徒然地獄編集日記OVER DRIVE

起こることはすべて起こる。/ただし、かならずしも発生順に起こるとは限らない。(ダグラス・アダムス『ほとんど無害』)

踊らせないフロント

2011-01-27 22:59:58 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス11~14
先日のゴトビ監督来静の経緯が漏れてきた。
チームとフロントは分けて考えるべきだと思うけど、エンタテイメント企業としては判断が間違っていないか?
プロスポーツがエンタメである以上、ニュースになることもエンタメなんだし、どんなことだってまずニュースにならなきゃ駄目なのよ。良くも悪くも。

作家の山本夏彦氏はかつてこんな名言を残した。
「広告しないものは存在しない」
(たった一人のキャンペーン 毎日新聞)
<聖書ヨハネ伝の“はじめに言ありき”から、カントの“人が見るときそれが存在する”という一連の存在哲学をパロディ化した皮肉な表現>

ニュースというのは、ぶっちゃけて言えば広告である。金がないのならばニュースにすればいいのである(するしかない)。 
「迷惑がかかる」という論理でこういう行動を牽制しようとする人もいるけれども(フロント=このケースの興津氏の判断もおそらくそうだろう)、日常の中に起こるハプニング(イベント)だからこそ、外の人間にも伝わり印象にも残る。そして「ニュース」にもなる。迷惑というあまりにも主観的な日常の論理で行動が牽制されるならば、何も起こらない。
つまり、それは日常に埋没して<存在しない>ということになる。アジアカップ敗退後、驚くべきスピードで来日したゴトビ監督を熱心なサポーターたちが拍手を持って出迎えるというイベントが、だ。
もちろんゴトビの疲労を考えたという言い訳も考えられるが。

オシムがなぜ評価されたか? それはリスクを負ってでも攻撃的な姿勢を失わないサッカーを標榜したからに他ならない。別にこれはオシムサッカーに限ったことではない。
今の日本に閉塞感を感じるならば、それは誰もがリスクを負わない道を選択しているからだろう。ベタではあるが新卒就活者の多くが大企業や公務員を希望しているのは露骨にそれを象徴している。まあ、現実問題として自分の日常を死守するために安定を選択するのは、こんなご時勢では仕方がないことではある。しかし迷惑とマナーという、よくわからないものが日本に蔓延して、行動ががんじがらめにされているのは事実だ。早い話が自縄自縛。
しかし中小のエンタメ企業が他人の顔色を伺って、この程度のリスクを排除しながら判断していて、サポーター・ファン層が拡がっていくだろうか。リスクをコントロールするのがプロじゃないか。
やるときゃやらなきゃ駄目なのよ。目立ち、人目を引き、知らない人間を巻き込んでいくこともまたエンタメなのだから。

少なくとももっとシーチケを売りたいなら、ゴトビ監督の来静という「イベント」をもっと有効的に利用するべきだった。
現場に駆けつけたサポは自ら「広告塔」になって踊る気満々だったと思うよ。だから彼らが気の毒なんだ。
リスクを負ってシーチケを売れ、と思う。
フロントは猪木の風車の理論を学ぶべきだ。まじで。

サカマガ特集読了その直後、新たなネタ投下に憤る~その後(追記)

2011-01-27 05:18:25 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス11~14
サカマガの特集<ビジョンは何か? 強化最高責任者18人を独占直撃!>をひと通り読み終わったところへ、「ら」スレの報知君から、それをすっ飛ばすような物凄いニュースが入ってきた。複数のメディアで伝えられているそうなので間違いはないのだろう。
当の特集で強化責任者としてインタビューに答えている清水エスパルスの望月達也強化部長が退任するという。後任には以前大分の強化部長を務めていた原靖さんの名前が挙がっている。

