Rhiannon Giddens / Tomorrow Is My Turn
グラミー賞ノミネート特集、第3回は、『BEST FOLK ALBUM』部門です。ノミネートは以下の5作品。
Norman Blake / Wood, Wire & Words
Béla Fleck & Abigail Washburn / Béla Fleck And Abigail Washburn
Rhiannon Giddens / Tomorrow Is My Turn
Patty Griffin / Servant Of Love
Glen Hansard / Didn't He Ramble
最注目は、現代に蘇るオールドタイムな黒人ストリングス・バンド、キャロライナ・チョコレート・ドロップスの紅一点リアノン・ギデンスです!! ここ1~2年の間に、ジョニー・キャッスのトリビュート作「Look Again To The Wind: Johnny Cash's Bitter Tears Revisited」、ボブ・ディラン「地下室」の新発見「The New Basement Tapes, Lost On The River」という2枚の話題作に参加し、USインディー・フォークの旗手アイアン&ワインとディランのカヴァー「Forever Young」をリリースしたり、映画「Inside Llewyn Davis」を記念したコンサート「 Another Day, Another Time」に出演したりと、にわかに一人の女性シンガー、リアノン・ギデンスとしての存在感を発揮しつつある彼女。しかも上記に挙げたプロジェクトの全てがT・ボーン・バーネットもしくはジョー・ヘンリー絡みという、巨匠からの愛され方もその才能の豊かさを物語っていますよね。
そんな彼女のソロ作としては初のフルアルバムとなる「Tomorrow Is My Turn」。こちらもT・ボーン・バーネットのプロデュース。ジェイ・ベルローズ&デニス・クロウチをリズム隊に配した彼のプロダクションは流石に見事。特にリズムをシェイクさせるジャック・アシュフォードのタンバリンが良いですね。ニーナ・シモンでも知られるトラディショナル「Black Is The Color」でのヒップホップとニューオーリンズを混ぜたような解釈も面白い。とは言えここでの主役はもちろんリアノン・ギデンスなのです。彼女のシンガーとしての魅力にフォーカスした作品といっても過言ではない、それ程に彼女の歌声が瑞々しく響きます。ドリー・パートン「Don't Let It Trouble Your Mind」、オデッタ「Waterboy」、シスター・ロゼッタ・サープ「Up Above My Head」、パッツィ・クライン「She's Got You」、エリザベス・コットン「Shake Sugaree」などなど、とにかく彼女の凛とした歌声に惹かれます。
さて、キャロライナ・チョコレート・ドロップスとしては、既に2010年にグラミーを受賞している彼女ですが、果たしてソロでの受賞なるか? そして3月には来日も決まっているのでそちらも楽しみです!
対抗として挙げたいのはパティ・グリフィン。近年はロバート・プラントのバンド・オブ・ジョイへの参加でも知られる彼女。そのプラントもゲスト参加した前作「American Kid」は多少ロック寄りでしたが、今作はフォーキーです。いや、フォーキーと言うより、これはアメリカーナですよね。寂寞とした悠久のアメリカーナ。素晴らしいの一言!
個人的にこの部門は両女性シンガーの一騎打ちの様相なのですが、冷静に考えれば、受賞に最も近いのはベラ・フレック&アビゲイル・ウォッシュバーンかもしれません。何せ過去にいくつものグラミーを受賞しているベラ・フレックですからね~。そして70歳代後半になるギターの名手ノーマン・ブレイクがオリジナル曲で構成した新作「Wood, Wire & Words」、さらに映画『once ダブリンの街角で』主演で知られるグレン・ハンサードのソロ作「Didn't He Ramble」と、興味深い作品が並んでいます。
グラミー賞ノミネート特集、第3回は、『BEST FOLK ALBUM』部門です。ノミネートは以下の5作品。
Norman Blake / Wood, Wire & Words
Béla Fleck & Abigail Washburn / Béla Fleck And Abigail Washburn
Rhiannon Giddens / Tomorrow Is My Turn
Patty Griffin / Servant Of Love
Glen Hansard / Didn't He Ramble
最注目は、現代に蘇るオールドタイムな黒人ストリングス・バンド、キャロライナ・チョコレート・ドロップスの紅一点リアノン・ギデンスです!! ここ1~2年の間に、ジョニー・キャッスのトリビュート作「Look Again To The Wind: Johnny Cash's Bitter Tears Revisited」、ボブ・ディラン「地下室」の新発見「The New Basement Tapes, Lost On The River」という2枚の話題作に参加し、USインディー・フォークの旗手アイアン&ワインとディランのカヴァー「Forever Young」をリリースしたり、映画「Inside Llewyn Davis」を記念したコンサート「 Another Day, Another Time」に出演したりと、にわかに一人の女性シンガー、リアノン・ギデンスとしての存在感を発揮しつつある彼女。しかも上記に挙げたプロジェクトの全てがT・ボーン・バーネットもしくはジョー・ヘンリー絡みという、巨匠からの愛され方もその才能の豊かさを物語っていますよね。
そんな彼女のソロ作としては初のフルアルバムとなる「Tomorrow Is My Turn」。こちらもT・ボーン・バーネットのプロデュース。ジェイ・ベルローズ&デニス・クロウチをリズム隊に配した彼のプロダクションは流石に見事。特にリズムをシェイクさせるジャック・アシュフォードのタンバリンが良いですね。ニーナ・シモンでも知られるトラディショナル「Black Is The Color」でのヒップホップとニューオーリンズを混ぜたような解釈も面白い。とは言えここでの主役はもちろんリアノン・ギデンスなのです。彼女のシンガーとしての魅力にフォーカスした作品といっても過言ではない、それ程に彼女の歌声が瑞々しく響きます。ドリー・パートン「Don't Let It Trouble Your Mind」、オデッタ「Waterboy」、シスター・ロゼッタ・サープ「Up Above My Head」、パッツィ・クライン「She's Got You」、エリザベス・コットン「Shake Sugaree」などなど、とにかく彼女の凛とした歌声に惹かれます。
さて、キャロライナ・チョコレート・ドロップスとしては、既に2010年にグラミーを受賞している彼女ですが、果たしてソロでの受賞なるか? そして3月には来日も決まっているのでそちらも楽しみです!
対抗として挙げたいのはパティ・グリフィン。近年はロバート・プラントのバンド・オブ・ジョイへの参加でも知られる彼女。そのプラントもゲスト参加した前作「American Kid」は多少ロック寄りでしたが、今作はフォーキーです。いや、フォーキーと言うより、これはアメリカーナですよね。寂寞とした悠久のアメリカーナ。素晴らしいの一言!
個人的にこの部門は両女性シンガーの一騎打ちの様相なのですが、冷静に考えれば、受賞に最も近いのはベラ・フレック&アビゲイル・ウォッシュバーンかもしれません。何せ過去にいくつものグラミーを受賞しているベラ・フレックですからね~。そして70歳代後半になるギターの名手ノーマン・ブレイクがオリジナル曲で構成した新作「Wood, Wire & Words」、さらに映画『once ダブリンの街角で』主演で知られるグレン・ハンサードのソロ作「Didn't He Ramble」と、興味深い作品が並んでいます。