事前申し込みですが、無料で見られるので薪能を見に熱海まで行きました。毎年8月1,2日に行われますが、今年は2日の方に行きました。昨年は私が行く薪能はすべて雨に見舞われるという驚異的雨女なので、当日の天気が心配でしたが、無事に屋外(芝生広場)で鑑賞することができました。舞台を見ると、真正面には熱海(相模湾)の海が広がっていて、ヒグラシの鳴き声や月の光など自然と一緒になってとても綺麗でした。まあ屋外なうえ、祭りシーズンなので、時々ベンチャーズの音楽とか「月が〜でたでたぁ〜月がぁ〜〜あ、でたぁ〜あヨイヨイ!」なんてミスマッチなものが聞こえてきましたが・・・(苦笑)でも一昨年はちょうど熱海海上花火大会と同じ日で、もっとすごかったそうです(^^;。
能 『藤』
初めて観ました。後シテの藤の精がとてもかわいいです。藤の精というと歌舞伎舞踊の「藤娘」を思い浮かべてしまいますが、それとはまた違うかわいさなんですけどね。冠から顔に藤の花が垂れていて・・・。まだこの時は薪に火を入れる前でしたが、海や山の自然とマッチしてとても幻想的な舞(序の舞)でした。
シテ:小倉敏克 ワキ:森常吉 ワキヅレ:館田義博、則久栄志
笛:一噌幸弘 小鼓:大倉源次郎 大鼓:國川純 太鼓:観世元伯
この後、火入れ式がありました。画像は火を入れた後の様子です。芝生の斜面に座って観ていました。
狂言 『茶壺』
これも初めてみましたが、面白かったです。すっぱが必死に使いの者の真似をして舞うところとか。微妙に(真似しているからなんだけど)ずれている相舞が面白かったです。オチは想像していた通りでしたが、楽しかったです。
シテ(すっぱ):大蔵吉次郎 アド(道通り):大蔵基誠 (目代):大蔵彌太郎
能 『鵜飼』
3年位前にお稽古で前半の見せ場である「鵜の段」をお稽古しましたが、ちゃんとしたお能を観るのは初めてです。殺生を生業とする者(=漁師や鵜飼など)が、地獄で苦しむというお話は、『阿漕』にも似ているなと思いましたが、後シテは閻魔王なので、雰囲気がかなり違います。でも迫力があり面白かったです。あと、前シテが持っていた松明(?)の小道具が気になりました(笑)←オペラグラスで確認。
シテ:辰巳満次郎 ワキ:森常吉
笛:一噌幸弘 小鼓:大倉源次郎 大鼓:國川純 太鼓:観世元伯
細かいところ(面など)は、オペラグラスがないと全く分かりませんでしたが、自然とマッチしてとても良かったです。ただ・・・やっぱり雑音が多くて集中し辛いかも(^^;。とにかく晴れて良かったです。