世界初のロボット月面探査レース「Google Lunar XPRIZE」に挑戦するispaceが運営する日本初の民間月面探査チーム「HAKUTO(ハクト)」は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同研究契約を締結し、月遷移軌道及び月面における宇宙放射線環境データの取得を共同で実施することになった。
Google Lunar XPRIZEのミッションは、2017年末までに民間開発のロボット探査機を月面に着陸させ、月面を500m以上移動し、月面の高解像度の動画や静止画を地球に送信すること。
HAKUTOは、Google Lunar XPRIZEに挑戦するプロジェクト「au×HAKUTO MOON CHALLENGE」において、これまで開発してきた月面探査ロボット(ローバー)の改善を重ね、月面探査を成し遂げるためのフライトモデルの開発を進めている。
HAKUTOは、超小型・軽量な月面探査ロボット(ローバー)による、宇宙での放射線量計測と有効なデータを得られるミッション運用の実証を目的としている。
JAXAは、HAKUTOのミッションで想定される月の宇宙放射線環境のシミュレーション結果と共同研究における実測結果の比較により、シミュレーション方法をより向上させ、将来の月探査などに貢献することを目的としている。
共同研究では、民生品を改修した宇宙放射線計測用超小型リアルタイム線量計を、HAKUTOが開発しているローバーに搭載し、実測データがほとんどない月遷移軌道及び月面における宇宙での放射線量に関するデータの取得を目指す。
また、同共同研究契約にともない、JAXAはHAKUTOのサポーティングカンパニーに加わる。
同共同研究は、従来の国家主導の宇宙探査ミッションではなく、民間主導の宇宙探査ミッションにおいて日本の宇宙機関が共同研究を行うという初めての試みとなる。