Punch Brothers / The Phosphorescent Blues
グラミー賞ノミネート特集、第2回。前回のブルースに続いて今回はアメリカーナです。アメリカーナと言いましてもその定義はなかなか曖昧で、かくいう私も実はよく知りません…。イメージ的には、フォークやカントリーを中心に、現代的な視点で描かれたアメリカン・ルーツミュージック。と言ったところでしょうか?という訳で、『BEST AMERICANA ALBUM』のノミネート作は以下の5作品。
Brandi Carlile / The Firewatcher's Daughter
Emmylou Harris & Rodney Crowell / The Traveling Kind
Jason Isbell / Something More Than Free
The Mavericks / Mono
Punch Brothers / The Phosphorescent Blues
今回注目するのは、ブルーグラスの新世代と賞され続けて早幾年、ルーツ・シーン最重要人物の一人、天才マンドリン奏者クリス・シーリー率いるパンチ・ブラザーズの「The Phosphorescent Blues」。ここ数年、ヨー・ヨー・マ達との「The Goat Rodeo Sessions」や、エドガー・マイヤーとのデュオ作「Bass & Mandolin」、バッハを取りあげたソロ作「Bach: Sonatas and Partitas, Vol. 1」、さらにはニッケルクリークの再始動作「A Dotted Line」と、天才、異才、鬼才振りを遺憾なく発揮し続けて来たクリス・シーリーですが、いよいよその本丸パンチブラザーズの最新作です。フルアルバムとしては4枚目。これがブルーグラス部門ではなくアメリカーナ部門にノミネートされる辺りに、パンチブラザーズの立ち位置が伺い知れますね。マンドリン、バンジョー、ギター、ベースという編成はやはりブルーグラスな訳ですが、まるで室内楽のように美しく、プログレのようにスリリングで、それでいてとてもロマンチックだったりもする。いきなり10分越えの「Familiarity」に始まり、軽やかに絡み合う弦の音色が美しい「Passepied (Debussy)」、ポップソングとしても魅力的な「I Blew It Off」、ロックなグルーヴが炸裂する「Magnet」、ブルーグラス・バンドの面目躍如な「Boll Weevil」などなど。各人の超絶技巧とそれを纏めるアレンジが素晴らしいのはもちろん、歌心に溢れる楽曲と巧みなコーラス・ワークにも惹かれます。プロデューサーはT・ボーン・バーネット。ドラムスでジェイ・ベルローズも参加しています。
対抗はエミルー・ハリスとロドニー・クロウェルのデュオ作となりそうですが、そちらについてはまた後日。また元ドライヴ・バイ・トラッカーズのギタリスト、ジェイソン・イズベルによる5枚目のソロ作「Something More Than Free」も気になります。この人の飾らない篤実な南部フィーリングは素晴らしいですね。そしてエモな歌声とオルタナティヴな感性が魅力のシアトル出身の女性シンガー・ソング・ライター、ブランディ・カーライルの5作目「The Firewatcher's Daughter」。さらにアメリカーナと呼ぶにはあまりにもラテン色が強いながら大変興味深い存在ではあるマーヴェリクスの最新作「Mono」がノミネートされています。
アメリカーナと一口に言っても、なかなかヴァラエティに富んでますね。
グラミー賞ノミネート特集、第2回。前回のブルースに続いて今回はアメリカーナです。アメリカーナと言いましてもその定義はなかなか曖昧で、かくいう私も実はよく知りません…。イメージ的には、フォークやカントリーを中心に、現代的な視点で描かれたアメリカン・ルーツミュージック。と言ったところでしょうか?という訳で、『BEST AMERICANA ALBUM』のノミネート作は以下の5作品。
Brandi Carlile / The Firewatcher's Daughter
Emmylou Harris & Rodney Crowell / The Traveling Kind
Jason Isbell / Something More Than Free
The Mavericks / Mono
Punch Brothers / The Phosphorescent Blues
今回注目するのは、ブルーグラスの新世代と賞され続けて早幾年、ルーツ・シーン最重要人物の一人、天才マンドリン奏者クリス・シーリー率いるパンチ・ブラザーズの「The Phosphorescent Blues」。ここ数年、ヨー・ヨー・マ達との「The Goat Rodeo Sessions」や、エドガー・マイヤーとのデュオ作「Bass & Mandolin」、バッハを取りあげたソロ作「Bach: Sonatas and Partitas, Vol. 1」、さらにはニッケルクリークの再始動作「A Dotted Line」と、天才、異才、鬼才振りを遺憾なく発揮し続けて来たクリス・シーリーですが、いよいよその本丸パンチブラザーズの最新作です。フルアルバムとしては4枚目。これがブルーグラス部門ではなくアメリカーナ部門にノミネートされる辺りに、パンチブラザーズの立ち位置が伺い知れますね。マンドリン、バンジョー、ギター、ベースという編成はやはりブルーグラスな訳ですが、まるで室内楽のように美しく、プログレのようにスリリングで、それでいてとてもロマンチックだったりもする。いきなり10分越えの「Familiarity」に始まり、軽やかに絡み合う弦の音色が美しい「Passepied (Debussy)」、ポップソングとしても魅力的な「I Blew It Off」、ロックなグルーヴが炸裂する「Magnet」、ブルーグラス・バンドの面目躍如な「Boll Weevil」などなど。各人の超絶技巧とそれを纏めるアレンジが素晴らしいのはもちろん、歌心に溢れる楽曲と巧みなコーラス・ワークにも惹かれます。プロデューサーはT・ボーン・バーネット。ドラムスでジェイ・ベルローズも参加しています。
対抗はエミルー・ハリスとロドニー・クロウェルのデュオ作となりそうですが、そちらについてはまた後日。また元ドライヴ・バイ・トラッカーズのギタリスト、ジェイソン・イズベルによる5枚目のソロ作「Something More Than Free」も気になります。この人の飾らない篤実な南部フィーリングは素晴らしいですね。そしてエモな歌声とオルタナティヴな感性が魅力のシアトル出身の女性シンガー・ソング・ライター、ブランディ・カーライルの5作目「The Firewatcher's Daughter」。さらにアメリカーナと呼ぶにはあまりにもラテン色が強いながら大変興味深い存在ではあるマーヴェリクスの最新作「Mono」がノミネートされています。
アメリカーナと一口に言っても、なかなかヴァラエティに富んでますね。