サカマガにしては好企画でボリュームがある特集なのだけれども、おそらくインタビュー自体は年明けだろう。しかしこれほどの重要ポストの交代に関して、そして後任の名前が挙がっている点から言ってもここ1週間、2週間のうちに決まったとは思えない。望月さん、もしくはフロントはいつ決断(決定)したのだろう。理由として考えられるのは今回のオフでの騒動、兵働、本田拓の予想外の離脱に関して、強化責任者として引責退任ということになるだろうが、一昨日、チームに監督も合流して、ムードも前向きになってきたタイミングでこれはない。
ここからは憶測と想像。
望月さんとしては(噂になっているAリーグのプレーヤーの移籍問題は別として)チームも無事始動し、<ひと仕事終わった>ということでの決断、そして発表だったのかもしれないが、個人責任とチームの強化継続は別の話で、これでは自身が語られていた「チームの芯」という言葉が無意味に聞こえる。というか、サカマガの特集のインタビュー自体が空虚に読めるんだよ(もちろん、「事実」としては実に価値のある内容だが)。
Twitterにも書いたが、とにかくこれが望月さんの判断であるなら、それは責任の取り方としてナイーブすぎる(むしろそのナイーブさが今回のトラブルを招いたのかもしれないが)。また、もしこれがフロント判断での<解任>であるならば、いくら<新しいサイクルの始まり>であっても、このタイミングで下すには少々疑問に感じる。タイミングとしてね。そしてなぜ後任に原靖さんなのか?(もちろんこれは原さんの能力を疑うという意味ではなく)
だったら新体制発表記者会見の前に発表しろよ、と。
記者も知ってんだったら質問しろよ、と。
まあ決断してしまったことは仕方がないことだし、前向きに受け入れたいとも思うのだが、フロントはしっかりと納得がいく公式発表をして頂きたいものである。

とにかく、これだけははっきりと言っておきたい。
せっかく状況が落ち着いて、サポは前向きになってるってのに、
「ら」スレの他サポにネタ投下すんじゃねーよ!

失礼しました…。

シモーネさん、望月強化部長インタビューを是非お願いしますよ。オファーをどう受け取るかは別として、彼は立場としてフリーになるのだからフロントに慮ることはない。これは実現すべきだろう。

ついでになってしまったがマガ特集。読み応えはあるし、当事者が語っていること自体が素晴らしいと思うが、もうちょっと移籍ルールの変更について上位クラブのフロントにも突っ込んだ話をして欲しいところだった。あとサンフレッチェの強化部長のインタビューが、Sの極みの取材で山崎前強化部長がそのまんま答えてたような内容とそれほど変わらないようなフレーズが飛び出していて泣けてきたぜw チームとしては目障りな存在でもあるのだが、実はサンフレッチェにはとても親近感が沸く。やっぱりサッカー以外でも静岡と広島って似ているところがあるんだよね、多分。

(追記・修正)
静岡新聞によると「昨年末にフロントから契約満了を通告(退任決定)」、報知静岡版によると「大量流出の責任を取り退任」とのこと。
しかし、プレーヤーの動向を騒ぎ立てたいマスコミはともかく、フロントのスタンスとしては「大量流出」の<大量>についてはそもそも既定路線だったはずなので、それによる「退任」はちょっと考え辛い。一方で社長が会見で表現した「新しいサイクルの変革」の中に望月さんの退任も含まれているのならば、「昨年末に通告(決定)」することもちと不自然ではある(ゴトビ監督を招聘し、補強も進めた「責任者」である)。
となると想定外の移籍であった兵働、本田拓が影響したと考えるのが自然ではある。すると彼らがコメントした「25日(天皇杯準々決勝山形戦前)までには態度を決める」はやはり事実だったのか?
で、妄想タイムライン。

①想定外の2人が25日(年末)までに移籍を決断(?)
↓※11月の教訓から公表はされず(?)
②流出決定(責任問題発生?)

③年末、(大量)流出の責任を取る形でフロントが望月さんに契約満了を通告(退任/辞任)

④天皇杯決勝敗退

⑤兵働・本田拓移籍決定
↓※本田拓の移籍金等の問題で正式決定が長引く(本当に移籍金の問題だったのか?)
⑥望月さん、サカマガ強化部長特集のインタビュー取材

⑦後任に原さん浮上(?)

