インターステラテクノロジズ(北海道広尾郡⼤樹町、稲川貴⼤社長)は2023年2月10日、超小型人工衛星打上げロケット「ZERO」のフェアリング(衛星保護カバー)分離放てき試験を、福島ロボットテストフィールドにて実施し成功した。
フェアリングは、ロケット先端部に搭載された人工衛星などを覆って保護するカバーで、上空で十分空気が薄くなった後は左右2つに分かれて切り離される。
同試験では、フェアリングが設計通りに分離し、機体から離脱するかを確認した。
今後は、同試験で得られたデータを元に、実機モデルの設計と製造に着手する。
同社は現在、超小型人工衛星用の小型ロケットZERO(長さ25m、直径1.7m、総重量33t)を開発しているが、フェアリングは打上げ時の空気抵抗を減らし、高速飛行に伴う空力加熱などから人工衛星を守る役割があり、同社が衛星用として初めて開発する部品。
高さ3.6m、直径1.7mの円筒型で、素材には軽くて強度の高いCFRP(炭素繊維強化プラスチック)を採用している。分離機構には、海外の民間ロケット会社で主流となっている火薬を使わない装置(非火工品)を国内で初めて取り入れた。
これにより、フェアリング分離時の衝撃を大幅に緩和し、衛星に優しい設計となっている。
また、同試験はフォトロン(東京都千代田区)が協力し、高性能ハイスピードカメラによる高解像度のスローモーション映像を撮影した。
今後は、専用のソフトウェアを使って画像解析を行っていく。