畑のつぶやき

畑や田んぼの作物の生育や農作業の報告
農家の暮らしの日記
田畑を取り巻く自然の移ろいの描写
食、農への思い

生い立ち

2011-05-09 20:46:07 | 猫、犬

5月9日(月)  

暖かい晴れ。初夏の天気。畑作業をしていると汗ばむ。シャツ一枚になって過ごす。

花畑での、畝立、マルチ張り。5畝作る。

わたし、ソラ。生い立ちを、覚えている限り、話します。

生まれは、東条。番地までは判らないけど、気持ちの良い、床下で生まれた。母親は、ノラ。父親は知らない。兄弟は、いたかもしれないが、気がついたときは、一匹だった。けれど、私は、幸運の星の下に生まれた。母は、ノラだが、床上に住む大家さんが、親切な人だった。大家さんは、母に充分な食事をふるまってくれていたそうだ。母は、何の心配もなく、私を身ごもり、産んでくれた。だから、私もひもじさを、覚えることなく、母の母乳をたっぷり飲んで、順調に育った。離乳食も、大家さんは、用意してくれた。私は、幸せだった。これからずっと、やさしい大家さんに守られながら、母と暮らせると、思っていた。

しかし、私が、完全に、乳離れし始めたある日、大家さんは、私を抱いて、車で、出かけた。どこに連れて行ってくれるのだろう、と、初めてのドライブに、楽しみながらも、ちょっと不安だった。到着したのは、犬、猫病院。私は、寄生虫や、ノミやダニの検査をされ、そのまま、入院させられた。健康チェックの後、退院時には、また、大家さんが迎えに来てくれるだろうと、思っていた。

病院の生活も、快適だった。先生も、その奥さんも、とても優しく、親切だった。食事も、毎日が、御馳走だった。キャットフードメーカーとかから、宣伝用に送られてくるという、キャットフードのサンプルが、日替わりのように、食卓に上った。私は、大家さんのことも、母のことも、そんなに思い出すこともなくなった。一週間ほどたったある日、奥さんが、食事を出してくれながら、「行き先が、決まったよ」と、声を掛けてくれた。「今日、御迎えに来るからね」

 

コメント
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