●宇宙探査●月と火星を第2の地球に!―SPE―         科学技術研究者   勝 未来

                 ~各国は月と火星の探査計画を着々と実行に移している~   

●宇宙探査●口径30mの次世代天体望遠鏡「TMT」、今年ハワイで着工 

2014-05-26 11:24:28 | 天体観測施設

 国立天文台が国際協力で進めている口径30mの光学赤外線・次世代超大型天体望遠鏡「TMT(Thirty Meter Telescope)」の建設が、2021年の稼働開始を目指し、ハワイ島マウナケア山頂で今年から開始される。

 このTMTは、これまで世界最先端の天文学で活躍してきた口径8.3mのすばる望遠鏡をはるかに凌ぐ解像度と感度を実現する。TMT は492 枚の複合鏡からなる口径30 メートルの望遠鏡。これにより、光を集める能力でTMT は従来の望遠鏡を10倍以上凌駕し、天体の性質を調べるのに不可欠な分光観測などにおいて圧倒的な力を発揮する。

 この実現のため、TMTでは分割鏡方式で建設することにしている。比較的小さな鏡を何枚も敷き詰めて用いる分割鏡方式でも高い性能が達成できることが確かめられている。

 大口径を持つTMTは、将来の分光観測で活躍することが期待されている。分光観測は、ただでさえ暗い天体からの光を、細かく波長に分けて記録しようとするので、できるだけ大きな鏡で光をかき集めておく必要がある。

 地球大気の影響を受けない宇宙望遠鏡は、解像度の高い観測では地上望遠鏡よりも当然有利。しかし、赤外線観測で補償光学を用いることができれば、鏡のサイズが大きい方が高い解像度を得ることができるため、TMTは宇宙望遠鏡を凌ぐ解像度を達成できる。

 現在、国立天文台TMT推進室では、TMTを海外研究機関(米国・カナダ・中国・インド等)との国際協力によって実現するために、準備活動を進めている。

 

 

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