東京大学宇宙線研究所の馬渡健特任研究員、早稲田大学の井上昭雄教授らの研究チームは、ろくぶんぎ座の方向にある「COSMOS(コスモス)」という天域で、宇宙年齢10億年の時代の「老けた」銀河の観測に成功した。
COSMOS天域では、日本のすばる望遠鏡を含む世界中の望遠鏡が協力した観測がこれまでに行なわれており、全天で最も良質な画像データが揃っているが、同研究チームは、既存の観測データに加え、アルマ望遠鏡による超高感度電波観測も独自に行い、同天域にある近赤外線で明るい3万7千の天体から「老けた」銀河の候補を3つ選び出した。
詳細な解析から、これらの天体はいずれも、宇宙年齢10億年程度の時代にある約7億歳の星から成る「老けた」銀河である可能性が高いことがわかった。つまり、宇宙年齢わずか3億年(135億光年の距離)の時代に銀河が誕生していたことが推測できる。
これまではビッグバンから5億年後(約133億光年の距離)の銀河まで発見されていた。