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三博士とタマレス

2024年01月19日 | 国際交流員から

遅ればせながら、¡Feliz Año Nuevo!
(「フェリス アニョ ヌエヴォ」日本語:あけましておめでとうございます)。

今年は日本での初めての「年末年始」でした。ということで、大晦日の鐘の音を聞いたり、初詣に行ったり、鏡餅を飾ったり、「龍」の漢字を書き初めで書いたりと、日本の伝統的なことをしてみました。日本のお正月の伝統を身近に感じることができ、貴重な経験となったと思います。日本の「人日(七草の節句・1月7日)」の前日、メキシコでは「三博士の日」を祝います。このブログでお話ししたいのは、正にこのお祝いについてです。


東方の三博士:メルキオール、カスパール、 バルタザール
(出典:Gettyimages

 

¡Hola! (スペイン語の挨拶)
国籍:メキシコ(México)
氏名:オーランド
職業:国際交流員
趣味:水泳、読書、山登り、ファッション

 

メキシコでは、クリスマスツリーは 1 月 7 日まで飾られたままで、なぜなら子供たちは 12 月 24日の夜(12 月 25 日の朝)と 1 月 5 日の夜(1 月 6 日の朝)の 2 回に分けてプレゼントを受け取るからです。「東方の三博士の日」の起源はキリスト教にありますが、現在では非宗教的な意味合いも持っているため、宗教的でなくても祝うことができます。この祝いはスペインから伝わり、現在では他のヒスパニック諸国でも祝われていますが、メキシコではいくつかの独特な特徴があります。


今ではメキシコを代表する祝いとされ、ほとんどの家庭で祝います。もともと宗教的な伝統では、三博士とは、赤ん坊のイエスに贈り物を届けるために東の地方からやってきた三人の賢者のことです。その理由から、この日は子供たちにプレゼントを贈ることと関連付けられるようになりました。


すべてのヒスパニック諸国で同じように祝われるわけではなく、メキシコでは祝日ではありませんが、家庭や会社、事務所でこの祝いを行うのが一般的です。場所によっては、役者や近所の人々が三博士を演じる行列があります。これらのキャラクターは近所を歩き、近づいてくる子供たちに挨拶をします。この祝いの最も代表的なものは、いわゆる Rosca de Reyes(「ロスカ デ レジェス」日本語:三博士のケーキ)と呼ばれる楕円形のドーナツ状のパン・ケーキで、この日のために特別に用意されます。砂糖漬けした果物で飾られ、以前は「アシトロン」と呼ばれるメキシコ固有のビスナガというサボテンの一種から作られる伝統お菓子で飾られていました。


Rosca de Reyes con chocolate caliente /
三博士のケーキ(ロスカ)とホットチョコレート
(出典:aprende.com


いわゆる「ロスカ」には、さまざまなサイズ、品質、価格がありますが、特別なのは味でも材料でもなく、特に 2 つのことです。 それは、ロスカを他の人(少なくとももう一人)と分け合わなければならないことと、さらに、すべてのロスカの中に陶器かプラスチックでできた小さな人形が隠されていることです。大きさにもよりますが、人形は少なくとも 1 体入っていなければいけません。一般的に、人形の長さは 4 センチです。

ロスカの中の人形
(出典:cocinafacil.com

 

ロスカは通常、夜に家族や友人とホットチョコレートと一緒に食べます。会社では、同僚と一緒にロスカを食べることもよくあります。ロスカの中に隠れている人形を見ることはできないので、ロスカを切り分けて配る時や自分の一切れケーキを食べている時に人形を見つけることができ、とても微笑ましい瞬間となります。人形を見つけることは、心地よい雰囲気になる一方で、大きな責任も伴います。


人形を見つけた人は、2 月 2 日の Día de la Candelaria(「ディア デ ラ カンデラリア」日本語:キャンドルの日)に行われるお祝いの集まりを企画し、招待客に配るタマレス(伝統的な食品)を買わなければなりません。しかし現在では、タマレスを買って配ることは、厳密に守らなければならない義務ではないし、冗談と受け取られることもあります。


Tamales / 「タマレス」スペイン語:トウモロコシをすりつぶし、
ラードなどと合わせて、トウモロコシの包葉に包んで蒸した食品
(出典:staticcookist.akamaized.net

 

家庭では、1 月 5 日の昼間、子供はその夜にやってくる「三博士」のためにお菓子を置いていきます。その日の夜、「三博士」(両親)は、子供が寝静まった後、まだ置いてあるクリスマスツリーの下に子供へのプレゼントを置きます。翌日、子供が「三博士」に残したお菓子は消え、代わりにプレゼント(おもちゃ、ビデオゲームなど)が置かれます。


このような祝いは子供が中心ですが、大人でも恋人や家族に旅行券やデジタル家電など日常生活に必要なものを贈る人もいます。私が子供の頃、他の子供たちと同じように、三博士の存在を本気で信じていましたから、彼らに手紙を書きました。10 歳になったとき、プレイステーションを持ってきてほしいと書いたことを覚えています。翌日、両親は私を店に連れて行き、「これが欲しいゲーム機か」と尋ねました。 私が困惑した顔で両親を見ていると、両親は「その通り、三博士などというものは存在しない」と答えました。その瞬間、私はずっと騙されていたような不思議な感覚に陥りましたが、プレイステーションを手にしたことでその感覚は
すぐに消えてしました。


話を戻しますと三博士の日が年末年始のお祝いに関連する最後の日となります。翌日(1 月 7 日)には、クリスマスツリーや年末年始に関しての飾りはすべて撤去され、大掃除が行われ、通常通りの生活に戻ります。

ロスカ、食べたいモミ~


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