しをり戸

ささやかな庭の山野草と
散歩・旅で出会った草木。 
季語・拙い俳句、
折々の写真などの記録です。

額の花 ( がくのはな ) <季> 仲夏

2018-06-16 |  夏の草木・その他 の 俳句

◉ 額紫陽花 (がくあじさい)・額草 (がくそう)・額花 (がくばな)

会のたび花剪る今日は額を剪る ・・・・・ 高浜虚子
夏の日を淡しと思ふ額の花 ・・・・・ 野村泊月 (第二同人句集)
かなしみのはづれより咲く額の花 ・・・・・ 平井照敏

額の花は額紫陽花を略したものです。
暖地の山峡や渓流のほとりなどに自生し、
公園や庭などにも植えられ、
古くから園芸化されています。
淡青紫色の小さな両性花が中心に多数集まり、
周りを白から変化して青紫色を帯びる大型の装飾花が
額縁のように縁取ります。
梅雨空の下でみずみずしく咲く姿には、
しっとりとした素朴な趣があります。

   [ ユキノシタ科アジサイ属の落葉低木 ]

父の忌の日照雨あがりし額の花 ・・・・・ みなみ

ガクアジサイ (額紫陽花)
関東南部・伊豆半島・紀伊半島・四国南部の、
海岸に近い山地渓流沿いなどに自生します。
樹高は、約2m。
枝を叢生して大きな株になり、半円状の樹形を整えます。
葉は柄を持ち、倒卵円形で先が尖り、基部がくさび形で、
質が厚く無毛、縁に鋭い鋸歯があって対生します。
花期は、6~7月。
枝先に大きな散房花序を付け、
花序の中心には淡青紫色のガク片・花弁とも5枚の小さな両性花が集まり、
その周りに紫色を帯びたガク片4枚の装飾花(中性花)が少数付きます。
雄しべは約10本、花柱は3~4個です。
果実はさく果です。
紫陽花の母種とされ、庭木としても用いられています。
有毒植物で、過呼吸・興奮・ふらつき歩行・痙攣・麻痺などの
中毒症状を起こすことがあります。
名は、装飾花が両性花を額縁のように囲むのを見立てて「額」、
藍色の小花が集まって咲くことから「あづさあい(集真藍)」が変化して付いたそうです。
別名 : ガク(額)


2011/06/10 撮影…新宿御苑

コメント (2)
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