GEORGE PORTER JR. / IT'S LIFE
前回のヘンリー・バトラーに続いてのサイン自慢はジョージ・ポーター・ジュニアです。
8月12日、ビルボードライヴ東京でのニューオーリンズ・オールスターズ公演。ライヴ終了後にサイン会がありました。店内のカウンターでCDを購入すると、メンバーからサインが貰えると言うのですが、シリル・ネヴィルとヘンリー・バトラーのCDは置いてあっても、ジョージ・ポーター・ジュニアのCDは売られてなかったんです。私はちゃっかりジョージを含めた3人のCDを持参してきていたのですが、ひょっとしてジョージのサインは貰えないかも…。と半ば諦めていました。
ところがサイン会に一番に姿を現したのはジョージでした。実は私が最もサインを欲しかったのはジョージだったので嬉しかったですね。私の順番になって持参したジョージの最新ソロ作「IT'S LIFE」(写真)を彼に手渡すと、『ワオ!』と喜んでくれましたね。あまり売れなかったのかな…。で写真が貰ったサインです。
さて、この日のライヴ、ジョージ・ポータージュニアは職人的なプレイでファンを魅了してくれました。1曲目のインスト曲、ベースの音が鳴った瞬間に『オー!』って感じに引き込まれました。この曲ではドラムスとのコンビでジョージのソロ・コーナーも合ったのですが、これも格好良かった! ドラムスは当初アナウンスのあったレイモンド・ウェバーが来れず、代役のキンドラー・カルトという人でした。まだ若手のようですが、力強くもキレのあるリズムを叩き出し、既にレジェンドと呼ばれる3人を相手に大健闘でした。ジョージとのコンビネーションもばっちり!
前半に畳み掛けたインスト曲もそうですが、終盤の「Will It Go Round in Circles」ではドラムソロからそこにジョージのベースが絡み、長尺のインタープレイに突入したり、ある意味ジャム・バンド的な魅力が味わえて楽しかったです。相手のリズムに反応して次から次へとフレーズを展開していくジョージのスリリングなプレイは流石でした。元々ジョージはインスト・ファンクの元祖とも言えるミーターズ出身ですし、それはある意味ジャム・バンドの元祖とも言えるんですよね。
でもジョージの本当の魅力を伝えたのはやっぱり「Come On」や「Will It Go Round in Circles」などファンキーな歌物での暖かくもグルーヴィーなバッキングですよ! もっちゃりと揺れながらも歌心溢れるベースライン。ニューオーリンズ・ファンクの底辺を支えてきたそのグルーヴは、かの地そのものの芳醇さを湛えていました。
で、ちょっと話が脱線しますが、この「Come On」は個人的にちょっと感慨深かったです。これはジミヘンがカヴァーして有名になった曲ですが、オリジナルはニューオーリンズの個性派ブルースマン、アール・キングです。
アール・キングは残念ながら03年に亡くなられましたが、その少し前、01年末にパークタワー・ブルース・フェスティヴァルのため来日しています。私も観に行きましたが、その時バックを付けていたのがジョージ・ポーター・ジュニアでした。おそらく「Come On」も演ったと思いますが、既にアール・キングは全盛期のような演奏を出来る状態ではなく、それを暖かくサポートするジョージの姿が印象的でしたね。その時のアール・キングについては色々な意見が有ったようですが、私はアール・キングが大好きなこともあり、名曲の数々を生で聴き、充分にアール・キングの“味”も堪能し、何より名盤「STREET PARADE」を連想させるジョージと一緒でのステージが見れたことが嬉しかったですね。でもアール・キング本人の“覇気”の無さは見ていて痛々しくもあり、かなり心配になりました。
私がアール・キングを本格的に好きになったのは、彼のライヴを初めて観た91年のニューオーリンズ・カーニヴァルでした。格好良かったですよ! ヨレヨレなんですけど、それが絶妙のタメとキレを生むんです。痺れましたね。で、この時アール・キングのバックを務めたのは確かジョン・ムーニーのバンドだったと思いますが、彼らの後に登場したのが、ジョージ・ポーター・ジュニア率いるバンドだったのです。確か“ニューオーリンズ・ファンク・オールスターズ”と名乗っていたでしょうか?ミーターズが大好きだった私のお目当ては実はこのバンドだったのです。初めて生で見るジョージに感動しました。確か大好きな「Hey Pockey A-Way」も演ったと思います。
このカーニヴァルのトリはジョージ達がバックを務めたエディ・ボでした。そしてあの時は知らなかったのですが、ジョン・ムーニーかジョージのどちらかのバンドメンバーには、ラッセル・バティステやデヴィッド・トウカノフスキー達が含まれていたらしいんです。ホント夢のようなフェスでしたね。もう一度観たいです! チョコクリさん、お願いしますよ!
