BOB DYLAN / TOGETHER THROUGH LIFE
前回取り上げたニール・ヤングに続いてボブ・ディランです。ボブ・ディランは『Best Solo Rock Vocal Performance』部門の他に『Best Americana Album』部門にもノミネートされています。この部門、数年前まで無かったと思うんです。元々『Best Contemporary Folk Album』部門だったのが、06年度あたりから『Best Contemporary Folk/Americana Album』部門になり、今回めでたく“アメリカーナ”が独立した感じでしょうか? この手の部門が増えることは嬉しいのですが、“アメリカーナ”というジャンル自体がつかみ所の無い感じで、実は私も良く分かっていなかったりします。ですがノミネート作に眼を通しますと、アメリカーナの指す音楽がなんとなく見えてきます。
Bob Dylan / Together Through Life
Levon Helm / Electric Dirt
Willie Nelson & Asleep At The Wheel / Willie And The Wheel
Wilco / Wilco (The Album)
Lucinda Williams / Little Honey
個人的には今回のグラミーの中での最大激戦区です! 当ブログの年間ベスト・アルバム上位陣がひしめいています。ちなみにボブ・ディランの「TOGETHER THROUGH LIFE」が09年の6位、レヴォン・ヘルムの「ELECTRIC DIRT」が09年の4位、ウィリー・ネルソン&アスリープ・アット・ザ・ウィールの「WILLIE AND THE WHEEL」が09年の2位、ルシンダ・ウィリアムスの「LITTLE HONEY」が08年の4位でした。もちろんウィルコも大好きですし。で、この並び方から見えるアメリカーナとは、現代的とか、ロック的とか、そういう視点でアメリカン・ルーツを掘り下げた音楽、って感じですかね? ま、その定義はともかくとして、アメリカーナは私の大好物なのであります。
個人的にはレヴォン・ヘルムに受賞して欲しいんですけど、今日は敢えてボブ・ディランです。なんてったってもうすぐ来日しますからね。さて、オーティス・ラッシュの「All Your Love」を思わせるラテン・ブルース「Beyond Here Lies Nothin'」で幕を開けるこの「TOGETHER THROUGH LIFE」。その「Beyond Here Lies Nothin'」や「My Wife's Home Town」、「Jolene」、「Shake Shake Mama」といったブルージーなナンバーでの妖気めいた雰囲気が格好良いですね。ガレージっぽいギターに絡むアコーディオン。そして濁声を吐き捨てていくかのようなディランの歌声はそんじょそこらのブルースよりはるかにブルース臭を匂わせています。そして「Life Is Hard」や「This Dream Of You」のうようなスロー・ナンバーがまた良いですね。前者には男の哀愁、後者にはロマンティックな慈愛のような味わい、いや上手く言葉では表せませんが、今のディランにしか成し得ない境地です。
バック・メンバーはギターとマンドリンでトム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズのマイク・キャンベル、ベースには元アスリープ・アト・ザ・ウィールのトニー・ガーニエ、アコーディオンとギターでロス・ロボスのデヴィッド・ヒダルゴ、ドラムスにジョージ・リセリ、さらにスティール・ギターからトランペットまでこなすBR549のドン・ヘロン。今回、ディランはハープを吹いていないようですが、彼の弾くオルガンがなかなか良いんですよね。そしてやはりデヴィッド・ヒダルゴの参加が大きいですね。彼のもたらしたラテン色がこのアルバムの肝ですよね。
もちろんディランは過去にいくつものグラミーを受賞しています。前作でも受賞しました。実は今回ノミネートされた2部門って、前作「MODERN TIMES」で受賞した2部門と同じなんですよね。もちろんまだ『Best Americana Album』部門ではなくて『Best Contemporary Folk/Americana Album』部門でしたけどね。さらにその前の「LOVE AND THEFT」と「TIME OUT OF MIND」も『Best Contemporary Folk Album』部門を受賞しているんです。まさに新作をだせばこの部門を受賞する感じがする近年のボブ・ディランなのです。今年も強そうですね~。
