みゆみゆの徒然日記

日本の伝統芸能から映画や本などの感想、
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私の好きなことを綴っているブログです♪

『阪急電車』

2010年09月03日 | 本・マンガ
有川浩/著

 平積みされているハードカバー版の表紙の電車がかわいいと思ったのが第一印象。それからずっと気になっていた一冊。この夏、有川作品を一気読みしている私は、文庫化されている自衛隊モノを読み終えたので、これを読みました。少しずつ読むつもりが、なぜか徹夜(笑)で一気読みしてしまったのです。自衛隊モノも自分のツボではあるけれど、この『阪急電車』はそれ以上に自分のツボでした!!てっきり短編集かな?と最初は思ってしまったくらい、それぞれのエピソードは短いけれど、どのエピソードもみんな繋がっています。同じ電車に乗っている人と人の繋がりも電車のよう。それぞれのエピソードがかなりほっこり温かいのです。有川さんらしいベタ甘恋愛も素敵だったけど、恋愛じゃないエピソード(女子高生、電車の中でおじいちゃんに叱られる。おばさん、PTAママ同士のイヤな人付き合いからの脱却など。)もかなり素敵でした。

 そして、これ抜きにしても絶対に自分好みの一冊なのだけど、54ページ目を読み始めて私の目に飛び込んできた「甲斐犬」の文字に「!!!!!!!」となりました。有川さん、ますます私のツボですよ!飼い主としては、ああいう事態はあってはいけないことだけど、甲斐犬の性質上あってもおかしくないエピソード(笑)きっと有川さんは飼育経験か被害に遭った経験があるのだろうと想像してしまいましたよ。(ちなみにうちの紅は玄関先にはいないし、噛み癖もないけど)甲斐犬を知らない人よりは、ニンマリしてしまうだろうな。
 その甲斐犬をかつて飼っていた時江おばあちゃんは素敵すぎます。白いドレスのOLやDV彼氏を持つ女の子に影響を与えた一言も素敵だし、オバサンとの喧嘩もかっこいいのですが、孫と犬のエピソードが素敵でした。犬に関しては、今の犬を通じて昔飼っていた甲斐犬と亡きご主人への想いが伝わってきて・・・。「甲斐犬だけは飼わないから安心してね」と言っても、嫌いなら同じ名前つけないもん。

 またまた素敵な一冊に出会ってしまった。きっとすぐに読み返してしまいたくなる・・・そんな一冊です。人にも薦めたくなる一冊ですが、この本の舞台となっている阪急今津線を使う人はきっともっと楽しめるんだろうなぁと思います。あ、もちろん甲斐犬飼いさんも(笑)そして、どの電車や駅にもいろいろなドラマがあるのでしょうけれど、阪急今津線に乗ってみたくなりました。時江おばあちゃんに会えるかな(笑)