さて、話が脱線しすぎましたね…。
ではビルボードライヴ東京に戻ります。もちろんこの日のライヴも負けてませんよ! なんてったってジョージの他にシリル・ネヴィルにヘンリー・バトラーが居るんですから。で、キンドラー・カルトも凄いし。この面子が和気藹々とジャム・セッションを繰り広げている訳ですから堪りませんよ!
そして今回のライヴで私が楽しみにしていたことの一つは、実はジョージ・ポーター・ジュニアの歌が聴けるのではないか?ということでもありました。なぜなら最新ソロ作「IT'S LIFE」で、彼は枯れた味わいの中にも温もりのある、素晴らしい歌を披露してくれているからなのです。そして私の希望通り、「IT'S LIFE」からスロー・ナンバー「Out In The Country」を披露してくれました。
この曲は元々ミーターズの「FIRE ON THE BAYOU」に収録されていた曲で、そこではミーターズらしい“もっちゃりファンク”なのですが、これをジョージはサザン・バラード風に仕立て上げ、ソウルフルな喉で歌い上げています。この日のライヴでは、ミーターズ・ヴァージョンでリード・ヴォーカルをとっているシリル・ネヴィルが居るにもかかわらず、敢えてジョージのソロ・ヴァージョンで披露し、彼の味わい深い歌声を堪能させてくれました。
ジョージはMCでも自分の大きなお腹を見せて笑いを取ったり、お茶目な一面も見せてくれました。
正直、ニューオーリンズど真ん中!なセットではありませんでしたが、それでもやっぱりニューオーリンズって素晴らしい、と思わせるライヴでした。最後に「Big Chief」も演りましたしね。あ、そう言えば「Big Chief」の作者もアール・キングですね。
~関連過去ブログ~ お時間有ったらぜひ!
08.03.16 ジョージ・ポーター・ジュニア(「IT'S LIFE」)
前回のヘンリー・バトラーに続いてのサイン自慢はジョージ・ポーター・ジュニアです。
8月12日、ビルボードライヴ東京でのニューオーリンズ・オールスターズ公演。ライヴ終了後にサイン会がありました。店内のカウンターでCDを購入すると、メンバーからサインが貰えると言うのですが、シリル・ネヴィルとヘンリー・バトラーのCDは置いてあっても、ジョージ・ポーター・ジュニアのCDは売られてなかったんです。私はちゃっかりジョージを含めた3人のCDを持参してきていたのですが、ひょっとしてジョージのサインは貰えないかも…。と半ば諦めていました。
ところがサイン会に一番に姿を現したのはジョージでした。実は私が最もサインを欲しかったのはジョージだったので嬉しかったですね。私の順番になって持参したジョージの最新ソロ作「IT'S LIFE」(写真)を彼に手渡すと、『ワオ!』と喜んでくれましたね。あまり売れなかったのかな…。で写真が貰ったサインです。
さて、この日のライヴ、ジョージ・ポータージュニアは職人的なプレイでファンを魅了してくれました。1曲目のインスト曲、ベースの音が鳴った瞬間に『オー!』って感じに引き込まれました。この曲ではドラムスとのコンビでジョージのソロ・コーナーも合ったのですが、これも格好良かった! ドラムスは当初アナウンスのあったレイモンド・ウェバーが来れず、代役のキンドラー・カルトという人でした。まだ若手のようですが、力強くもキレのあるリズムを叩き出し、既にレジェンドと呼ばれる3人を相手に大健闘でした。ジョージとのコンビネーションもばっちり!
