよう)を拡げます。
その上の花茎の先端に軟らかな花径2cmの白色の花を1個つけますが、
5花弁に見えるのは萼片です。
花弁は退化して蜜腺に変化し、
雄しべより短く黄色で雌しべの周りに並んでいます。
果期は、5月中頃。
袋果で、種子は円形・褐色で平滑です。
名は、節分の頃から3月に花をつけるので付いたそうです。
・ 絶滅危惧種 ・


2011/02/25 撮影

  2019/02/21 撮影


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セツブンソウ の 育て方

2015-04-01 | 栽培のポイント

                                      ↑ セツブンソウ 

[ キンポウゲ科セツブンソウ属の多年草 ]

育て方の一例
・耐寒性: 強。  
・耐暑性: 中。
・日照: 冬~開花期まで日向。花後は半日蔭。 休眠後は 日陰。   
・植え付け適期: 初秋9月中旬。
・用土: 赤玉土(小)5・硬質鹿沼土(小)4・軽石(小)1の混合土。
      または赤玉土(小)7・山砂(小)3の混合土。
・肥料: 元肥…リン酸分の高い緩効性化成肥料を少量。
      追肥…置き肥は、有機性固形肥料(春と秋)。
         液肥は、2000希釈液(芽出し時に1回。4~6月に1週間.1回)。
             カリ分の多い液肥の1000倍希釈液(10~12月上旬に1週間.1回)。
                     植物活性剤は、1000倍の希釈液(9下旬~12月上旬に1週間.1回。芽出し前と花後に1回)。
・鉢: 中深鉢。深鉢。 
・植え替え頻度: 1~2年毎。
・増殖: 実生(4月頃に採り播き)。
・病害虫: ナメクジ・ヨトウムシ・アブラムシや軟腐病・炭そ病など。

*
・水はけの良い用土を好む。
・風通しのよい涼しい場所で、過湿に注意する。
・表土から3~4㎝の深さに植える。
・地上部のある間は肥培に努めるが、肥料を与えすぎない。
・鉢は直射日光に当てない。
・石灰質を含む土壌を好む。
・開花中は花に水をかけないよう注意する。
・連作障害に注意する。

 

露地植え 「球根の植え付け」
① 春は日向で梅雨から夏は涼しい木陰になる様な落葉広葉樹の下などの場所を選ぶ。 
② 径30cm、深さ25㎝の植え穴を掘る。 
③ 軽石砂(大)・硬質鹿沼土・赤玉土を同量混合し、
    掘りあげた土を1/3加えて混ぜ、肥沃な用土をつくる。  
④ 植え穴の約20㎝下あたりに、
   緩効性化成肥料を小さじ1杯ほど撒き、③の土を入れる。
⑤ 球根は表土の3~5㎝下に植え付ける(球根は尖った方が上)。

 

実生で増殖 「採り播き」 
①果実の口が開き始めたら、茶褐色の種子を摘み採る。
②バーミキュライトや赤玉土、植え付けと同じ用土に種を播く。
③1㎝程度の覆土を行い、
    乾燥させないように管理する。 
④種を播き、5㎜ほど覆土する。
⑤開花までは植え替えをしない。 
⑥発芽後は薄めの液体肥料を週1回程度与える。
⑦翌年は楕円形の1枚の双葉、
 2年目には1枚の本葉を展開、
 3年目以後に開花する。

 


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