みゆみゆの徒然日記

日本の伝統芸能から映画や本などの感想、
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私の好きなことを綴っているブログです♪

『私の中のあなた』

2009年10月11日 | 映画(DVD含む)
 白血病患者が主人公という話はよくあるし、病気で人が亡くなるような、いかにもお涙頂戴という設定は苦手というかあまり見る気になれないのだけれどこれは、ドナーとして妹が生まれたとか、その子が両親を訴えるというような設定に興味を持ち鑑賞しました。

【あらすじ】私の中のあなた - goo 映画より引用。
11歳の少女アナは、白血病の姉に臓器を提供するドナーとして、遺伝子操作によってこの世に生まれた。母サラは愛する家族のためなら当然と信じ、アナはこれまで何度も姉の治療のために犠牲を強いられてきた。そんなある日、「もうケイトのために手術を受けるのは嫌。私の体は、自分で守りたい」と、アナは突然、両親を相手に訴訟を起こす。しかし、その決断にはある隠された理由があった…。


 白血病に苦しむ長女、どんな手段を使ってでも娘を救いたい母親、姉を救うために“作られた”妹、父親も弟もこの家族皆のそれぞれの気持ちが痛いほどよく分かる・・・。みんな、ケイト(白血病の長女)が好きだし家族が好き。家族(特に子供)が病気になったら、絶対助けたいというのも、ものすごく理解できる。けれど、そのためにドナーとして子供を作ることもどうなのだろうか・・・・。しかも遺伝子操作で。そして、いくら自分がドナーとして生まれてきたとしても、両親を訴えたりするだろうか?最初は、単にアン自身が「姉のドナーとして生きることは嫌」ということで自分で考えて訴訟を起こしたかと思ったし、いろいろな意味でアメリカ的だと思ったけれど、次第に本当の理由が分かる・・・・。冒頭から涙ぐんでしまったけれど、かなり泣けた。自分が最初に興味を持った“ドナーのために作られた子供”の部分よりも、“延命治療”のこと、病気を支える家族のこととか、そして、病気になっている本人の気持ちとか・・・。見ながら、いろんなことを考えてしまったし、自分自身の周りで起きたことことが頭の中を駆け巡った・・・。

 キャメロン演じる母親は時にはヒステリックになってしまう。けれど、もし自分がその立場だったら・・・と考えると、そういう風になってしまうかもしれないと思う。医師の許可というかアドバイス(?)をもらって病院からケイトを連れ出してビーチへ連れ出す父親の気持ちや愛情もよく分かるし、それに対して怒る母親もまたケイトへの愛だと思う。だから、出かける前の夫婦の衝突も、どちらもケイトへの愛故・・・。だからこそ、その後のビーチでの家族が和む場面は印象的でした。彼女の生きる支えにもなったボーイフレンドのテイラーもよかった・・・。嘔吐するケイトをさりげなく介抱したり、ダンスパーティに行ったり・・・。憐れみとかでなく、本当にお互いに惹かれて支えあっていたのでしょう。そして誰よりも苦しんでいたけれど、一番強かったのはケイト。彼女が作った家族のアルバムはかなり感動した。きっと周りが暖かい存在だったからでしょう。病気ではないけれど、自分と同じ兄弟構成だったので、兄弟同士の絆にも泣かされました。でも自分が一番上だと、下の立場があまり分からないのだけれど・・・(^^;(上は上でいろいろあるけど~・・・)でも、自分がケイトの立場なら同じように思うかもしれない・・・。でもアナも、お姉さんのことが大好きなのよね・・・。家族以外にも、アナに雇われた弁護士も勝訴率91%の敏腕弁護士という設定にとどまらず、なぜ彼女の弁護人になったのかという設定もよかった。(彼の介助犬のボーダーコリーが可愛かった!)

 今も感想を書いていて涙が出てくるくらい、いろいろ考えてしまったし、悲しいかもしれないけれど、みんなが優しい家族の物語でした。

 邦題もそうですが、原題の『My sister's keeper』というタイトルも印象的。「keeper」は「守る人」の意味。ドナーとして、お姉さんの命を保ってきた存在という意味もかけているんでしょうかね?