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歳を重ねると楽しいとか賢くなるとか・・・・みんな戯言なんだよ。

感じるままに、赴くままに、流れて雲のごとし

台風はどこだ?

2018-09-05 | その他
窓の向こうは風と雨が気分よく踊りまくっていた。僕はそんな荒れ狂う雨と風を眺めながら彼女の固い背中を撫でていた。筋肉と脂肪が程よく溶け合った彼女の背中が好きだ。ほんのりと香る牛乳石鹸の匂いもそして彼女の体臭が混ざった匂いが好きなのだ。窓から見える港では波の高さがさっきより高くなった気がする。僕は昂ぶる気配を見せない下半身に少し苛立ちこの部屋へ誘う前の彼女のことを思い返していた。
僕の目を覗き込む上目遣い。キリっと結んだ口腔。薄く引いた口紅の色。微笑みのない口もと。誘う眼差しはなかった。でも、付いて来てしまった。後悔と自惚れ。そんな彼女のものぐささをなんとかしてしまいたかった。
毎度のパターンなのだ。この部屋に入るまでのことがすべてなのだ。いまの僕には彼女の気持ちを少しでも昂らせたり、ドキドキさせたり、そのカタチのいい小さな乳房を波打たせたりすることが嬉しいだけなのだ。
それなことで彼女の欲望を満たせることなど全くないのだけれど…それでも彼女は部屋にくっ付いてきたりする。だから、それでいいのかもしれない。そんな自分を、情けなく思うけれどそれは仕方のないことなんだ。
と、言い訳で自己保身に走っている。