1月24日(火曜日)、箕面市立止々呂美小中一貫校 とどろみの森学園 7年生37名が 、地域伝統の ”炭焼き”を体験しました。
箕面の北端・止々呂美(とどろみ)は、豊かな自然に恵まれた地域。
一級河川余野川にそって棚田が広がり、昔から山を切り開いて、ゆず、びわ、くり、山椒などの果樹栽培が盛んであるとともに、北摂生産の最高級木炭「池田炭」の産地でもあります。
炭焼き体験のお世話してくださったのは、お米やユズなどの生産農家 中上忠彦さん。
止々呂美をはじめ北摂地域の炭焼きの歴史は古く、樹皮もそのまま綺麗に炭化してかたちを留めていて、特に木口に綺麗に現れる放射線状の割れ目模様が菊の花を思わせることからに「菊炭」、また、お隣の池田市が炭の集積地であったことから「池田炭」と呼ばれています。
造形美に優れるほか、火持ちが良く、香りも高いのが特徴。茶道で高級品として扱われています。
この日の体験は「柴づくり」。
炭焼きの窯を温めるために、燃やす材料となる枝木集めです。
あらかじめ中上さんが近くの里山から切り出された木を、子どもたちが、ノコギリやナタを手に持って、長さ1メートル程に切りそろえて、ヒモでくくって束(たば)にしていきます。
誰もが、自然に助け合いながら作業をしているのも印象的です。
「これを切る道具は、ナタの方がいいんちがう。」
「この木の端を押さえてるから、切ってみて。」
雪も降ってきました。炭焼きの窯を体験です。
中上さんから窯の中に入るコツを教わり、1人づつ炭焼窯の中へ。
煙突(えんとつ)もありますが、まだ閉じられているので中は真っ暗です。
「窯に滑り込むように入って、ドーナツ状に座ってみてください。
10人は入れますよ。どうです、温かいでしょう。」
ここでしかできない里山体験です。
今後の体験予定は、山から炭の原料となるクヌギなどを伐採します。
2月10日に原木(ほだ木)を窯に入れて、2月24日に炭が完成する予定(「窯出し」といいます)です。
炭に利用するクヌギを伐採して有効活用することは、里山の保全にも重要な役割を担っています。下草刈りなどの手入れや間伐をしたりすることで、里山に太陽の光が入り込みます。山に住む動物たちの食べ物もバランスよく保たれ、豊かな自然環境が継承されています。体験は、このことを、地域の農家さんから直接学ぶことができる機会です。
続いて、これらクヌギやナラの木を使った椎茸(しいたけ)づくりの見学です。止々呂美では、優良なクヌギを原木として使った椎茸栽培も盛んです。
原木で栽培される椎茸について、教わります。
「原木に、しいたけの菌を植えつけて、育てます。
何回か収穫して、木が弱ってきたら、冬場の暖房用の燃料などとして利用します。」
「ナラやクヌギの木は、一度切ったらまた芽が出てきます。新しい森に順番に生まれ変わっていきます。木を使う生活によって、森も活き活きと育ちます。」
とどろみの森学園では、中上さんをはじめ多くの地元農家さんのご協力のもと、今年も田植えや稲刈り体験、ユズやビワなど特産品の農園体験が行われ、地域の産業や自然の豊かさ・大切さを学ばれています。
(校内に掲示されている手作りポスター)
校内にも、菊炭が置かれています。