前回取り上げたニール・ヤングに続いてボブ・ディランです。ボブ・ディランは『Best Solo Rock Vocal Performance』部門の他に『Best Americana Album』部門にもノミネートされています。この部門、数年前まで無かったと思うんです。元々『Best Contemporary Folk Album』部門だったのが、06年度あたりから『Best Contemporary Folk/Americana Album』部門になり、今回めでたく“アメリカーナ”が独立した感じでしょうか? この手の部門が増えることは嬉しいのですが、“アメリカーナ”というジャンル自体がつかみ所の無い感じで、実は私も良く分かっていなかったりします。ですがノミネート作に眼を通しますと、アメリカーナの指す音楽がなんとなく見えてきます。
Bob Dylan / Together Through Life
Levon Helm / Electric Dirt
Willie Nelson & Asleep At The Wheel / Willie And The Wheel
Wilco / Wilco (The Album)
Lucinda Williams / Little Honey
個人的には今回のグラミーの中での最大激戦区です! 当ブログの年間ベスト・アルバム上位陣がひしめいています。ちなみにボブ・ディランの「TOGETHER THROUGH LIFE」が09年の6位、レヴォン・ヘルムの「ELECTRIC DIRT」が09年の4位、ウィリー・ネルソン&アスリープ・アット・ザ・ウィールの「WILLIE AND THE WHEEL」が09年の2位、ルシンダ・ウィリアムスの「LITTLE HONEY」が08年の4位でした。もちろんウィルコも大好きですし。で、この並び方から見えるアメリカーナとは、現代的とか、ロック的とか、そういう視点でアメリカン・ルーツを掘り下げた音楽、って感じですかね? ま、その定義はともかくとして、アメリカーナは私の大好物なのであります。
個人的にはレヴォン・ヘルムに受賞して欲しいんですけど、今日は敢えてボブ・ディランです。なんてったってもうすぐ来日しますからね。さて、オーティス・ラッシュの「All Your Love」を思わせるラテン・ブルース「Beyond Here Lies Nothin'」で幕を開けるこの「TOGETHER THROUGH LIFE」。その「Beyond Here Lies Nothin'」や「My Wife's Home Town」、「Jolene」、「Shake Shake Mama」といったブルージーなナンバーでの妖気めいた雰囲気が格好良いですね。ガレージっぽいギターに絡むアコーディオン。そして濁声を吐き捨てていくかのようなディランの歌声はそんじょそこらのブルースよりはるかにブルース臭を匂わせています。そして「Life Is Hard」や「This Dream Of You」のうようなスロー・ナンバーがまた良いですね。前者には男の哀愁、後者にはロマンティックな慈愛のような味わい、いや上手く言葉では表せませんが、今のディランにしか成し得ない境地です。
バック・メンバーはギターとマンドリンでトム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズのマイク・キャンベル、ベースには元アスリープ・アト・ザ・ウィールのトニー・ガーニエ、アコーディオンとギターでロス・ロボスのデヴィッド・ヒダルゴ、ドラムスにジョージ・リセリ、さらにスティール・ギターからトランペットまでこなすBR549のドン・ヘロン。今回、ディランはハープを吹いていないようですが、彼の弾くオルガンがなかなか良いんですよね。そしてやはりデヴィッド・ヒダルゴの参加が大きいですね。彼のもたらしたラテン色がこのアルバムの肝ですよね。
もちろんディランは過去にいくつものグラミーを受賞しています。前作でも受賞しました。実は今回ノミネートされた2部門って、前作「MODERN TIMES」で受賞した2部門と同じなんですよね。もちろんまだ『Best Americana Album』部門ではなくて『Best Contemporary Folk/Americana Album』部門でしたけどね。さらにその前の「LOVE AND THEFT」と「TIME OUT OF MIND」も『Best Contemporary Folk Album』部門を受賞しているんです。まさに新作をだせばこの部門を受賞する感じがする近年のボブ・ディランなのです。今年も強そうですね~。