徒然地獄編集日記OVER DRIVE

起こることはすべて起こる。/ただし、かならずしも発生順に起こるとは限らない。(ダグラス・アダムス『ほとんど無害』)

全国地震動予測地図

2012-12-24 16:03:07 | News Map

■30年以内に震度6弱以上が発生する確率
<政府の地震調査委員会(委員長・本蔵義守東京工業大学名誉教授)は二十一日、日本の各地に住む人がどのぐらいの確率で地震に遭うかを示す「全国地震動予測地図」を改訂した。東日本大震災の影響を取り入れ、余震の可能性を考慮した結果、巻頭では危険度が大幅に増した地域がある。
(東京新聞12月22日付 震度6以上確率増す/予測地図 茨城・千葉など大幅増)


■主な海溝型地震の確率(今後30年間)
<全国の主要な活断層が長期的に見てどれぐらいの確率で地震を起こすかを予測している政府の地震調査委員会は十一日、二〇一三年の新しい予測値を公表した。>(東京新聞2013年1月12日付 東南海 わずかに上昇/30年以内地震新予測値公表)

大震災には本を読む/「橋本治という立ち止まり方」

2012-12-24 02:34:30 | Osamu Hashimoto
10月に出た『橋本治という立ち止まり方』(朝日新聞出版)。
2010年9月に東京都指定の難病である顕微鏡的多発血管炎と診断されてから約四ヶ月間の入院生活、退院した途端の東日本大震災、原発事故と自ら“立ち止まる”というよりも“立ち止まらざるを得なかった”橋本治。さらに前半では日本の経済と生業である出版の未来を憂う(まさにこのあたりは『大不況には本を読む』。誰のせいでもない震災と、どうしたって誰かのせいでしかない事故、そして自らの病気と“立ち止まり”の萌芽は気づかぬうちに見え始め、あるとき一気に、そして同時に噴出する。

そして、みんな、立ち止まった。
不安感だろうが、罪悪感だろうが、焦燥感だろうが、ともかく日本人は立ち止まったはずだったのだったのだが、1年9ヶ月経ってその選択が結果的に自民圧勝なのはあんまりというものである。
“立ち止まった”治ちゃんは、3冊の本を取り上げる。
島崎藤村『夜明け前』、与那覇潤『中国化する日本』、そして安富歩『原発危機と東大話法』。
それは、それぞれ「場所」と「状況」と「立場(関係)」を指し示す。
<本というものは「人を動かすもの」で、人を動かしておきながら、本というものはその「答」をくれない。>
巻頭に置かれた「本の未来、人の未来、社会の未来」でそう書く。読んで突き動かされるように行動する人もいれば、読んで“動かされ、ジタバタ”しながらも自分の「答え」を保留状態にする人もいる。立ち止まったのならば、立ち止まったなりに思考しなければ立ち止まった意味がない。まさに「大震災には本を読む」である。まあ、本は「テキスト」や「ツイート」に置き換えてもいいかもしれない。

「そんなの関係ないもんね」と言い続けても、嫌々ながらも(時に嬉々として)社会と関わり、関係を考え、問い続ける人にとっては身体の変化だって、そりゃ社会と無関係ではいられない。人間、そんなに無神経に、エゴイスティックに生きていられないもんね。いつもながらの時評の一方で、「闘病記」と題する極めて個人的な病状の経過報告、四ヶ月近くに及んだ入院体験記はファンにとっては貴重です。


橋本治という立ち止まり方 on the street where you live
価格:¥1,890
<橋本治の時評エッセーが、いよいよ復活! 2009年の政権交代から11年の東日本大震災まで、日本の社会を立ち止まらせている現状と、その理由が一目でわかる。リーダー不在の国、歴代総理の決断力、原発事故がもたらしたもの、中国の民主化など、話題満載の書。><この国の未来を本当に考えるのであれば立ち止まれ、ニッポン!リーマンショック、政権交代、東日本大震災を経てふたたび歩き出すための英知が、ここにあります。>
登録情報
単行本: 248ページ
出版社: 朝日新聞出版 (2012/10/19)
言語 日本語
ISBN-10: 4022510013
ISBN-13: 978-4022510013
発売日: 2012/10/19
商品の寸法: 18.8 x 13.2 x 2 cm