ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
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シリル・ネヴィル

2008-08-19 12:10:52 | ソウル、ファンク
CYRIL NEVILLE / NEW ORLEANS COOKIN'

サイン自慢のラストは真打シリル・ネヴィルです!

8月12日ビルボードライヴ東京、ニューオーリンズ・オールスターズ公演2ndショー。その中心は何と言ってもシリル・ネヴィル。

シリル・ネヴィルと言えば“ネヴィル・ブラザーズの熱血漢”なイメージを私は勝手に持っているのですが、この日のシリルはちょっと大人しかったですね。ステージ中央前に彼のパーカッション・セットが用意され、彼自身、羽の付いた帽子をかぶって登場するなど、この夜の主役であることは間違いないようですが、ショーで最も気を吐いたのはヘンリー・バトラー(p)でしたし、ジャム・セッションになるとジョージ・ポーター・ジュニア(b)とキンドラー・カルト(ds)が絶妙のコンビネーションを見せましたが、そこにシリルがパーカッションで熱く絡む、みたいな展開にはなりませんでした。シリルは終始淡々とパーカッションを叩いていた印象です。もっと前へグイグイ出てきて客席を煽りに煽るシリルの姿を想像していただけに、ちょっと意外でした。今回は自分以外にも主役が居るので、一歩引いたスタンスで望んだのかもしれませんね。

それでもシリルがリード・ヴォーカルをとった「Come On」は流石でしたね。それまでインストが続いただけに、馴染み深いニューオーリンズ・クラシックの登場と、シリルの歌声に客席も沸きました。ちなみにシリルの目の前、最前列は女性陣がずらっと陣取ってました。シリルって意外と女性に人気があるんですね。

シリルは衰え知らずなハリのある声で、ソウルフルな歌声を聴かせてくれました。独特の粘り気が特有のノリを生み出すシリル節は健在。そして彼が歌いだした瞬間に会場の空気が変わったように感じるほど、その声はニューオーリンズの魂を感じさせるものでした。ショー序盤は、元気が無いように感じたシリルですが、この曲を聴いて安心しました。

そしてシリルらしいパーカッシヴなノリが堪能できたのはアンコールの「Big Chief」。もちろんリード・ヴォーカルはシリル。客席も待ってましたとばかりに総立ちで盛り上がりました。それに応えるかのようにシリルも歌とパーカッションに溌剌としたパフォーマンスを見せてくれました。やっぱりシリルは熱かった。欲を言えば「Hey Pockey A-Way」も聴きたかったんですけど…。

そしてライヴ終了後のサイン会。ジョージ・ポーター・ジュニアとヘンリー・バトラーとシリル・ネヴィルが登場。写真はシリルにサインを貰った00年リリースのソロ作「NEW ORLEANS COOKIN'」。サインがジャケットと一体化してる感じですが、右上の黒字がそうです。でもやっぱりサイン会でもシリルは大人しいイメージ。なんか歌っている時だけ水を得た魚のように元気一杯なシリルでした。

ちなみにこのアルバムはタイトル通り、ニューオーリンズ・クラシックを中心に収めたガンボな作品。ゲストも豪華で、マーヴァ・ライト、エディ・ボ、ウィリー・グリーン、ジェイムス・アンドリュース、ロジャー・ルイス、チャールズ・ネヴィル、などなど。中でもティピティナーズ・フレンチクォーターにて開かれたシリルの50歳の誕生日パーティーでライヴ録音されたという、アラン・トゥーサン参加の「Fortune Teller」が秀逸。メロウ&ソウルフルなアレンジが素晴らしいです。

さて、10月はネヴィル・ブラザーズですね。ほんとに久しぶりの来日です。12年振りだそうです。ニューオーリンズの至宝です! シリルはもちろん、アーロンのゴールデン・ヴォイス、チャールズのサックス、アートのオルガン、想像するだけでワクワクしてきますね。それとバック・メンバーって今どんな感じなんですかね?気になります…。



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 08.08.18 ジョージ・ポーター・ジュニア(サイン自慢2)
 08.08.17 ヘンリー・バトラー(サイン自慢1)