前半に畳み掛けたインスト曲もそうですが、終盤の「Will It Go Round in Circles」ではドラムソロからそこにジョージのベースが絡み、長尺のインタープレイに突入したり、ある意味ジャム・バンド的な魅力が味わえて楽しかったです。相手のリズムに反応して次から次へとフレーズを展開していくジョージのスリリングなプレイは流石でした。元々ジョージはインスト・ファンクの元祖とも言えるミーターズ出身ですし、それはある意味ジャム・バンドの元祖とも言えるんですよね。
でもジョージの本当の魅力を伝えたのはやっぱり「Come On」や「Will It Go Round in Circles」などファンキーな歌物での暖かくもグルーヴィーなバッキングですよ! もっちゃりと揺れながらも歌心溢れるベースライン。ニューオーリンズ・ファンクの底辺を支えてきたそのグルーヴは、かの地そのものの芳醇さを湛えていました。
で、ちょっと話が脱線しますが、この「Come On」は個人的にちょっと感慨深かったです。これはジミヘンがカヴァーして有名になった曲ですが、オリジナルはニューオーリンズの個性派ブルースマン、アール・キングです。
アール・キングは残念ながら03年に亡くなられましたが、その少し前、01年末にパークタワー・ブルース・フェスティヴァルのため来日しています。私も観に行きましたが、その時バックを付けていたのがジョージ・ポーター・ジュニアでした。おそらく「Come On」も演ったと思いますが、既にアール・キングは全盛期のような演奏を出来る状態ではなく、それを暖かくサポートするジョージの姿が印象的でしたね。その時のアール・キングについては色々な意見が有ったようですが、私はアール・キングが大好きなこともあり、名曲の数々を生で聴き、充分にアール・キングの“味”も堪能し、何より名盤「STREET PARADE」を連想させるジョージと一緒でのステージが見れたことが嬉しかったですね。でもアール・キング本人の“覇気”の無さは見ていて痛々しくもあり、かなり心配になりました。
私がアール・キングを本格的に好きになったのは、彼のライヴを初めて観た91年のニューオーリンズ・カーニヴァルでした。格好良かったですよ! ヨレヨレなんですけど、それが絶妙のタメとキレを生むんです。痺れましたね。で、この時アール・キングのバックを務めたのは確かジョン・ムーニーのバンドだったと思いますが、彼らの後に登場したのが、ジョージ・ポーター・ジュニア率いるバンドだったのです。確か“ニューオーリンズ・ファンク・オールスターズ”と名乗っていたでしょうか?ミーターズが大好きだった私のお目当ては実はこのバンドだったのです。初めて生で見るジョージに感動しました。確か大好きな「Hey Pockey A-Way」も演ったと思います。
このカーニヴァルのトリはジョージ達がバックを務めたエディ・ボでした。そしてあの時は知らなかったのですが、ジョン・ムーニーかジョージのどちらかのバンドメンバーには、ラッセル・バティステやデヴィッド・トウカノフスキー達が含まれていたらしいんです。ホント夢のようなフェスでしたね。もう一度観たいです! チョコクリさん、お願いしますよ!
さて、話が脱線しすぎましたね…。
ではビルボードライヴ東京に戻ります。もちろんこの日のライヴも負けてませんよ! なんてったってジョージの他にシリル・ネヴィルにヘンリー・バトラーが居るんですから。で、キンドラー・カルトも凄いし。この面子が和気藹々とジャム・セッションを繰り広げている訳ですから堪りませんよ!
そして今回のライヴで私が楽しみにしていたことの一つは、実はジョージ・ポーター・ジュニアの歌が聴けるのではないか?ということでもありました。なぜなら最新ソロ作「IT'S LIFE」で、彼は枯れた味わいの中にも温もりのある、素晴らしい歌を披露してくれているからなのです。そして私の希望通り、「IT'S LIFE」からスロー・ナンバー「Out In The Country」を披露してくれました。
この曲は元々ミーターズの「FIRE ON THE BAYOU」に収録されていた曲で、そこではミーターズらしい“もっちゃりファンク”なのですが、これをジョージはサザン・バラード風に仕立て上げ、ソウルフルな喉で歌い上げています。この日のライヴでは、ミーターズ・ヴァージョンでリード・ヴォーカルをとっているシリル・ネヴィルが居るにもかかわらず、敢えてジョージのソロ・ヴァージョンで披露し、彼の味わい深い歌声を堪能させてくれました。
ジョージはMCでも自分の大きなお腹を見せて笑いを取ったり、お茶目な一面も見せてくれました。
正直、ニューオーリンズど真ん中!なセットではありませんでしたが、それでもやっぱりニューオーリンズって素晴らしい、と思わせるライヴでした。最後に「Big Chief」も演りましたしね。あ、そう言えば「Big Chief」の作者もアール・キングですね。
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08.03.16 ジョージ・ポーター・ジュニア(「IT'S LIFE」)