とても暑い日だった。
今日は・・・・とびきりの蒸し暑さだった。
おまけに頭痛が止まない。
そんな暑い日なのに、なんとなく期待に胸をいっぱいにして出かけた。
60歳になろうかという男たちのバンドライブに誘われていた。
会場は中野音楽リハスタジオで、今まで知らなかったこのスタジオにライブとして使わせるなんてことは・・・
まあ、そんなことはどうでも良い。
キーボードとドラムとギターのスリーサム。
バンドを始めたのは7年前。
きっかけは。
学生時代から演劇青年。
30歳ぐらいまで役者を夢見ていた。
そして20年経過して再開してバンド結成。
これは絶対楽しいわけで、昔が甦るから。
まだまだあの頃みた夢が忘れられない・・・ような気がするから。
しかし、現実は現実。いつだって足元に横たわっている。
さんざん踏みつけて乗り越えてきたのに、さらっと歌って置き去りにしてる。
あのときのあの哀しみはいったいどうするんだい?
本気に哀しかったわけじゃないんだ。
ただの演技だよ。
バンドなんかやらないで芝居やればいいじゃん。
アマチュア演劇っていうのがあってもいいじゃん!
そんなことをライブの2部の後半で玉置浩二の「メロディー」を歌い始めた時から思い始めたんだ。
なんだか、10年前に自分がやっていたことがクロスしてきて居たたまれなくなってきた。
あの独りよがりで傲慢な、
自分の過去の虚偽報告をしていたステージ。
ただ救われたのは、ひたすら真面目にたどたどしく謙虚に演奏していた。
そんなド下手な演奏だったからなんだ。
だから、10年経ったところで止めたんだ。
嘘に疲れたからね。
しかし、彼らは元役者。
実に演技が上手い。
すべてが芝居がかっていて・・・平気で
「あのころは・・・何もなくて・・・それだぁって」
よく通る声で歌い上げていた。
嘘じゃないと思うよ。
何もなくったって楽しかったんだろう・・・・
でも、嘘っぽく見えてしまうし聞こえてしまったんだ。
何が芝居で何が本心なのか?
分からなくなってしまうじゃないか・・・・
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