東北大学、宇宙科学研究所、国立天文台などの研究者を中心とする研究チームは、すばる望遠鏡とハッブル宇宙望遠鏡を用いた観測から、ガリレオ衛星(木星の周りを回る4大衛星)が、木星の影に入り太陽光に直接照らされていない「食」の状態にも関わらず、わずか(通常の100万分の1程度)に輝いているという現象を発見した。
詳しい原因ははっきりとは解明されていないが、研究チームは、木星の上層大気に存在する「もや」で散乱された太陽光が、ガリレオ衛星を間接的に照らしているのではないか、と考えている。これは、月が地球の影に完全に隠れてしまう皆既月食の時でも月が赤く光るのと似た現象。
今後この現象を継続的に調べることで、これまで観測が難しかった木星の「もや」の性質に迫れるだけでなく、近年数多く発見されている太陽系外惑星の大気についても新たな知見が得られると期待される。