⑧シドニーFCのプレーヤー(FW)と交渉中との報道(豪メディア)
↓※豪協会を巻き込みトラブル発生中(?)            
⑨退任(辞任)報道 ←今ここ

しかしよく考えてみれば、③と①が逆になっている可能性もある。
つまり望月さんが問われた責任というのが「大量流出」ではなく、「マスコミが大きく取り上げたことで騒動になり、チーム内に不安を呼んだこと(フロントの決断についてプレーヤーの理解が得られなかったこと)」かもしれないというケース。その場合は、通告は実際は「年末」ではなくもう少し早いタイミングか。それならば兵働や本田拓がさらに揺れた末に移籍を決断したとしてもおかしくない。事実はわからないけれども。

しかし既に退任が決定してしまった以上、知りたいのは原さんの名前がどのタイミングで出てきて、ゴトビ監督がどのタイミングで、どういう人脈から浮上してきたのかということ。監督の人選についてはサカマガを読む限り、複数の関係者(代理人)から日本人監督の売り込みがあったようだが(おそらくJとかMとかじゃないのかね?)、フロントは最初から外国人監督招聘の路線だったようだし…そもそも監督を招聘した責任者がクラブを去るという形は正しいのか。それとも別の“誰か”のルートで招聘が行われたのか…まあ今、本当に知りたいのは、フロントがどのタイミングで2010年シーズンを諦めて、動き始めたのか、ということなんだけどね(そもそも健太体制は最初から2010年限りだった可能性も高いが)。
契約の話だから“関係者”でもない限り、なかなか外に漏れることはないんだろうけれども。
やっぱり健太のコメントで窺えるように、ワールドカップ後の夏に一気に噴出しちゃったのかなあ…。
サカマガのインタビューが興味深くなった。

ま、それはともかく、兵働さんが年末年始に繰り出した一連のコメントがますます不可解なんですがw。

(追記 2月1日)
強化部長に原靖さんの就任が公式サイトで発表された。
また併せて前強化部長の望月さんは強化育成コーディネーターに就任、竹内社長が強化育成本部長を兼任することが発表された。ということで、この件について一番の不安点だった「現体制の強化責任者」はクラブに残ることになったことは良かったと思う。健太の6年を経て一変したチームに期待は大きいが、やはり不安もそれなりに大きい(とはいえ現時点では、補強に関しては実績を持つ人間が多く加入したのだから期待の方が大きいな…)。どちらに転ぶにしても結局大事なのは、目先の結果に囚われずに、新たに船出するチームをしっかりと支えるフロントである。
何の説明もないまま憶測ばかりが渦巻く竹内-原-望月という三頭体制に不安を覚えないわけでもないが、エスパルス、サッカー、スポーツに関しては走り出してしまったものに対してガタガタ言い続ける趣味はないので(でも時々は書くかもしれない)、停まらないように走りながら考えたい。竹内社長の兼任は前部長と現部長が同時に所属する中で多分に緊急避難的な側面もあるんじゃないか。どちらの方も有能だと思うだけに。
まあ、経緯はよくわかんないですが。
この辺、頼みの綱だったSの極みもかなり取材力が落ちている雰囲気もあるしなァ…少なくとも第二オフィシャルサイト化だけは避けていただきたい。誰もそんなものを求めて継続してるわけじゃないんだから。バーケンさんはお世辞にも文章上手ではなかったと思うけれども、スタンスとしては完全にサポーターであり、ジャーナリストだったから。サポーターが知りたいことを最も近い場所で取材しながら、ジャーナリスト的な抑制を加えつつ伝えていた。
無料月間は過ぎたんだからシモーネさんにもそろそろ本気になって欲しいところなのよね…正直なところ。

アフガニスタン帰国報告会

2011-01-27 01:49:23 | News
昨年、常岡浩介さんの講演会を開催した静岡の「カレーズの会」から案内が来た。
ここのところ北アフリカの連鎖的な動向が注目されていたりするんだけれども、忘れちゃならないアフガンの情勢に興味のある方は参加されてみてはどうだろう。入場無料だし。まあwebで読んだり、ustを観たりするのもいいんだけど、直接当事者の肉声を聞くってことが最初の一歩ですから。これもまた所謂ライブすね。

カレーズの会 レシャード・カレッド理事長「アフガニスタン帰国報告会」
日時:1月29日(土)14時30分~16時
会場:静岡県総合社会福祉会館2階 ボランティアビューロー
参加費:入場無料

丁度サポサンの前日で静岡に着いてる時間帯なんだよなあ…。タイミングがいいというか。