グラスに12粒のブドウを入れ、それぞれのブドウに新年の願いを込める。(提供:lavozdeyopal.co)
¡Feliz año nuevo! (「フェリス アニョ ヌエボ!」日本語:明けましておめでとうございます。) 皆さんはどのようにお正月を過ごされましたか?私は初めて鏡餅を家に置きました。年末、多くの家庭や公共の場では、しめ飾りのほかに、とても柔らかそうでかわいらしい白いものが置かれていることに気づきました。それが米でできていること、そして鏡餅の意味を知り、私もこの伝統を体験してみたいと思ったからです。新年を迎えて数日後、鏡餅を開いて小さく切り、茹でて朝食として食べました。こんなことをしたのは初めてで、日本特有の慣習だと感じました。新年を祝う慣習は世界中にたくさんあり、刷新、変化、成長といったコンセプトを表現しています。今回はメキシコの新年の風習をいくつか紹介しましょう。
¡Hola! (スペイン語の挨拶)
国籍:メキシコ(México)
氏名:オーランド(Orlando Zamora)
職業:国際交流員
趣味:水泳、習字、登山、ファッション
31日の夜は「過ぎ去った夜」(大晦日)とも呼ばれる非常に重要な日で、この日に新年のすべての準備をしますが、特に年越しディナーが行われます。メキシコでは、家族が一堂に会し、たくさんの料理(豊かさや富を象徴する)を食べて新年を迎えるのが一般的ですが、親戚だけでなく、友人や近所の人、ゲストも参加することがあります。このような機会には、正式な招待状を作る必要はないので、突然の来客や遠方の親戚が来ることもよくあります。
新年の夕食に家族全員が集まる様子(提供:foodandpleasure.com)
大晦日の年越しディナーは、出席者全員が一人前を食べられるよう、たっぷりとした量になっています。料理の内容については、厳密な決まりはなく、各家庭にそれぞれの習慣がありますが、共通している点がいくつかあります:
1.下着やアクセサリーも含め、全員が新しい服を着ます。それが難しい場合は、少なくとも1着は新調します。自宅や親戚の家などで行われる場合でも、全員がフォーマルな服装をすることが多いです。、さらに、下着に関するもうひとつの言い伝えがあります。ある色の下着を身につけると、ある幸運を引き寄せると言われています。例えば赤い下着は、新しい年に愛が見つかるように、あるいはカップルとしての生活がより強固なものになるようにという願いが込められています。黄色の下着はお金と富を示します。もちろん、メキシコではこのテーマもユーモアに受け止められていますが、実際、12月末になると、店にはこの日限定の下着が並びます。
男性も女性も、その意味に従って色のついた下着を身につける。
2.料理、レシピ、分量、食材は地域によって異なりますが、七面鳥、タラ(鱈)、豚のモモ肉やロース肉などが一般的に食べられます。七面鳥はメキシコで昔から食べられている鳥で、大きいので、お客さんが多いときの料理に最適です。私の実家では、子供の頃、七面鳥をフルーツジュースに漬けてふるまっており、その準備を手伝っていました。また、バカラオと呼ばれるお正月の特別料理もあり、これは一緒に調理されるタラの名前でもあります。バカラオは風味が特に強いので、この季節の私のお気に入り料理です。
左上:七面鳥が描かれた12世紀のマヤ文明の写本。(提供:iei.unach.mx)
右上:七面鳥(提供:laopinion.com)
左下:七面鳥のオーブン焼(提供:cookpad.com)
右下:七面鳥の付け合わせ(提供:francescosgelato.com)
左上:タラ・鱈 (提供:ohblog.ohgar.com)
右上:タラの塩干し(提供:bacalaobueno.com)
左下:塩干しを水で戻したタラ(提供:bonviveur.es)
右下:タラからのバカラオという料理(提供:clamato.com)
3.12粒のブドウを食べるという、もともとスペインから伝わった伝統もあります。年の変わり目には、家族で「鐘つき」の音を楽しみにしています。鐘つきとは、もともとは古い掛け時計の12回のチャイムのことで、12時、つまり新しい1日の始まりを示すものでした。現在では、家族でチャイムを知らせる放送をテレビかスマホで見るのが一般的です。そうでない場合は、時計を見ながら、真夜中までの12秒間、家族自身が声に出してカウントダウンをします。
ブドウの食べ方にもいろいろなバリエーションがあります。日付が変わる数分前であったり、鐘つきに合わせて食べたりします。元日0時1分前に始めて0時1分後に食べ続けることもあります。鐘つきが鳴っている間にブドウを食べ、同時に静かに願い事をします。私が子供の頃は、鐘つきが終わる前にできるだけ早くブドウを食べようとするのがとても楽しかったのを覚えています。もちろん、大人はもっと自由気ままにブドウを食べます。ブドウは皮ごと食べ、紫ブドウや緑ブドウがあります。
それぞれのブドウは願いを表し、年間合計12個の願いが叶うように、という意味が込められています(提供:eluniversal.com.mx)
皿などの食器を割るなど、新年を迎えるための小さな習慣は他にもたくさんあります。家の中に欠けたり割れたりした皿があれば、大晦日に割ることがあります。そのような皿は、この1年間の否定的なこと、あるいは忘れるべきこと、克服すべきことを表しています。本来は古くて割れた皿でなければならないですが、今では多くの人が普通の皿を割ることもあります。また、埃を吹き飛ばすような力強い動作で家の入り口から外へほうきで掃く儀式もあります。この行為は象徴的なものであり、日本の大掃除と同じように徹底的に掃除をしたこと表す動作です。他にも、棚の上などにシナモンスティックを結んだり、家の隅にコインを置いたりする習慣もあります。
左上:部屋の隅にコインを置くことで、金運の上昇を象徴しています。(提供:gestion.pe)
右上:シナモンは豊富を象徴しています。(提供:infotep.com.ar)
左下:家の汚れ(家庭の中の否定的なもの)を一掃する様子。(提供:hola.com)
右下:去年の否定的なこと(不要になったもの)を割って処分する様子。(提供:lanacion.com.ar)
国によって新年の迎え方はさまざまです。私にとっては、門松やしめ飾り、鏡餅など日本の新年を象徴するものをあちこちで見かけ、新年を迎える気持ちが一気に高まりました。
最後に、3月8日(土)に箕面市役所で私たち国際交流員によるセミナーを開催いたしますのでよろしければぜひご参加してください。ニュージーランドとメキシコの文化やアイデンティティにについて話します。詳しくは下記リンクをご覧ください。↓
3月8日(土)開催! 国際交流員による人権セミナー『メキシコとニュージーランドの人にとってのアイデンティティ』
七面鳥が食べたいモミ~