シアターブルック、2012年の最新作『最近の革命』。
作為なきパフォーマンスと天衣無縫なギターとは裏腹に、タイジの書く歌詞は実に繊細で、直球で、気恥ずかしいほど真面目である。一曲目「キミを見てる」では、3.11の衝撃から生まれた「ひとつの答え」であり、いよいよ開催が間近に迫ったソーラー武道館とタイジ自身の覚悟が色濃く投影されている。まさにソーラー武道館賛歌ともいえる内容。以降、収録された新曲はどれもが、2011年から2012年のタイジの率直な心の動きが表現されていると思う。ということで、音の方も武道館向けのハードロック大会だった前作とは打って変わって(“ソーラー”かどうかはともかく、2012年末の武道館公演は前作のリリース当時から宣言していたのだ)、原点回帰ともいえるアーシーな感触になっている。
タイジのいう「NOではなくYESの革命」とは、3.11直後から連続開催されている下北沢・風知空知でのシリーズライブ「LIVE FOR NIPPON」でゲスト出演したキャンドル・ジュンの言葉を受けたものだろう。正直言ってその言葉には全面的に賛成というわけではないのだけれども、この場合のYES/NOはコインの裏表、クルマの両輪といったニュアンスで受け止めている。
「YESの革命」は明後日で武道館から始まる。
革命の門出を是非是非多くの人に見守って欲しいと思う。