北摂で見られる昆虫の標本や箕面大滝を描いた絵画など、箕面の自然と昆虫を展示する「箕面の自然と昆虫-身近なところから考えるSDGs-」が、5月22日(金曜日)から8月26日(水曜日)まで、箕面市立郷土資料館(箕面6-3-1)で開催されています。
今回、初めての開催となる本企画展は、京都の貴船、東京の高尾と並び「日本三大昆虫生息地」と呼ばれている箕面の自然と昆虫にスポットを当てた展示を行っています。
また、自然や昆虫の展示コーナーのほかに、最近新聞やテレビでよく目にする「SDGs」にまつわる展示コーナーもあります。
(身近に存在する環境保護につながる自動販売機)
企画展のコーナーに入ると、蝶を始め、様々な昆虫の標本が目に飛び込んできます。どれも北摂に生息する昆虫で、美しく保管された標本は、まるで生きているかのような質感を持っています。他にも、自然と昆虫が織りなす美しい写真が展示されています。
(実は”ミノオ”と名がつく昆虫がいます)
また、写真や標本だけでなく、スケッチや論文も展示されています。中でも、箕面の昆虫の研究を行っていた故 西川芳太郎さんが描いた、写真と錯覚してしまうほど緻密な昆虫の原画・スケッチは必見です。
(ぜひ実物を見ていただきたい原画。本当に写真のようです)
他にも、学生時代にオオムラサキという蝶を目当てに箕面を訪れ、自身のペンネームに「虫」を当てるほど、昆虫をこよなく愛した手塚治虫さんの展示コーナーもあります。
(きれいな羽を持つオオムラサキ)
現在は、手塚さんが描いた昆虫の漫画や図鑑が展示されていますが、8月からは、手塚さん自らが採集した昆虫の標本が期間限定で展示されることとなっています。
(手塚治虫さんの作品一覧。8月に展示される標本も楽しみですね)
次に自然の展示が始まり、最初の展示を飾るのは、箕面の自然の代表である大滝が描かれたリトグラフ(水と油の反発作用を利用して作る版画)。
これは、現代日本を代表する画家・版画家である故 吉原英雄の作品です。
(力強さと繊細さを併せ持つ美しいリトグラフ)
自然の展示を締めくくるのは、「SDGs」。環境を守りながら、人が生活する中で、何ができるのか、をテーマに展示がされています。
過去と現在の環境に優しい製品の比較や色々な製品に記載されている自然環境保護に関するマークの説明など、展示を見ると「こんなマークがあったの知らなかった!」という言葉が、つい飛び出します。
(昔の道具たち。今でも使っているものが多いですね)
(こちらは今の道具。)
(環境保護に関するマーク。買い物するときの楽しみがひとつ増えました)
郷土資料館を訪れていた中学生の来館者は「学校では学ぶことができないことをいっぱい勉強できたので、とても楽しかったです。展示物の中で、ナガサキアゲハという大きな蝶を見て、生きている本物を実際に見てみたいと思いました。」と話しました。
(右上の一際大きい蝶がナガサキアゲハ。とてもきれいな蝶です)
同資料館学芸員の小川紗弥子(おがわさやこ)さんは「今回は、自然と昆虫の視点から箕面のことを知っていただきたいという想いで展示を企画しました。箕面の自然の豊かさを感じていただくとともに、これから自然を守っていくために身近にできることを考えるきっかけになればうれしいです。」と話しました。
(これは初めて見ました。なんと手作りできるようです)
■企画展「箕面の自然と昆虫-身近なところから考えるSDGs-」
【開催期間】
5月22日(金曜日)から8月26日(水曜日)まで
(休館日:毎週木曜日、12月29日~1月3日)
【開館時間】
午前10時から午後5時
【開催場所】
郷土資料館(箕面6-3-1、阪急箕面駅から東へ徒歩約2分)
【連絡先】
電話:072-723-2235
ファクス:072-724-9694
【入場料】
無料
〈いつまでも自然と仲良く共存していきたいね!