国際協力機構(JICA)と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、JAXAの陸域観測技術衛星2号「だいち2号」(ALOS-2)を用いて熱帯林の伐採・変化の状況をモニタリングしているが、この情報をインターネット経由でパソコンやスマートフォンから簡単にアクセスできる「JICA-JAXA熱帯林早期警戒システム」(JICA-JAXA Forest Early Warning System in the Tropics: JJ-FAST)サービスを、11月13日(日本時間)から開始した。
JICAとJAXAは、2009年から2012年にかけてブラジルへの支援として、アマゾン地域で「だいち2号」の前号機である「だいち」の観測データを用いて、違法伐採のモニタリングを準リアルタイムで実施した。
「だいち」は雲を透過して森林をモニタリングすることができるため、雨季においても熱帯林を常時監視できる。ブラジルでは、「だいち」を用いた森林監視の結果、2,000件以上の違法伐採を検知し、森林の違法伐採の面積を40%減少させることに大きく貢献した。
JICAとJAXAは、この取組みを通じて得られた知見をもとに、JAXAの「だいち2号」を用いて熱帯林の伐採・変化の状況をモニタリングすることに合意し、2015年にパリで開催された第21回気候変動枠組条約締約国会議(UNFCCC-COP21)のジャパン・パビリオンにおいて「森林ガバナンス改善イニシアティブ」として発表した。
同イニシアティブの一環として、「JICA-JAXA熱帯林早期警戒システム」(JJ-FAST)を構築したもの。JJ-FASTは、世界の熱帯林の伐採・変化の状況を平均して1ヶ月半に1回の頻度で公開していく予定。利用者は、インターネットにアクセスできる環境であればどこからもJJ-FASTを利用することができ、熱帯林の伐採・変化の状況を見ることができる。